スタートアップ向け売上連動型ファイナンス「Flex Capital」が正式ローンチ——5.1億円のプレシリーズA調達も

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Image credit: Fivot

フィンテックスタートアップの Fivot は25日、レベニュー・ベースド・ファイナンス(RBF、売上連動型ファイナンス)「Flex Capital」を正式ローンチしたことを明らかにした。なお、これと併せて、同社はプレシリーズ A ラウンドで5.1億円を調達したことも明らかにしている。このラウンドに参加したのは、Angel Bridge、マネックスベンチャーズ、キャナルベンチャーズ、 POLA ORBIS CAPITAL、DEEPCORE、ANOBAKA、East Ventures。調達金額にはデットが含まれる。

RBF とは、売上高や粗利の増減に応じて月々の返済額を増減させるという資金調達だ。スタートアップの資金調達手段としてはエクイティファイナンスが一般的だが、場合によっては、必要以上に創業者や経営陣の株式持分が希薄化してしまう欠点もある。また、金融機関などからのデットは現時点までの売上を元にする必要があり、将来売上は考慮に入れることができない。ファクタリングについても入金期日を前倒しすることはできるが、すでに請求が確定している必要がある。

RBF は将来発生しうる売上高の見込額に基づいて、その金額の何割かに相当する金額を前倒して手に入れられる金融手段。サブスクリプション、SaaS など売上の将来見込が立てやすいレカリング型の料金体系を持つスタートアップなどで取り入れやすい。特に ToC 向けサービスを提供するスタートアップは請求書を発行しないケースもあるため、前出のファクタリングが使いづらいこともある。赤字か黒字かにかかわらず、定期的に売上が発生するタイプのスタートアップであれば利用できる。

昨年から1年超にわたりβサービスを提供してきて、すでに数十社ほどに使ってもらっている。平均の貸出金額は2,000万円ほどだ。業種は D2C や SaaS のスタートアップが多く、仕入資金、マーケティング資金、エンジニアの採用資金など用途はさまざまだ。

中には、すでに投資家からのエクイティ調達は想定しているものの、それまでにトラクションを稼いで、バリュエーションを上げてから調達するためにブリッジ資金として利用しているスタートアップもいる。(代表取締役の安部匠悟氏)

Image credit: Fivot

Flex Capital を利用したいスタートアップは、事業財務データ、事業計画、決済・請求データを Fivot に提出する。提出から2週間以内に審査結果が回答され、それに応じて、最大1億円(初回は5,000万円)までの融資が実施される仕組み。Fivot は手数料として、買い取る将来の売上見込額を一部ディスカウントした金額をスタートアップに入金する。返済は売上額連動なので、対象スタートアップの成長が速ければ速いほど、Fivot は貸した資金を早く回収でき、調達金利との利ザヤが大きくなる。

Fivot は2019年10月、共に外資系投資銀行で M&A アドバイザリー業務などに従事していた安部氏と佐保百合子氏により共同設立。これまでに自動積み立てができる「IDARE」というモバイルフィンテックアプリをローンチしている。C 向けに IDARE、そして、B 向けに Flex Capital をローンチしたことで、多面的にサービスを提供できるチャレンジャーバンクとして成長を目指す。

この分野では最近、アメリカの Capchase が1.5億米ドルをシリーズ B 調達した。また、フランスの Unlimitd、イギリスの Uncapped、Outfund、Forward Advances、Vitt、ドイツの re:cap、スペインの Capchase と Ritmo、オランダの Requr、イタリアの Viceversa などヨーロッパ勢の台頭が目立つ。Dealroom のデータによれば、世界中の RBF を提供するスタートアップ30社の合計調達額は2021年18億米ドルで2020年の7倍に達するなど、一時期の BNPL ブームのような様相を呈している。

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