Shopify、eメールマーケティングのKlaviyoに1億米ドルを戦略的出資

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Image credit: Shopify, Klaviyo

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米証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、E コマースマーケティングオートメーションプラットフォームの Klaviyo は、Shopify から1億米ドルの戦略的投資を受けたことが明らかになった。Klaviyo と Shopify は、Shopify のプレミアム加盟店プラン「Shopify Plus」のレコメンデーションメール製品として Klaviyo を採用するとともに、Shopify が開発中の機能へのアーリーアクセス権を付与し、これまでの提携関係を強化する。

Klaviyo はボストンで2012年に設立された。同社の仕組みは、既存プラットフォーム の Octane AI や Recharge など連携し、顧客へのメールやテキストメッセージの送信を自動化することができる。Klaviyo を使えば、企業は、豊富なテンプレートと予測分析ツールを活用して、途中で買い物が放棄されたカート、製品のレコメンデーションなどに関するメッセージのトリガーを設定できる。

この分野には、Sendlane、Sendinblue、Cordial など競合は少なくないが、ユニリーバやシチズンといった、10万社以上の有料ユーザを擁し他を圧倒してきた。同社の従業員数は1,000人以上。これまでに累積で約7億7,500万米ドルを調達し、時価総額は2021年5月の時点で95億米ドルだった。すでに、いわゆるデカコーンの領域に達していることは容易に推定できる。一方、Shopify は数々の企業に出資・買収を実施してきたが、今年5月には配送システム Deliverr を Shopify 史上最大額の21億米ドルで買収した。

Shopify は最近、マーテック(MarTech)やレコメンデーション、バックエンドシステムへの出資に注力している。今週は、CMS 開発企業の Sanity、Shopify ユーザ企業の多くが利用する音楽・動画アプリ「Single」に出資したばかりだ。昨年9月には、販売事業者向けマーケティングツール開発の Yotpo に出資し提携した。個人情報を使わずパーソナライズされた体験を提供するレコメンデーションエンジン「Crossing Minds」にも資本参加している。

Klaviyo によれば、同社は今後、Shopify の加盟店が、顧客に対し、テキストメッセージからダイレクトに商品を購入できるようにする機能を提供する予定だ。この先、Klaviyoは レストラン、ホスピタリティ、エンターテイメントなど、より消費者にフォーカスした市場に参入していく可能性がある。Shopify は先月、従業員の1割に当たる約1,000人を解雇した。同社は2022年第2四半期に12億米ドルの純損失を計上し、先週の株主への電話会議では、今年いっぱい、インフレが業績に影響を及ぼすと報告している。

via BusinessWire

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