タイの仮想通貨取引所「Bitkub」、サイアム商業銀行系による買収でユニコーンに

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Image Credit: SCB

バンコクに本社を置くデジタル資産・仮想通貨取引所「Bitkub」は、SCB 証券(SCBS)に全株式の51%を178.5億バーツ(約610億円)で売却した。SCBSは、タイの最大かつ最古の銀行の一つサイアム商業銀行(SCB)の子会社だ。この取引が完了すると(2022年第1四半期に完了予定)、SCBS は Bitkub の大株主となる。

これにより、Bitkub の時価総額は10億米ドル以上となり、Flash GroupAscend Money と並んで、タイで3番目のユニコーンとなる。SCB は、ビジネスパートナーとして Bitkub と緊密に連携し、新たなビジネスモデルによるデジタルアセットビジネスを展開することで、長期的な付加価値を創造し、将来の金融界へのさらなる参入の基盤を築いていきたいと考えている。

我々は、共にタイ経済を未来に向けて牽引し、地域の金融・技術の中心地となることができると強く信じている。そして、タイの新たなナショナルチャンピオンを誕生させる重要な機会でもある。(Bitkub の CEO 兼創業者 Jirayut Srupsrisopa 氏)

2018年に設立された Bitkub は、仮想通貨やデジタル資産の交換、ブロックチェーンソリューションや ICO のアドバイザリーサービス、教育、投資会社などのサービスを提供している。このスタートアップは、タイでの大規模な導入に向けて、仮想通貨とブロックチェーンのエコシステムを推し進めることを目的としている。

今回の買収は SCBx Group(SCB の持株会社)の戦略に沿ったもので、同社は今後3~5年の間に、金融テクノロジーグループへのアップグレード、新しい消費者ニーズへの対応、デジタル資産という競争の激しい新興分野への参入を目指している。

また、SCB はフィンテックベンチャーの子会社 SCB 10X を所有しており、エンタープライズブロックチェーンソリューションプロバイダー Ripple、カストディテック企業 Fireblocks、投資銀行 Sygnum、分散型仮想通貨貸金業者 BlockFi に投資している。また、The Sandbox の9,300万米ドルの資金調達ラウンドにも参加している。

タイの仮想通貨市場では、今年に入ってから注目すべき銀行が参入している。8月には、アユタヤ銀行 の VC 部門 Krungsri Finnovate を通じて、シンガポールを拠点とし、タイでライセンスを取得した仮想通貨取引所「Zipmex」の4,100万米ドルのシリーズ B ラウンドに参加した。

【via e27】 @E27co

【原文】

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