19歳で出会った宇宙建築が人生を変えたーーElevationSpace・小林稜平氏【Z世代の視点】

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「Z世代に特化したイノベーションハブ」を運営する Culture Z Park(CZP)は、Z世代のイノベーターにおける事業の収益性や実現性を高め、企業との共創を見据えた1→10のプログラム「Culture Z Innovation」を開催中。7月9日には最終発表会を開催します。

概ね1990年代から2010年代に誕生したデジタルネイティブ世代の総称、それがZ世代(Generation Z)です。生まれた時からデジタル化が進んだ世界で育った彼・彼女たちは今、ちょうど20代から30代に差し掛かろうという時期にあります。

次の社会を作るこの世代が何を考え、どのようなことを起こそうとしているのか。本稿ではZ世代のイノベーターを集めるCulture Z Parkと協力し、何人かのZ世代起業家の話を伺うことにしました。二回目となる今回は国際宇宙ステーションに代わる小型無人プラットフォームを開発中のElevationSpace 代表取締役の小林稜平さんです(文中の質問はBRIDGE編集部。回答は小林さん。敬称は略させていただいています)。

自己紹介をお願いします

小林:ElevationSpace 代表の小林稜平(こばやし・りょうへい)です。私たちは東北大学発の宇宙スタートアップでして、これまで東北大学で15機以上の人工衛星を開発してきた技術を使って、国際宇宙ステーションに代わる小型無人のプラットフォームを開発しています。

どのようなサービスを手がけているか教えていただけますか

ElevationSpaceが開発する小型宇宙利用・回収プラットフォーム「ELS-R」

小林:今ある国際宇宙ステーションは、宇宙にしかない無重力環境を使ってさまざまな実験や研究がされており、人が宇宙に出ていくために必要な実験から、乳がんの薬づくりのような地球上での生活に欠かせない実験まで幅広い利用がされている重要なプラットフォームなのですが、様々な課題があります。

特に、宇宙ステーションの寿命の関係から2030年ごろに今ある宇宙ステーションの運用は終了されるという風に言われており、世界的に国際宇宙ステーション退役後を見据えた民間事業が注目されてきています。

そこで私たちは人がいる宇宙ステーションを作るのではなく、小型で無人の人工衛星にて宇宙ステーションに代わるプラットフォームを開発しています。技術的な特徴は人工衛星が宇宙から地球に戻ってくる再突入技術と呼ばれる技術でして他の日本の企業はどこも持っていない技術領域に取り組んでいます。

そしてこの再突入技術は、人が宇宙に出ていくためにも欠かせない技術ですので、この事業から始め、将来的には誰もが宇宙に行ったり、生活できる世界を創ることを私たちは目指しています。

サービスを始めようと思ったきっかけは

小林:実は私自身の学生時代の専門は建築学でした。宇宙ではなかったんです。建築をやっていたモチベーションは国のランドマークにもなるような大きなプロジェクトに関わりたいというものでした。そんな私が19歳の時に、宇宙建築という分野に出会い、人生が変わりました。宇宙建築は地球の外に建てる建築物の事で、軌道上にある宇宙ホテルや月面基地などを指します。

私は地球上の建築と比べた時のスケールの大きさと、これから必ず必要になる未開拓の分野だと感じ、気がついたら没頭していました。いつの間にか誰もが宇宙で生活できる世界を創ることが自分の夢になっていまして、どうやったらその世界を実現できるのか考えていた時に、東北大学准教授でElevationSpace共同創業者の桒原先生と出会い、1年以上のディスカッションを経て自分の作りたい世界を実現するために起業しました。

事業を手掛ける上で大切にしているものはなんでしょうか

東北大学の吉田・桒原(くわはら)研究室、ElevationSpace の皆さん/Image credit: ElevationSpace

小林:大きなビジョンを描く一方で、それをただ語るだけでなく、技術や実績によって着実と実行していくということを心がけています。今行っている事業も将来取り組みたい有人宇宙開発から逆算した時にどのように事業として展開していくべきかを考えて、事業計画を練っていますし、今取り組んでいる事業でも着実に技術実証を積み重ねていく開発方針を取っています。

Z世代と分類されることをどう考えていますか

小林:私自身は世代として括られることに特に何も感じていないです。事業の競合はベテランの経営者の方など世代が違う方が多いですし、社内メンバーも平均年齢が35歳でいろんな世代の人が集まっています。なのであまり意識したことはないですね。ただ、宇宙開発は長期のビジョンを持って続けていくことが必須ですので、その観点では若い経営者は宇宙分野は相性が良いのではないかと感じています。

どんな子供でしたか?また、どんなものに熱中していましたか?

小林:秋田県でずっと育ちましたので、子供の頃は自然を使って遊ぶことが多かったです。いたずら好きでとにかく元気だったので、よく走り回ってけがをしたり、小学校の横にある松林で落とし穴を作ったりしていました。あとは、学級委員長や応援団長をやったり、バンドをやったりと人前で何かをすることが多く、目立つのが好きでしたね。

他のZ世代の方に向けてメッセージをお願いします

小林:人類にとって持続可能な未来を創るために、宇宙開発は欠かせないものだと考えています。きっと私たちがおじいちゃん、おばあちゃんになったときには、当たり前のように月や火星で人が生活しており、地球と宇宙の境目がほとんどなくなりつつあるような時代になっていると思います。宇宙は特別な場所ではなく、全産業が宇宙領域に取り組む時代がすぐに来ると思いますので、ぜひ宇宙と様々な領域を掛け合わせてより良い未来を一緒に作っていきましょう。

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