名古屋発・秘密計算エンジン開発のAcompany(アカンパニー)、プレシリーズAで2億円を調達

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Image credit: Acompany

名古屋を拠点とする Acompany(アカンパニー)は14日、プレシリーズ A ラウンドで2億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは ANRI と Beyond Next Ventures が務め、DG Daiwa Ventures と epiST Ventures が参加した。Acompany は昨年のシードラウンドで epiST Ventures の初案件として出資を受けており、同ファンドは今回フォローオンでの出資参加となる。Acompany では調達資金により、プロダクト開発、秘密計算アルゴリズムの研究開発、採用・組織体制を強化する。

Acompany は創業からまもなく3年目を迎える、名古屋大学や名古屋工業大学出身のエンジニアらによるスタートアップ。次世代暗号技術である秘密計算のエンジン開発やその社会実装を支援している。DX(デジタルトランスフォーメーション)が求められる中、異なる企業同士がデータの連携を行い解析することで新たな洞察を得られることが期待されるが、実際にこの連携はあまり進んでいない。代表の高橋亮祐氏によれば、パーソナルデータが多いこと、こういったデータが企業ノウハウや競争源泉が含まれるためだという。

いくら NDA を交わしたとしても、データの突合や解析をするために、異なる企業同士が生データを開示しあってプロジェクトに臨むことは難しい。お互いに裸になって、完全に無防備な状態でタグを組むことに他ならないからだ。そこで、生データではなく秘匿化されたデータを双方(あるいはそれ以上の複数のパーティー)が提供することで、それをそのまま演算処理・解析できるようにする技術が秘密計算だ。高橋氏によれば、国内で秘密計算のためのエンジンを開発・公開しているのは、NTT と Acompany だけだそうだ。

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秘密計算は処理が複雑化するため、高速に処理するためには演算のためのハードウェアの増強だけでなく、専用アルゴリズムを一から設計する必要があるためハードルが高い。Acompany では昨年10月に、秘密計算エンジン「QuickMPC」をローンチし、サーバにインストールするだけでデータを暗号化したまま活用できる仕組みを実現した。これにより、デジタルマーケティングの現場やルート最適化 AI など、さまざまな分野で活用され始めているという。

A 社と B 社のデータを掛け合わせることで、それまでは知り得なかった傾向や属性が知れたりする。例えば、「なぜか、この商品の客層には、ゴルフをやっている人が多いね」とか。その結果、ゴルフをやっている人に商品をプロモートすれば、買ってもらえる確度が高くなる、といったアプローチが可能になる。(高橋氏)

Acompany では今後、秘密計算を中心とした、プライバシーテックに関連した情報発信およびイベント開催を行うコミュニティ「秘密計算コンソーシアム」を立ち上げる。このコミュニティでは、個人情報保護法の改正を始めとしたデータ活用とプライバシー保護が相反している現状に対応すべく、法令遵守したデータ活用やプライバシー保護テクノロジーの勉強会や情報発信を行うとしている。

<参考文献>

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