
(前回からのつづき)でも、だ。それであったとしてもそれはそこまでの問題ではない。
というのも、このガントリーロボットはTRIのフロアベースの移動ロボットの1つと、頭上移動システムを組み合わせたものになる。チームはロボットを開発しながら、家電製品、家具、テーブルを使ったデモ用のお部屋を完成させた。ここにはロボットが動作するために必要な天井の梁も設置する必要がある。動画では、床型ロボットがテレビを壊さずに掃除する様子を23分頃から見ることができる。
ガントリーロボットはあらゆる作業において相当の重力と戦う必要があるので、TRIはかなりガッチリとロボットを天井に組み込んでいた。そのことが可動性をかなり制限してしまう。こういったロボットがお役立ちしてくれそうなお家でも、そこがもし小さかったらやっぱり設置はかなりの負担になるだろう。オンラインで注文してはいどうぞ、というわけにいかなさそうだ。
その一方でもし、ロボットが地上でも移動し、必要に応じて天井に取り付けることができるとしたらどうだろうか?

TRIのVP、Max Bajracharya氏はこの取り組みをこう語る。
「ご覧のように私たちは本当に大きな技術的課題に取り組んでいます。しかしこれらの課題は現実世界のニーズに向き合ったものであり、トヨタが社会にポジティブな影響を与えることができると考えています」。
私はTRIが示した天井のコンセプトが好きだ。
特に日本のような狭い家では床にロボットを「住まわせる」スペースがない。確かに現状のガントリーロボットはコンセプトそのままだろう。それ以上でもそれ以下でもない。でも、それでいいのだ。家庭内の物にぶつからずにそれ以上のことができるロボットには、このような革新的な研究が必要なのだ。
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