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本稿は独立系ベンチャーキャピタル、グローバル・ブレインが運営するサイト「GB Universe」に掲載された記事からの転載
グローバルテックニュースでは、毎週、世界で話題になったテック・スタートアップへの投資事例を紹介します。
今週の注目テックトレンド
領域特化型の形で、Amazonにも似た業態のスタートアップが登場しています。その一つが「サンプル素材」市場です。
建築家やデザイナーが仕入れるサンプルデザイン(カーペットやタイル、壁など)のことで、ここには届いてから保存しておいたとしても、いざ倉庫から引っ張り出してみると品質が担保されていないという課題が発生していました。
仕入れた時と状態が変わってしまっているのです。そのため、必要となった際にはすぐにでも新しい物を手配して、クライアントに確認してもらい、プロジェクトを進める必要が出てきます。
新しいサンプルを頼んだ際、1つのパッケージが明日届くかもしれないですし、3日後には2つのパッケージ、さらに1週間後にはさらに多くのパッケージが届くかもしれません。配達日時が読みにくいので、クライアントにサンプルを見せるために日程を調整するなど多くのコストが発生します。注文先を探すのも一苦労です。1つ1つのサンプルに対し、バラバラの業者に頼む必要も出てくるかもしれないからです。
そこで登場したのが「Material Bank」でした。同社はサンプルデザインのマーケットプレイスを展開しており、5月に1億ドルもの大型調達を実施しています。何百ものベンダーの材料を集約し、複数のパラメータをフィルタリングして、数分で材料の選択を見つけることができるアグリゲーションプラットフォームを提供しています。
午前0時までに注文すれば、Material Bankが提携するどのベンダーからでも翌朝午前10時までにサンプルを受け取ることができる仕組みを確立しています。従来、発送スピードのボトルネックになっていたFedexの仕訳センターのすぐ近くに自社倉庫を展開し、Locus Roboticsと提携したロボットおよび専属の仕訳人がいるため、高速で発送準備を整えることに成功しています。
航空・ホテル予約業界にExpediaやSkyScannerのような多くのアグリゲーターが存在するように、同様の概念をサンプル市場に持ち込み成長を遂げているのがMaterial Bankの体験の良さ、というわけです。
マーケットプレイスとしては「Amazon」、物流網の仕組みとしては大手海運輸入フォワーダー「Flexport」にも似たところがあり、物流業界の一大プレイヤーになる予感がしています。
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