社外との日程調整を簡単にする「Spir(スピア)」がβローンチ——メディアとしてのカレンダーに見出す新たな可能性

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Image credit: Spir

Spir は11日、社外の人との日程調整を簡単できるサービス「Spir(スピア)」をβローンチした。複数のカレンダーと連携し、自分の予定を確認しながら日程調整したり、参加者の予定を考慮して候補日を自動抽出したりできる。また、ビデオ会議サービス「Zoom」と連携しテレカンの実施準備も自動化可能だ。

Spir を作るのは、ユーザベースで「SPEEDA」や「NewsPicks USA」の立ち上げを務めた大山晋輔氏(現 CEO)、 ABEJA や Virtusize 出身の姜正謀氏(現 取締役)、大山氏と同じくユーザベースで NewsPicks 各種サービスの開発リーダーを務めた木下渉氏(ソフトウェアエンジニア)の3人

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昨年3月の会社設立からブートストラップ兼ステルスモードで Spir を開発し、昨年末にα版 を、9月にクローズドβ版を公開し、今回オープンβ版の公開に至った。「調整さん」「TimeRex」「waaq Link」といった日程調整ツールが既に存在するが、Spir を開発・展開する理由を大山氏に聞いたところ、カレンダーを一つのメディアとして捉えた面白い見方を披露してくれた。

デジタル化でより細分化されたマーケティングができる基盤が整って来たものの、個人という最小単位にまでセグメントを切ってマーケティングすることは、まだなかなかできていない。アメリカでは LinkedIn がその役割を果たし、最近では Zoominfo のような企業も注目を集めている。

日本では、Facebook や Sansan が近いと思うが、Facebook はソーシャル API を閉じてしまったし、Sansan は Salesforce や Marketo などとは連携できても、サードパーティはデータを使えない。その点、カレンダーは興味深いメディアだ。ユーザのオフラインの行動データが溜まるので、そこからパーソナルなツールに発展させられるのではないか。(大山氏)

キャラクタ育成系ゲームの、メーカー側が積極的なリテンションをしなくてもユーザが定期的に戻って来てくれる効果と同様に、カレンダーツールや日程調整ツールもまた、声高に宣伝しなくてもユーザがサービスに戻り、情報を定期的にアップデートしてくれるサービスと捉えることができる。将来はここで究極のオプトインの形で、 ユーザは自分に合った情報を集められるようになるのかもしれない。

もっとも Spir は当面、日程調整ツールとしてのユーザエクスペリエンスの改善に傾注する考えだ。大山氏によれば、日程調整ツールをカレンダー形式で表示するのは難しいため、多くのツールでは選択肢をリスト形式で表示するものがほとんどだが、Spir では空いている時間帯の可視化や、相手に選択肢として提示する際の見やすさなどの点で差別化できると自信を見せる。今後、Slack や Notion のような SaaS サブスクリプションモデルでのマネタイズを狙う。