ホテルで寝るだけ「眠りの状況」解析、ニューロスペース監修の睡眠サービスを東横インに導入

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本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

睡眠に関する課題に取り組むニューロスペースは9月、KDDIと共同開発した睡眠サポートサービスを東横INNに導入したことを伝えている。9月10日から大宮駅東口店、広島駅スタジアム前店の430室への導入を開始し、2022年3月までに約800室へ拡大する予定。

サービスが導入されているホテルのベッドで寝るだけで、自分の睡眠の状況を見える化してくれるもの。東横INN公式アプリにある「すいみんPJ」から翌朝起床後に睡眠状況の分析結果のグラフや改善すべきポイントを確認できる。提供されるデータは睡眠時間や深い眠り、途中で目覚めた回数や心拍、呼吸数など。この結果は対象の部屋に宿泊する度に蓄積される仕組み。当面の間、利用は無料で、東横INNクラブカード会員に入会し、東横INN公式アプリをダウンロードする必要がある。

今回導入された睡眠サポートサービスは、宿泊者向けにニューロスペースが持つアルゴリズムなどを最適化している。今回導入した東横イン社長の黒田麻衣子氏は、新しいサービスの創出に向けて、眠りのジャンルに注目していたという。

東横INNにしかないサービスの創出を模索する中、これまでにも眠りのジャンルには注目していました。そんな中でコロナ禍となり、ストレスの多い日々が続くことで睡眠の質を気にする方が増えていると感じたのがきっかけです。お客さまの「眠り」の良きサポーターになれればという思いから開始しました。(東横イン 代表執行役社長 黒田氏)

東横インではこのプロジェクトを形にすべく、腕や体に装着するデバイスの検討を進めたが、感染症拡大の影響もあり、非接触という要素を取り入れる必要に迫られた。そんな中、従来から取引のあったフランスベッドとKDDIが協業していることを知り、コンタクトを図ったことで取り組みがスタートした。

結果、KDDIホームIoT企画部グループリーダーの畑瀬泰博氏の部隊を仲介に、共同で睡眠改善ソリューション「Real Sleep」を提供するニューロスペースもこのプロジェクトに参加することになったそうだ。ただ、ここにはひとつ課題があった。それが「睡眠の期間」だ。ニューロスペース代表取締役、小林孝徳氏は今回のチャレンジをこう振り返る。

私たちはこれまで一定の期間の眠りに寄り添い改善していくアプローチでのソリューションは開発していました。ただこの『一泊』という短期の体験の中でお客さまにとって有益となるコンテンツを開発するというのは当社にとってもチャレンジでした。(東横INN利用ユーザーの)特徴として出張等ビジネスユースが多いのですが、弊社はこれまでビジネスパーソン1.5万人超の睡眠改善に携わる中で、出張時に起きがちな睡眠のお悩みや解決するための技術を理解していたため、そのノウハウを有効活用することができたのです。(ニューロスペース 代表取締役社長 小林氏)

短期宿泊の睡眠という新しいチャレンジを経て、ニューロスペースでは睡眠を軸とした企業だけでなく「ビジネスパーソンをターゲットとされた様々な業界(例えばアパレル等)からも睡眠という価値提供アプローチがある」(小林氏)と手応えを感じたようだ。東横INNではすでに利用客からの反響を得ており、2021年12月に金沢駅東口店、2022年初春には燕三条駅前店、品川駅高輪口店への導入を予定している。

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