マンションの大規模修繕をコスト最適化する「スマート修繕」、デライト・ベンチャーズから1.5億円を調達

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マンションの大規模修繕を行う施工会社と、マンションの管理組合をマッチングするサービス「スマート修繕」を運営するスマート修繕は8日、シードラウンドでデライト・ベンチャーズから1.5億円を調達したことを明らかにした。

スマート修繕は、DeNA の社員だった豊田賢治郎氏が設立したスタートアップだ。豊田氏は自身が所有する分譲マンションで管理組合の理事長を2年にわたり務めた際、大規模修繕を行う上でさまざまな課題を痛感。このペインと解決アイデアを DeNA 社内で吐露したところ、デライト・ベンチャーズの「Venture Builder」に選ばれ、スマート修繕の創業に至った。Venture Builder は DeNA 社員らがグループ内外の人々と共に新規事業を立ち上げるプログラムで、過去輩出のスタートアップには projection-ai などがある。

大規模修繕とはマンションの美観や機能を維持する観点から十数年に一度の頻度で行われるもので、施主はマンションの管理組合だ。管理組合は本来、住民の意見が広く反映されるべきものだが、管理会社から必要以上の修繕の提案を受けたり、施工会社やメンテナンス業者との癒着が疑われたりするケースは少なくない。事実、豊田氏のケースでは、錆びていない防火扉にペンキを塗ることを管理会社が提案したり、管理組合が相見積もりをとったところエレベータのメンテナンス工事が突然6割値引きされたりしたという。

豊田賢治郎氏

こういう理不尽が横行する背景には、事業者と住民との間の「情報の非対称性」がある。住民は修繕や工事を生業としているわけではないので、相場観や専門知識に長けていない。管理会社やコンサルタント(一部、建築士事務所などがその役割を担うこともある)が施工会社を紹介してくるが、この際、管理会社やコンサルタントが施工会社からリベートを受け取っていることがあるという。かくして、このリベートは施工代金に上乗せされ、住民が間接的に負担を強いられると構図が見えてくる。

こうした問題を解決するのがスマート修繕だ。スマート修繕が素人には分かりにくい施工会社の選定や契約などをサポート、必要な情報をプラットフォーム上に登録している施工会社に開示し、複数社から工事内容や見積の提案を受けることができる。このほか、建築士でマンション管理組合20組合以上の顧問を務める設計コンサルタントの別所毅謙氏、マンション管理士で管理組合5組合以上の顧問を務める木村氏がスマート修繕の顧問に就任、オペレーションの最適化や施工会社の選定などの観点からアドバイスする。

豊田氏によれば、大規模修繕工事業界で、売上高1億円を超える施工会社は、全国で多くても150社程度。スマート修繕に参加する施工会社は管理会社の系列に属さない独立系のみで、リベートや談合といった商習慣を好まない年商10億円以上の会社が30社以上集まる見通しだという。業界トップ10のうち3社の参加も内定しており、業界の数分の一程度の市場シェアを担えるだけのプレーヤーがスマート修繕の元に集まることになる。施工会社は定期的にリピート発注が狙える、管理組合との直接リードが獲得できることになる。

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