EC物流効率化SaaS「ロジレス」運営、シリーズAで5億円を調達——ALL STAR SAAS FUNDとCoral Growthから

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Image credit: Logiless

EC 物流効率化 SaaS「ロジレス」を運営するロジレスは24日、シリーズ A ラウンドで5億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、BEENEXT の SaaS 特化ファンド「ALL STAR SAAS FUND」と、Coral Capital のフォローオン投資特化ファンド「Coral Growth」。Coral Capital(当時は、500 Startups Japan)は昨年実施したシードラウンドに続くフォローオン。

ロジレスは、ネットショップでユーザからの受注を請け負う OMS(Order Management System)と、倉庫で実際の注文に在庫を引き充てる WMS(Warehouse Management System)を統合できる物流効率化 SaaS だ。OMS と WMS が分かれた運用では、OMS → WMS へのデータの引渡が CSV による手作業であったり、小規模店舗では OMS 側のカスタマイズに限界があるため、例えば、「1万円以上購入いただいたら、無料で××をつけます」といった対応は、運営担当者が属人的な対応を余儀なくされたりする。手動対応や属人的な対応が増えれば増えるほど、運営担当者は雑務に忙殺されるが、ロジレスは、WMS と OMS を一気通貫化することで、これらの人が介在しなければならない作業を極力最小化する。

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ロジレスの創業者で代表取締役の西川真央氏は、今回の資金調達の背景を次のように語ってくれた。

サービスローンチからの約2年半を PMF(プロダクトマーケットフィット)に費やしてきた。マーケティングよりも PMF に注力してきたが、それでも280社(有料ユーザ)が導入してくれている。このトラクションを評価してもらい、今回の調達に至った。

物流代行という領域に商機を見出すことができ、ここに成長の可能性がかなり見えてきた。当社は今、人が不足していて成長スピードが鈍っている状況なので、今回の調達を受け、営業担当者を増やして売上を底上げし、事業を伸ばす。

EC は現在も年8.1%という堅調な伸び率を示しているが、一方、生産年齢人口は2030年には現在に比べ22%減少すると予測されている。そんな中で、ロジレスが EC 事業特化メディア「ECのミカタ」と共同で行った調査によると、実に3分の2の EC 事業者が物流代行を実施しているか、または、物流代行の導入に関心があると回答したという。物流代行とは在庫の保管や出荷業務(ピッキング、梱包、出荷など)を行ってくれるアウトソーシングサービスで、3PL(サードパーティロジスティックス)の一形態でもある。

コロナ禍も追い風となって EC ビジネスは以前に増して活気づいている。ロジレスの顧客である EC 事業者の流入もまた、オンラインやリファラル(既ユーザからの紹介)によるものがほとんどで、コロナの影響はあまり受けていないという。ロジレスでは先週、オンラインマーケティングを強化するために、オウンドメディア「LOGILESS Blog」をリリースしている。

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