建設職人マッチングプラットフォーム「CraftBank」運営、MBOから2ヶ月で3.5億円を調達——デライトV、MUCAPらから

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「CraftBank」

工事施工会社向けに建設工事受発注プラットフォーム「CraftBank」を開発・提供するクラフトバンクは15日、3.5億円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、デライト・ベンチャーズ、三菱 UFJ キャピタル、高野秀敏氏(キープレイヤーズ代表取締役)、城下純一氏(前ロスチャイルドジャパン会⻑)。また、構造物の検査・調査・診断のジャストとは資本業務提携を締結した。

クラフトバンクは、創業20年を迎える設計・内装工事会社ユニオンテックの R&D 事業として2018年にスタート。京都大学や東京大学大学院で建築学を学び、リクルートの SUUMO 事業に参画、その後、Recruit Strategic Partners の立ち上げに関わった韓英志氏が、ユニオンテックに副社長として加わり、この事業に着手したのが始まりだ。

建設・工事業界の IT ソリューションは参入障壁が高くないため、商流でみた際に、発注側から受注側に入力や報告を求めるツール、つまり、発注者のためのツールには多様な選択肢が増えた。一方、受注側の工事会社(一人親方や10人規模の工務店など)は、現場への人員手配やスケジューリングをスプレッドシートを使った手動での対応に依存していることが多い。

クラフトバンクは、受注側に当たる工事会社のための職人マッチングプラットフォームを開発。職人単位での稼働状況の見える化、空いているスケジュールに応じた手配の自動化などが行える。データが蓄積されることで、職人の評価や指名料の設定、それに基づいて職人が独立する際の信用状況の引き継ぎ、ひいては、金融機関が工事会社に融資する際の審査のための材料などに活用が期待される。

我々が作りたいと思っているのは、Shopify のような、工事会社のためのノーコードツールだ。(韓氏)

クラフトバンクは、ユニオンバンクの事業部門だった当時にシリーズ A ラウンドで10億円を DCM Ventures、みずほキャピタルから調達。今年4月、設計・内装工事事業をユニオンテックに残し建設職人マッチングプラットフォーム事業をクラフトバンクとしてスピンオフ、新会社代表に韓氏、取締役にリクルートホールディングス投資マネジメント部⻑だった前島俊樹氏が就任した。

ユニオンテックのシリーズ A ラウンドで株主となった DCM Ventures とみずほキャピタルは株式移動によりクラフトバンクの株主となっており、ユニオンテックは DX に業務対応した設計・内装工事会社の道へと、また、クラフトバンクは急成長を目指す建設工事業界の DX を標榜するスタートアップへと整理ができた格好だ。

クラフトバンクの設立に際し、本多央輔氏(DCM Ventures GP)が社外取締役に、佐々木正将氏(スペースマーケットの元取締役執行役員 CFO / CHRO )が社外監査役に就任したことも明らかになった。クラフトバンクの登録工事業者数は23,000社。現在35人規模のクラフトバンクは。今回の調達を受けて人材の採用強化を行い、今夏か今秋に新プロダクトのローンチを目指すとしている。

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