バーチャル空間「oVice」運営、シリーズBでデット含め45億円を調達——コクヨとはハイブリッドワーク環境開発へ

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Image credit: oVice

バーチャル空間「oVice(オヴィス)」を開発・提供する oVice は31日、シリーズ B ラウンドで45億円を調達したと発表した。このラウンドに参加したのは、One Capital、Salesforce Ventures、JAFCO、Eight Roads、Miraise、DG インキュベーション、SBI インベストメントと名前非開示の海外投資家。同社では今回調達した資金を使って、ハイブリッドソリューションを含めたプロダクト強化、アメリカなどを中心とする海外展開、人材採用の強化、マーケティング活動を行う。

今回ラウンドに参加した投資家のうち、One Capital、Salesforce Ventures、JAFCO、Eight Roads、Miraise、DG インキュベーションは過去のラウンドに続くフォローオンでの参加。調達額には、みずほ銀行と商工組合中央金庫からのデットファイナンスが含まれる。今回の調達は、oVice が2021年10月に発表したシリーズ A ラウンドの 2nd クローズに続くものだ。創業以来の累積調達額は、明らかになっているものだけで65.5億円に達した。

oVice は2020年2月、韓国出身でオーストラリア育ちの連続起業家 Sae Hyung Jung(정세형)氏により設立(設立時の社名は Nimaru Technology)。Jung 氏が2020年チュニジアに出張中、新型コロナウイルスの感染拡大でロックダウンに巻き込まれ、しばらくリモートワークを行わざるを得なくなった。そこでぶつかった仲間とのコミュニケーションの壁を打破すべく、「リモートワーク中でも仲間と簡単に話せる方法」として開発されたのが oVice だ。

現在、日本企業の90%はテレワークを導入しているが、Slack、Teams、Zoom といったツールで社員同士がやりとしていても、そのうちの75%はコミュニケーションが不足していると答えている。その背景には、会議、商談、営業報告といった目的意識のあるコミュニケーションは従来ツールを使って実施できているものの、リアルでの立ち話、喫煙所での会話、世間話に相当する偶発的なコミュニケーションをオンラインでは体験として提供しにくいからだ。

「oVice」はリアルのような空間をオンライン上に開設し偶発的なコミュニケーションを支援。ユーザはこの空間を動き回ることができ、誰かに近づくとその人の声が大きく聞こえ、遠ざかると聞こえなくなる体験を得られる。面白い話が聞こえたら飛び入り参加することもでき、周りに聞かれたくない話は個室に移動し会話を続けたりすることも可能。現在、バーチャルオフィスやバーチャルイベント会場などとして2,200社の企業で利用されている。

oVice は今回の資金調達とあわせ、新たなハイブリッドワーク環境(テレワークとオフィス出社が混在する環境)でシームレスなコミュニケーションを実現する仕組みの構築推進に向け、コクヨと業務提携したことも明らかにした。両社は新サービスの研究・開発を通して、「デジタルワークプレイス」の事業化を目指す。また、oVice はプロダクト強化や海外展開に向けた組織体制強化の一環として、Asana Japan 代表取締役ゼネラルマネージャーを務めた田村元氏を COO に迎えたことを明らかにした。

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via PR TIMES

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