ログリーの社内プロジェクトがスピンオフ、収集品投資の「alty(オルティ)」がローンチ——最初の品はエアジョーダンから

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alty のコアメンバー。左から:木内真子氏(取締役)、野村優太氏(代表取締役社長)、吉永浩和氏(取締役)
Image credit: Alty

後進のスタートアップに向けたファンドなどを組成する場合を除き、あるスタートアップが IPO した後は、そのスタートアップのことを以前ほどは BRIDGE が書き続けることは稀だ。会社がパブリックになったことでスタートアップに特化しないメディアからも取り上げられる機会が増えるだろうし、我々は、そのリソースを、また新たに生まれてくるスタートアップに振り向けたい、という考えからだ。かくして、ログリー(東証:6579)の記事を書いたのも2018年5月の IPO の時が最後だった。

今回はログリーそのものではなく、ログリーのチームがスピンオフし、新たなスタートアップを始めるという話を取り上げる。その分野は、収集品(collectibles)に対するオルタナティブ投資という領域だ。ログリー社内で収集品投資プラットフォーム「alty(オルティ)」のアイデアが生まれたのは今から2〜3年前で、当時はアメリカで OtisRally といったスタートアップが頭角を表し始めた頃だ。日本の投資家として初めて、グローバル・ブレインや KDDI Open Innovation Fund が Rally への出資を発表したのも2020年のことである。

数年間にわたり、社内でアイデアを暖めていた野村優太氏(alty 代表取締役社長)、木内真子氏(alty 取締役)、それに、ログリーの創業者で代表取締役の吉永浩和氏(alty 取締役)はログリーから alty のプロジェクトを MBO し、新たなスタートアップとして alty を誕生させた。alty をスピンオフさせたのは、ログリーのコアビジネスはネイティブ広告プラットフォームを中心としたアドテクであり業態が違うことや、法人として独立した方がスタートアップ的な事業展開がしやすいとの判断からだ。ログリーとの間に資本関係は存在しない。

Image credit: Alty

新会社の代表を務める野村氏は、ログリー時代、広告事業部の副部長としてデジタルマーケティングのプランニングから運用までの現場を取り仕切るマネジメント職として従事していた。個人でも音楽フェスを主催するなど、カルチャーにも造詣があることから、alty プロジェクトの責任者として参画することを決めたという。また、木内氏は、ログリーで、新規事業担当として製品のコンセプト設計やデザインディレクション、マーケティングなどに関わってきた人物だ。

StockX、KREAM、スニダンといった、スニーカーやストリートウェアのマーケットプレイスが、将来的にフィンテック領域にまで足を踏み込んでくるのかどうかはわからないが、alty や、それがベンチマークする Otis や Rally もまた、好きだから収集品を集めるというよりも、あくまで投資を展望したサービスとなっている。稼ぎに余裕ができてから資産形成を始めても、その資産を使って生活を豊かにできるのは後年になってしまう。alty 創業の裏には、若いうちから資産形成のに向けた習慣づけ、きっかけづくりに寄与したいという思いがある。

「alty」の仕組み
Image credit: Alty

alty の仕組みでは、ユーザ一人一人は、民法でいうところの実際の商品の共有持分権を所有する建て付けとなる。alty では実際の商品を市場から調達して預かり(個人から買い取る可能性もあるため、alty では古物商免許を取得している)、その所有権を一定分割してユーザに販売する。今のところ、モノの所有権を e コマースで販売するという解釈で運用が可能なため、民法以外の法律の適用は受けないが、将来的に、金融業としての免許が必要になった場合、alty では適宜対応していきたいとしている。

今日からサービスを開始する alty では、最初に取り扱いする収集品として「Air Jordan1 Chicago 1985」に投資(正確に言えば、共有持分権の販売)するユーザを集める。1万円から投資可能な、先行する美術品のオルタナティブ投資プラットフォーム「ANDART」などを意識しつつ、より投資の裾野を広げるために、alty では1,000円から投資できるようにしたという。alty では今後、スニーカーなどのジャンルに限らず、希少性の高いさまざまな収集品を掲出していく計画だ。

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