小規模薬局を「オンラインデリバリー」可能にするScriptDrop

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ピックアップ:ScriptDrop Raises $15M Series A For Pharmacy Delivery Platform

ニュースサマリー:処方薬デリバリーサービス「ScriptDrop」はシリーズAにて1500万ドルの資金調達を実施したことを発表している。リード投資家にはOhio Innovation Fundが参加している。同社は小規模の薬局向けにシームレスな処方薬デリバリーソリューションを提供している。ユーザーは同社アプリを通して簡単にデリバリーの依頼をすることが可能になる。

話題のポイント:ScriptDropの薬局に向けたサービスは、薬剤師が普段使っているソフト上でオンライン処方箋の管理を可能とした点が優れています。薬局側としては既存フローを変更することなく、各種配達サービスを立ち上げることができるので導入に対する懸念材料はほぼありません。

また、配達員に関してはScriptDropの提携キャリアがピックアップからドロップオフまでを一貫して担当。そのため、見方を変えればScriptDropのビジネスモデルは薬局版Postmatesとも言えます。同社ウェブサイトによれば、ある都立保健所がScriptDropソリューションを導入したところ、処方薬の返品による売り上げ減少が大幅に改善したと示しています。

CrunchBase

Crunchbaseが公開しているデータによれば、グローバルにおける処方薬デリバリーの利用量(ドル換算)は毎年増減を繰り返していることが分かりますが、今年は投資を受けた企業数こそ例年より少数なものの、過去5年で最も取引量が多くなりそうな状況です(データは5月時点のもの)。

こうしたトレンドはCOVID-19によるオンラインビジネス全般な傾向で、ユーザー需要が増えた結果、薬局側もデリバリーサービスの導入を積極的に検討したことを示していると考えられます。

同市場には先日AmazonがAmazon Pharmacy立ち上げ、本格的に参入を発表しています。ユーザー視点で見れば、処方薬は繰り返し依頼するため究極的にはAmazonに落ち着いてしまうのではという懸念はありますが、Shopifyのように小規模事業者にフォーカスした戦略も拡大しているわけなので、小規模の薬局と個人を繋げる流れがどこまで通用するのか注目が集まります。

共同執筆:「.HUMANS」代表取締役、福家隆

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