Sequoia Capital、投資先に52ページからなる「生き残りのためのアドバイス」を公開

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Image credit: Sequoia Capital

<ピックアップ> Sequoia coaches start-ups to cut costs or face a ‘death spiral’ amid stock market slump, bleak economic backdrop

世界的ベンチャーキャピタルが次々とスタートアップに生き残りアドバイスを投げかけている。先日、Y Combinator が投資先スタートアップに配信したメールに続き、Sequoia Capital も投資先を対象に52ページに及ぶ文書を発表した。Sequoia Capital は2020年3月上旬、新型コロナウイルスの感染拡大が始まった時にも、2008年の大恐慌の話を引用し、危機への対応を求めるメッセージを発信した経緯がある。今回 Sequoia Capital が公開した内容の多くは、複数の VC が言及したものと同様の内容を含んでいる。

2020年3月、新型コロナウイルスの感染拡大でアメリカ経済は低迷期に落ちるも、急速に V字 回復した。Sequoia Capital は今回はその時のようには早く回復しにくいと見ている。すでに多くの通貨財政政策が施行された状態であり、インフレ長期化や地域的葛藤は政策による解決力を制限しているという。市場の低迷は、消費者の行動、労働市場、サプライチェーンなどに影響を及ぼすと予想され、回復期間ははるかに長くかかるという説明だ。この展望は、10年の好況期が終わったとするベンチャーキャピタル Lightspeed などいくつかの VC の主張にも見られるものだ。

無条件の成長も今後期待できない。Sequoia Capital は NASDAQ が過去20年間で3番目に大きな下落幅を記録し、多くの高成長株が2年間で成し遂げた成長傾向を失ったことを指摘している。ソフトウェア、インターネット、フィンテック企業の61%が新型コロナウイルスの感染拡大以前のレベル以下で取引されている。ゼロ金利も無くなった。過去2年間、パンデミックからの経済危機を避けるべく金融政策が緩和され資金調達が容易だったが、今は金利が上がっており、資本コストは増加した。また、近年、短期成長するベンチャー投資に参入し、大きな役割を果たした Tiger Global のようなヘッジファンドは、株式市場の下落傾向に向け資本を減らしており、投資家は急速な成長性よりもキャッシュを創出できる収益性のある会社を探している。

Sequoia Capital は、このような市場で企業が生き残るために適応力を育てるようアドバイスしている。現実に直面し、変化に対する準備をしなければならないということだ。支出や雇用をすべて減らす必要はないが、すばやく減らせるようにしなければならない。具体的には、不要なプロジェクト、R&D、マーケティング、その他のコストを減らし、急成長戦略の代わりに計画的拡張とコスト削減に集中しなければならないと言う。

強力なリーダーシップは、困難な時期にさらに重要になる。Sequoia Capital は、CEO にコミュニケーション(Communication)、確信(Convicion)、自信(Confidence)、落ち着き(Calmness)の「4C」リーダーシップの必要性を強調した。自信と落ち着きを身につけ、確信に満ちたコミュニケーションを社内で展開しなければならないということだ。

過酷な未来が見込まれているが、回復力のある創業者には機会があるとも言っている。勝者は、過去2年間に及んだ豊富な資金供給と歪曲によって隠された可能性のある挑戦に立ち向かう人々だとしている。

via CNBC

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