ソーシャルメディアの「顔情報」:トンデモ科学の応戦(2/4)

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トンデモ科学の応戦

前回からのつづき)Kosinski氏と共同著者らは批判に先制攻撃をかけ、自分たちの研究が骨相学や人相学とは一線を画すものだと主張しているが、それらのすべてを否定してはいない。彼らは論文の注釈に次のように書いている。

「人相学は非科学的な研究や迷信に基づいていて、証拠の裏付けに乏しく、人種差別的なインチキ理論だとして支持されてこなかったからと言って、すべてが間違っているとは言えません。人相学者の主張の中には、偶発的に正しいものもあるかもしれません」。

Kosinski氏によるとすべてではないにしろ、頭の向き、感情の表出、年齢、性別、人種など多くの顔の特徴から政治的姿勢が明らかになるという。ヒゲやメガネから支持政党を予測する精度は「非常に低い」ものの、自由主義者は顔をカメラにまっすぐ向ける傾向があり、驚きの表情をする可能性が高い(そして、嫌悪感を見せることは少ない)と彼らは述べている。

研究者らはこう書いている。

「顔の特徴は比較的固定していると思いがちですが、短期的・長期的の両面で顔の特徴に影響を与える要因はたくさんあります。たとえば自由主義者は、より強く、心から笑う傾向があり、笑いジワができやすくなります。保守主義者は健康志向が強く、アルコールやタバコの摂取が少ない代わりに健康食を好みます。これも時間の経過とともに、肌の健康状態や顔の肉づきを変えていきます」。

研究者らは、顔の外見から刑期の長さ、職業上の成功、学業成績、選挙の当選確率、年収などの人生の道筋を予測でき、それが今度は政治的な姿勢に影響するようだと考えている。また、顔の外見と政治的姿勢、遺伝子、ホルモン、胎児期に暴露した物質には関連性があるとも推測している。

「第一印象がネガティブだと生涯にわたって収入や地位を低下させる可能性があり、それによって富の再分配や社会的不正への感受性が高くなり、政治的な姿勢が自由主義の方向へ傾いていきます。出生前後のテストステロンのレベルは顔の形に影響する上、政治的態度と相関関係があります。また、胎児期に晒されたニコチンとアルコールは、顔の形態や認知的な発達に影響します(そして政治的な姿勢と関連性をもちます)」。

(次につづく)

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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