ONLabが第15期プログラムのデモデイを開催、妊活支援コンシェルジュの「ファミワン」が最優秀賞を獲得

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東京のスタートアップ・インキュベータ Open Network Lab は5日、Seed Accelerator Program 第15期のスタートアップを披露するデモデイを開催した。このバッチには、日本の内外から合計89チームのエントリがあったが、中から6チームが選抜され3ヶ月間にわたってメンタリングや支援を受けることとなった。

なお、6チームのうち2チームについては公開されず、4チームがデモデイでピッチした。デモデイの最後には、主要メンターやデモデイに参加した聴衆らによる審査投票でチームを表彰した。

デモデイでは、以下の審査員5名による審査をもとにチームが表彰された。

  • 林郁氏(デジタルガレージ 代表取締役社長兼グループCEO)
  • 畑彰之介氏(カカクコム 代表取締役社長)
  • 村上敦浩氏(カカクコム 取締役)
  • Adam Lindemann 氏(Mind Fund CEO)
  • 土屋尚史氏(グッドパッチ 代表取締役)

【最優秀賞】ファミワン by ファミワン

ファミワンは、夫婦の妊活支援を提供するプラットフォーム。東京大学や聖路加大学の関係者支援のもと、学会でも評価が得られたアルゴリズムを使って生活習慣の分析を提供、また、夫婦間の性交渉のタイミング調整など、チャットベースで夫婦間のコミュニケーションの橋渡しを行う。

ファミワンはこれまでに、妊活支援に特化して、コミュニティサイトの「FLIPP」やオウンドメディア「famit」などを展開しており、これらのサービスまわりにすでに1,860名のユーザが存在する。夫婦への有償妊活プログラムの販売、創薬に向けたデータ販売、医療機関への送客などでマネタイズを図るとしている。

【オーディエンス賞】ロジクラ by ニューレボ

ロジクラは、54兆円に上る中小企業の過剰在庫の問題の解決を支援するプラットフォームだ。企業における発注担当者は、勘や経験で発注を行なっていることが多く、これが過剰在庫を生み出している。ロジクラでは、景気動向、天気、競合情報、破損率などをもとに需要予測を行い、データドリブンな発注環境を提供する。

国内には在庫管理から需要予測までを一気通貫で提供するサービスがまだ存在しておらず、ロジクラはこの点で優位性を誇っている。すでにβ版を11社が導入、当面は国内過剰在庫の30%削減を目標に、規模に応じて年間60万円からの料金で提供する。将来的には、ユーザ同士が過剰在庫/在庫不足を売買できるマーケットプレイス機能を提供したいとしている。

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HIDEOUT CLUB by ハイドアウトクラブ

HIDEOUT CLUB は、12,000人のウイスキー好きファンが加入するコミュニティアプリだ。楽天出身のウイスキーエキスパートの2人が約1年前にローンチした。新規集客したいバーと、新しいバーを開拓したいユーザの間のギャップを埋める。

ユーザは月額1,500円の定額を支払うことで、アプリに表示される渋谷・新宿・銀座のバー80店舗の中から1日につき最初の1杯を無料で提供してもらうことができる。バーは新規来店したユーザが顧客台帳に登録されることでリターゲティングが可能になり、お酒を選んで提供可能な商品を選択登録することで、ユーザの検索に自店舗が表示されるようになる。

バーに対する営業は、バーオーナーの紹介によるものが多く、営業成約率は50%と高い値を誇る。日本に650万人いると言われるウイスキーファンをターゲットに、今後、サービスエリアを日本全国、インバウンド客、高級リゾートへと広げ、2021年にユーザ100万人を目指す。

Better Engage by BtoA

Better Engage は、データドリブンのアプローチで社員の離職予防を支援するサービスだ。さまざまなクラウドサービスと API 連携することで、勤怠データ、勤続データ、パフォーマンスデータ、サーベイデータを取得。これらから、「上司との関係性」「同僚との関係性」「業務満足度」「職場満足度」「成長実感」という5つの指標で、社員毎のエンゲージメント評価を行う。

エンゲージメント指標5つのうち、「上司との関係性」「同僚との関係性」については、社員へのサーベイだけでなく、社内コミュニケーションツール上でのやりとりから取得する。サービス開始から3ヶ月で12社がテスト導入しており、25%が有償利用の意向を示している。1社員あたりの月額利用料は800円。

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Open Network Lab を運営する DG インキュベーション取締役の猿川雅之氏によれば、今回の第15期の修了を受け、Open Network Lab は通算で85組のスタートアップを輩出したことになる。また、前回第14期までの輩出スタートアップの資金調達成功率は56.7% に達しているとのことだ。

第15期デモデイの開催とともに、第16期への応募受付が開始された。Open Network Lab は、3ヶ月間のバッチ参加中の活動資金として最大1,000万円を提供。Open Network Lab の日本内外3拠点(代官山・鎌倉・サンフランシスコ)の1年間の無料施設利用に加え、Open Network Lab の Seed Accelerators Program からこれまでに輩出されたスタートアップの経営者らによるメンタリングも提供する予定。第16期への申込締切は、11月27日の正午となっている。

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