再生可能エネルギーだけを使ったEV充電ネットワークを全英展開、Gridserveが326億円を調達

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Gridserve の CEO Toddington Harper 氏
Image credit: Gridserve

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ロンドンに拠点を置き、イギリス全土に再生可能エネルギーだけを使った電気自動車(EV)用充電ネットワークを展開する Gridserve は今週、直近のラウンドで2億ポンド(約326億円)を調達したと明らかにした。このラウンドは、ロンドンの投資会社 M&G Plc のインフラ投資部門である Infracapital がリードし、Mitsubishi HC Capital UK Plc と TPG Rise が参加した。

Gridserve は、ソーラー発電、EV のリース、イギリスの自動車専用道路の85%をカバーした充電ステーションネットワーク「The GRIDSERVE Electric Highway」を展開している。各ステーションは高出力の充電器により短時間での充電に対応しており、Electric Forecourts という種類のステーションでは、36台の EV が約300キロ走行分のフル充電を20分間で完了できる。

充電ステーションに併設された小売店舗。COSTA COFFEE や WHSmith などが入居している。
Image credit: Gridserve

石油由来エネルギーに依存する自動車に比べ、EV はエネルギーの充填に時間がかかるため(ガソリンのように5分程度で満タンとはいかない)、充電ステーションは小売店舗と一体化され、ドライバーがうまく時間を潰したり、休憩したりできるように工夫されている。日本の高速道路のサービスエリアに似ているが、充電対応可能台数は Gridserve のステーションが圧倒的に多い。

Gridserve の事業は、充電ステーションネットワークの整備こそが EV の普及の要となるとの考えに沿ったものだ。イギリス政府の報告書は、同国内を走行する EV は2030年までに1,000万台、2040年までに3,600万台に達する可能性がある、と予測している。Gridserve は現在、月に10万台の EV に利用されており、2025年までに5,000基超の高出力充電器を全国に配備する計画だ。

一方、Gridserve より調達の規模は小さいものの、再生可能エネルギー事業大手 Good Energy(ロンドン証取:GOOD)は、その子会社で EV 充電ステーションの地図表示サービスを展開する Zap-Map がシリーズ A ラウンドで900万ポンド(約14.7億円)を調達したと発表した。同社は現在、イギリスで、ドライバー向けに5分毎更新のライブ使用状況データを含む、EV 充電ステーションの地図サービスを提供している。

Zap-Map は新規に調達した資金を使って、有料会員制サービスの構築と地図サービスの国際展開に注力する計画だ。

via FinSMEs

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