#18 中国で完売の日本酒「緲(びょう)」のブランド戦略 〜UNITY ZERO Kiki COO × ACV本間〜

本稿はアクセンチュア・ベンチャーズが配信するポッドキャストからの転載。音声内容の一部をテキストとして掲載いたします

アクセンチュア・ベンチャーズ (ACV)がスタートアップと手を組み、これまでにないオープンイノベーションのヒントを探るポッドキャスト旬のスタートアップをゲストにお招きし、カジュアルなトークから未来を一緒に発見する場を創っていきます。

日本製品は依然として中国では人気がありますが、やはり、流行りや廃り、受け入れられやすいものとそうでないものがあります。これから中国市場に進出しようとする企業は、どのような商品を、どのような消費者に向けてに開発・販売すればいいのでしょうか。

前回に引き続き、日本と中国を結ぶマーケティングやクリエイティブに携わり、UNITY ZERO の共同創業者でチーフクリエイティブオフィサーを務めておられる周卉卉(Kiki Zhou)さんに話を伺います。

聞き手はアクセンチュアのデザイン組織「Fjord Tokyo」でプログラムマネージャーを務める本間美夏さんです。(ポッドキャストの一部をテキストにしてお届けしています。)

ポッドキャストで語られたこと

  • 中国で人気を集める日本製品、これまでとこれから。
  • UNITY ZERO が中国の30代富裕層をターゲットにしている理由。

前回からの続き)

現在、中国ではどのような日本製品が人気ですか。

周:コロナ前は、中国の方はすごく日本を旅行して日本食を食べていたし、和食はブームなんですよ。上海の高級懐石料理の値段は日本の店の 2 倍になります。和食で日本で 1 年間ぐらい予約できないような店の日本料理の鉄人の方の上海支店は大体 2 倍くらいの値段で売れてていつも満席。和食は物をすごく大切にしてる文化があるので、中国の方の食文化に近いんです。

日本酒もすごく飲まれています。東日本大震災 の後に、新潟の日本酒が中国で輸入ができなくなり南のお酒が流行ったりしたこともありましたが、全体的にすごく日本酒が今伸びてて、これからも伸びると思います。女性の方が日本酒を飲むとか、若い人が日本酒飲む文化がこれからもっと伸びると思うので可能性あると思います。

目をつけている商品やサービスで日本のモノを中国に持っていくとしたら、どのようなモノがいいでしょうか。

周:アートですね。日本の現代アートの重鎮の方からいろんな話を聞いてるんですけれど、その人たちが2018〜19年ぐらいから香港のバザーとか上海の「ART201」とかに出展していて感じるのは、中国のアート市場はこれからすごく可能性を持っていて、一番面白いことは、買いに来てる人たちがみんな若くておしゃれな人たちだということだそうなんです。

アメリカや日本の市場だと、アート作品を買っている方々はみんな年配の方。団塊の世代とか、リタイアしてるお金持ってる方々が多いですけど、中国で世界の現代アートをこれから買いましょうとか、自分の生活の 1 つとして所有しましょうとか、実際に買っている人たちはほぼ 30 代の人達で、アートをやっている方々にとってもワクワクする感覚がある。

ファッションもそうじゃないですか。フランスのラグジュアリーブランドが成長した年代にはコアターゲットに貴族の方々がいるんだけど、現代になってくると、意図していたターゲットと実際に買っているターゲットはかけ離れているじゃないですか。中国のマーケットは、それと似ています。

今、中国でエルメスやシャネルを一番買っているのは 30 代、もちろん銀座で日本の高級スキンケアのザ・ギンザとかクレ・ド・ポー ボーテとかデコルテを買っている人たちが日本より12 歳以上若い。CM で描かれていることがリアルで起こっているのが中国の面白さですよね。それが UNITY ZERO 中国のミドル層以上の富裕層をメインのターゲットとしている理由の一つです。

富裕層をメインのターゲットとしているのは、中国人消費者の特徴を反映してのものですか?

周:私が考えるアジアの市場は簡単に分けると、日本と韓国、台湾と香港を含めての中国、東南アジアの3つで、中国人消費者はオープンでアメリカのトレンドも見ているし、韓国のトレンドも見ているし、日本のトレンドも見ている。トレンドの中から自分が好きなものをわがままに選ぶという部分が他の地域と違うかなと思います。

後は友達に紹介されるものを 1 個は持っている中国人は女性の中で多いです。自分のコミュニティ、自分が感じている同じランクもしくは自分が憧れている人が、その人たちの使っているものを持つ傾向にあります。

中国は基本的にエリート思考です。日本とは少し違いますよね。日本は団塊の世代の方々はエリート思考かもしれませんが、今の方々はフラットに行きましょうという価値観じゃないですか。中国から見るともしかしたらダサいと思ってるかもしれないです。

中国と中国市場はエリート思考なので、ブランドが中国でマーケティングする時に、ミドル層の人たちを狙うんだったら上から行かないといけないので、欧米のラグジュアリーブランドのマーケティング戦略が中国では一番効きます。

日本の企業は君に近いブランドですよ、手の届くブランドですよというメッセージじゃないですか?中国では違って、君には届かないブランドですよというのがまだ未だに主流なんです。

確かにメッセージが全然変わってきますね。

周:欧米のブランドがなぜ中国で売れるのかというと、特にフランスのブランドは一番はそこでしょ。君には届かないブランドです、エリートが使ってます、というマーケットの意識が違うと思います。

多分、東南アジアは中国に近いマーケットになる。中国のブランドは今、東南アジアの人たちに影響を与えているし、中国の携帯ブランドは東南アジアやアフリカですごく売れてて、エリート思考のマーケティングのやり方でやっていると思います。日本は特別かもしれない。

日本では団塊の世代の友達が多くて、60 代や 70 代、団塊の世代の人と中国の人たちの感覚が近いかもしれない。

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