Apple Silicon「M1」チップ、その特徴(1/2)

SHARE:
Image Credit : Apple

2010年、AppleがARM技術をベースとした自社製A4プロセッサーを発表した時、ほかに十分な代替製品があるにもかかわらず貴重な自社リソースを無駄にしていると批判されていた。しかし、A4のバッテリー駆動時間はiPadやiPhone製品に最適化されており、その後10年に及ぶ開発で性能は1,000倍にも向上したと言われている。

Appleは今日正式に、自社初のMac専用AシリーズプロセッサーM1を発表し、Intel CPUへの終わりを告げた。チップは1,600万ものトランジスタを搭載、1ワット辺りにおけるパフォーマンスとしては業界最高だと同社は主張している。

Apple Siliconと呼ばれていたM1チップだが、従来のIntelチップとは一線を画す大きな特徴を持っている。性能と消費電力が異なるCPUコアを8つ搭載していることに加えて、独自設計の8コアで構成されるGPU、機械学習に特化した16コアのNeural Engine、またカメラ、ビデオ、オーディオ、ストレージ、セキュリティー機能のための統合プロセッサーが搭載される。GPUはそれだけでも10ワットで2倍のラップトップグラフィック性能を持ち、3分の1の電力消費に抑えらえれている。

Appleは今まで、セキュリティーやオーディオ管理に際して自社開発のT1プロセッサーとT2プロセッサーなどを利用してきた。M1チップでは、これら機能をCPU、GPU、Neural Engineと同じ部分で利用し最適化を図ることで、バッテリースペースの確保などに成功している。チップ自体は冷却ファンを必要としないため、負荷がかかっても静かな状態が確約されている。さらに、Mac製品としては初めて専用AIも搭載している。

iPhone 12やiPad Airに搭載されているA14プロセッサーのように、M1は5ナノメートル製造プロセスを採用している。過去のMacでは、10ナノメートルプロセスで製造されるIntelチップを利用していた。Appleの主要なモデムサプライヤーでもあるQualcomnは、現在7ナノメートルのSnapdragon 8cxシリーズを提供しており、ファンレスなラップトップやタブレットを狙っているとされる。(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する