韓国政府のアクセラレータ「K-Startup Grand Challenge」が今年の参加者募集を開始、世界から招くスタートアップは60社に増枠

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2021年は、新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、韓国のスタートアップエコシステムにとって画期的な年となった。韓国のチャット API スタートアップである Sendbird は、シリーズ C ラウンドで1億米ドルを調達し、時価総額は10.5億米ドルに達した。

Sendbird は現在、韓国を拠点とする12のユニコーン・スタートアップの1つとなっている。韓国最大の e コマース企業 Coupang(쿠팡)は、今年のアメリカ最大の IPO で約46億米ドルを調達した。2021年の第1四半期には、少なくとも34社(その多くはテックスタートアップ)が、韓国取引所(KRX)に IPO を申請している。

韓国は、海外のスタートアップが国内での事業展開するのを容易にすることで、テックエコシステムとデジタル経済を成長させたいと考えている。韓国政府は、グローバルなスタートアップ企業が韓国で事業を開始することを誘致し、活気に満ちた市場で利用できる技術関連の製品やサービスの幅を広げる手助けをすることを目指している。

そのため、韓国政府が支援するグローバルアクセラレーションプログラムである「K-Startup Grand Challenge 2021」に、世界中のスタートアップ企業が応募できるようになった。このプログラムは、2021年4月15日から応募受付を開始した。

韓国政府、韓国中小ベンチャー企業部(MSS)、韓国国立 IT 産業振興院(NIPA)が主催し、資金を提供するこのプログラムは、スタートアップ企業にとって、韓国市場、さらにはアジア市場に進出するための比類のない機会となる。

(編注:採択されたスタートアップ60社には、韓国政府から3ヶ月半分の生活費が提供される。韓国での現地滞在が前提となるため、採択されたスタートアップの参加者は、8月15日までに韓国へ渡航し、8月31日まで韓国国内で隔離措置を受ける必要がある。)

世界のスタートアップが「K-Startup Grand Challenge」に期待すること

本プログラムでは、参加企業にさまざまな特典を提供される。K-Startup Grand Challenge 2021 では、60のチームと起業家に、3ヶ月半の韓国での全費用負担のレジデンスプログラムを提供する。このプログラムには、専門家による指導、コワーキングスペース、最先端の研究開発ラボ、企業とのパートナーシップ、アジア市場への参入などが含まれる。

それだけでなく、スタートアップは、今日の最新のイノベーションにアクセスできる環境に身を置くことができる。アクセラレーションプログラムは、ソウル近郊のテックハブであるパンギョ・テクノバレー(판교테크노밸리)のスタートアップキャンパスで開催される。また、選ばれた上位10社には合計32万米ドル相当の助成金が授与され、1位のチームには12万米ドルが授与される。

このプログラムを通じて、これまでにも世界的なスタートアップがこの地域に進出し、大きな成功を収めている。

テキサス州を拠点とする医療技術スタートアップ Ommo technologies は、K-Startup Grand Challenge 2020 への参加を通じアジア市場への進出を果たした。Ommo technologies はプログラム参加以降、韓国の投資家を中心に300万米ドルを調達した。Ommo technologies 共同創業者兼 COO である Kyul Ko 氏は次のように語っている。

K-Startup Grand Challenge は、潜在的な投資家やパートナーにアプローチするための道を開いてくれた。韓国政府は国内のスタートアップ企業を支援するだけでなく、海外のスタートアップが韓国に拠点を置いて支援を受けられるようにサポートしているが、このプログラムはまさにその典型だ。韓国でビジネスを成功させることができれば、アジアのすべてが手の届くところにあるのだ。

参加希望者の募集方法

参加資格は、設立から7年以内の企業で、代表者が外国籍であること。また、韓国および東アジア市場への進出に明確な関心があることを示す必要がある。

2016年に初めて開始されたこのプログラムは、アジアにおけるオープンなアントレプレナーシップのエコシステム拡大を促進し、韓国がこの地域の著名なスタートアップやビジネスのハブへと進化することを目的としている。2020年には、新型コロナウイルスの感染拡大にもかかわらず、プログラムの応募数は58%も急増し、118カ国から2,648チームが応募した。

K-Startup Grand Challenge の詳細および応募については、Web サイトを見てほしい。また、Facebook ページLinkedIn ページでも、詳細情報や最新情報を確認することができる。

【via e27】 @E27co

【原文】

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