ONLabが第24期デモデイを開催、貸切バスのマッチングと配車・運行管理DXの「busket」が最優秀賞を獲得

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Open Network Lab は25日、Seed Accelerator Program 第24期のスタートアップを披露するデモデイを開催した。このバッチには日本の内外から合計132チームのエントリがあり、うち4チームが採択され3ヶ月間にわたってメンタリングや支援を受けた。

コロナ禍でオンライン開催が続いていた Open Network Lab のデモデイだが、今回は3年ぶりのリアル開催(登壇者のみ)となった。採択された4チームがデモデイでピッチし、メンターやデモデイに参加した聴衆らによる審査投票結果によりチームを表彰した。

審査員は次の方々。

  • 林郁氏(デジタルガレージ 代表取締役社長兼グループ CEO)
  • 畑彰之介氏(カカクコム 代表取締役社長)
  • 村上敦浩氏(カカクコム 取締役)
  • 前川雅彦氏(DG ベンチャーズ 取締役)
  • 佐々木智也氏(デジタルガレージ執行役員)
  • 松田信之氏(デジタルガレージ オープンネットワークラボ推進部共同部長)

【Best Team Award】busket by Wunder Transport Technologies

あるスポーツスクールでは、合宿の遠征などで年間2,000本分の貸切バスを利用しているが、合宿1回につき8時間かけて行程書類を作成しているそうだ。発注者とバス会社の間では、30項目以上の確認をファクスや電話でやりとりすることになる。また、運転手の宿泊先や駐車場の手配なども発注者が行う必要がある。一方、日本にはバス事業者4,500社、5万台のバスが存在するが、稼働率は47%と高くない。バス事業者にとって案件獲得のチャネルが少なく、シフト調整や帳票管理など煩雑な業務が多いからだ。

busket」は、貸切バスを必要とする企業と、バス会社をマッチングするプラットフォームだ。busket を使えば、発注者は行程表の作成から解放され、自動見積機能で最安値の提示を受けられるほか、運行に必要な情報を登録することができる。こうして、Wunder Transport Technologies では、全国に425拠点ある物流企業からも年間契約を獲得することに成功した。現在は法人の定期利用を対象としているが、イベントなどでの都度利用などにも対象を広げ、バスデータの基盤を作り MaaS 化を図りたいとしている。

【Special Award】Job-US by Ex-Work

日本でも雇用形態が以前のメンバーシップ型から欧米などでも多いジョブ型へとシフトしてきている。ジョブ型雇用に必要なのは、ジョブデスクリプションの定義と、それを元にした人事制度の構築だ。人事制度については、ジョブデスクリプションをもとに専門の人材コンサル会社に依頼して構築することができるが、ジョブデスクリプションについては、企業が自ら社内で作成する必要があり、社員に納得感を持って受け入れてもらうためには、現場のマネージャーが自ら作成する必要がある。

ところが、これまでメンバーシップ型に慣れてきた日本企業の現場マネージャーは、ジョブデスクリプションを作成した経験やノウハウが無い。「Job-US」を使えば、作成したい社員像のポジションに近いテンプレートを活用し、また、Ex-Work のプロフェッショナルが作成した役割や責任に関する5,000種類以上のタグを選ぶことで、迅速にジョブデスクリプションを作成できる。将来は、ジョブに対して適正な報酬額を提案してもらえる機能、ジョブに適した人材を社内外から提案を受けられる機能なども備える計画だ。

【Audience Award】Nobi for Driver by enstem

enstem は、専用のスマートウォッチから取得される生体データ、アプリから取得される主観データなどを解析、個人や組織における健康面から見たコンディションを可視化できるサービス「Nobi」を提供している。今回、enstem が焦点を当てたのは車の運転を生業とする運転手、そして、それ用にカスタマイズしたのが「Nobi for Driver」だ。物流業界では、人材不足を背景とする運転手の高齢化、労災の高額化などから、安全性はもとより経営面からも事故を未然に防ぐことが大きな課題となっている。

この分野を担えるシステムとしては AI 搭載型のドライブレコーダーなども存在するが、過度に反応したり、すでに備わっているドライブレコーダーと競合(機能重複)したりするなどの課題がある。Nobi for Driver では、業務開始前の1分間で運転手の心拍データから体調とストレスを可視化、問題を検出した場合は運行管理者に連絡され、運転手への確認を促す。また、運転手毎の運転傾向なども把握することができる。将来はタクシー、建設現場、工場などにも利用対象を広げ、グローバル進出を目指す。

WAAK by WAAK

WAAK は、日本有数の家具産地である福岡・大川に拠点を置くスタートアップだ。デザインの変更が比較的しやすい木製家具の特徴を活かし、コロナ禍で需要の増したホームオフィスに合ったデザイン性と機能性を兼ね備えた家具を D2C で届ける。子供の学習机からビジネスパーソンのスタンディングデスクとしても使える昇降機能を備えた机、ラップトップ PC を簡単に収納できて仕事用のデスクをダイニングテーブルに転用できる机、音楽関係者のニーズに合った机など、ユニークな製品を開発・販売している。

企業がサブスクで料金を支払い、社員は送料を負担するだけで、用途にあった家具を選べるリモート勤務向けのメニューも開発。また、通常1年かかるオフィス家具の設計を、木製であるため3ヶ月で完了できることから、世の中の情勢が刻々と変化する中で、ユーザのニーズに合った製品を迅速にプロダクトアウトできるとしている。コロナ禍のサプライチェーンの乱れやウッドショックなどから、家具にも国内自給率の向上が求められる中、WAAK ではアップサイクルしやすい家具の開発、二次流通市場の開拓にも注力する。


デジタルガレージ オープンネットワークラボ推進部共同部長の松田信之氏によれば、今回の第24期の修了を受け、Open Network Lab は通算で138組のスタートアップを輩出したことになる。また、前回第23期までの輩出スタートアップの、次期資金調達達成率は60.0%、イグジット率は12.5%に達しているとのことだ。

第24期デモデイの開催とともに、第25期への応募受付が開始された。第25期への申込締切は、5月6日の正午となっている。

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