
自律走行車(AV)企業のNuroはシリーズDラウンドで、Tiger Global ManagementやGoogleなどのトップ投資家たちから6億ドルの資金を調達した。関係者によるとこれにより同社の評価額は86億ドルとなり、1年も前の50億ドルから大幅に上昇したことになる。
2016年に設立されたNuroは、世界的なパンデミックによって加速した消費者の期待とトレンドの変化、すなわちeコマースをどのような体験にするか、という挑戦に取り組んでいる。米国内の顧客はNuroと提携する企業に直接オンラインで注文し、Nuroの自律走行型配送車が食料品から薬局の処方箋まで何でも運んでくれる。
Nuroは、Googleの兄弟会社であるWaymoと並んで、商用の無人運転車の分野で有力なプレイヤーとして浮上している。昨年、Nuroは無人運転車による配送サービスに料金を課すことを可能にする許諾を、無人運転車を扱う企業として初めてカリフォルニア州自動車局(DMV)から得た。Tiger GlobalのパートナーであるGriffin Schroeder氏はプレスリリースで次のように述べている。
「ユビキタスなオンデマンド電子商取引の到来は、私たちが商品を手に入れる方法を変えつつあります。Nuroは、持続可能で低コストかつ自律的な地域配送の時代への架け橋となることでしょう」。

Googleと手を結ぶ
今回の資金調達に加えて、NuroはGoogle Cloudと5年間の「戦略的パートナーシップ」を結んだことも明らかにしている。このパートナーシップは、「自動運転シミュレーションのワークロードを実行するために必要な大規模なスケールとキャパシティ」をサポートするだけでなく、Nuroに機械学習のスマートさと車両から生成される膨大なデータ用のストレージへのアクセスを提供するとしている。
興味深いことに両社は「地域の商取引を強化し変革する」ために、他の商機を一緒に模索することも明らかにしている。ただこれが具体的にどのような内容になるのかそれ以上の詳細は明らかにしていない。
Nuroはこれまでに約15億ドルを調達しており、今回さらに6億ドルを調達したことで、自律型配送サービスをさらに発展させ、米国内の大手ブランドに展開するための資金を確保することができた。実際、Nuroは、Kroger、Domino’s、Walmart、CVSなど、かなりインパクトのある顧客リストを集めている。
今回のシリーズDラウンドにはTiger Global ManagementやGoogleのほか、KrogerやSoftBank Vision Fund 1など、多くのトップ投資家たちが参加している。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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