クリエイターがAIで3Dアニメを簡単作成「Anything World」が750万ドルを調達

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Image credit:Anything World

Anything Worldはクリエイターが表現力を高めるため、AIベースのアニメーションシステムを構築しているスタートアップだ。この度、750万ドルの資金調達を行った。ロンドンに拠点を置く同社は、あらゆる3Dモデルのリギングとアニメーションを可能にする、高忠実度の3Dアニメーションシステムを発表した。このシステムは段階的に発売され、最初のバージョンは現在入手可能である。Acrew Capital、Alumni Ventures、Warner Music Groupなどが今回出資している。

また、同社のサービスは12月にEpic GamesのUnreal Engineに対応することも発表している。3Dでのクリエイティビティに対する障壁を低くし、誰もがコンテンツクリエイターになれるようにするというミッションに貢献するものだ。より多くの人々が、業界標準のフォーマットを使って優れたアニメーションビデオを作成するためのツールにアクセスできるようになる。

3Dやバーチャル体験がユーザーの関心やエンゲージメントを高めるための戦略となる中、同社のプラットフォームはオープンソースで容易に利用でき、リミックス可能な3Dアセットを大規模に作成するための重要なツールとして役立っている。同社のカスタムされた実装を用いると、アニメーションや動作をアルゴリズムで割り当て、3Dコンテンツのカスタムデザインとともに、クリエイターは何十万もの3Dモデルにアクセスすることができる。

同社によると、数多くの3Dモデルへのアクセスと3Dアセット作成を可能にするクリエイティブツールが差別化要因となっており、競合他社にはない環境、機能、独自のレイヤーが組み込まれたサービスを提供しているという。

Anything WorldのCEOであるGordon Midwood氏は次のように述べている。

「今回の資金調達により、誰もが仮想世界や3D世界で没入型かつアクセス可能な体験を創造する能力が大幅に拡大されました。開発者、クリエイター、一般の方々に提供できるツールや機会をさらに拡大できることを嬉しく思っています。3Dの世界を作り、その世界にアセットを配置し、ユーザーを素晴らしい体験に浸したいという開発者の関心とニーズから、Anything Worldは今後も頼りにされるプラットフォームであり続けるでしょう」。

Anything World を使用すると、クリエイターは 3D アニメーションを簡単に作成できる。 Image credit:Anything World

今回の資金調達により、人工知能と3Dの世界の最前線に立ち、3Dコンテンツ制作の民主化を目指すことが証明されたと語っている。同時に発表された高忠実度アニメーションシステムの開発は、同社のプラットフォームに直接統合される予定だ。3Dコンテンツ制作のための音声コントロールや低コード・ノーコードオプション、市場参入障壁の低下、ユーザーの創造性の向上、ゲーム・バーチャル・Web3世界でのエンゲージメントを高めることが、今回の進展の特徴だ。

Alumni VenturesのパートナーであるRon Levin氏は次のように述べている。

「Anything Worldはメタバースの開発者に力を与える最先端の機械学習プラットフォームです。素晴らしいチームに支えられ、同社がゲームの3Dクリエイターや未来の仕事など、これからの時代の標準となることを確信しています」。

その他にはNGC Ventures、Supernode Global、GameTech Ventures、GFR Fundなどが今回の資金調達に参加した。資金は2年間のランウェイ、チームの拡大、誰でも3Dコンテンツクリエイターになれる高忠実度アニメーションシステムの立ち上げに使用される予定だ。同社は今回のラウンド以前に180万ドルの資金を調達しており、累計資金調達額は930万ドルになった。従業員数は14名で、2019年6月に創業されている。

共同創業者のMidwood氏とSebastian Hofer氏はプレイステーション、任天堂、モバイル向けのインディーズゲームやカジュアルゲームを何年も一緒に作ってきた。しかし、3Dの世界を作るには常にコストと時間がかかってしまう。SketchfabやGoogle Polyのようなオープンソースの3Dモデルコミュニティの台頭を見たとき、これらの資産を自動化された方法で生命を吹き込むことができないかと考えたことが起業のきっかけとなったそうだ。

Midwood氏は不況下での資金調達が困難であったことを明かしている。

「4月に資金調達を開始して8月に終了しましたが、その間、暗号資産市場は暴落し、世界的な経済状況は大きく悪化しました。不況であっても必要とされるスタートアップは資金調達が可能であることがわかりました」。

AIで差別化するために、同社は機械学習を使ってあらゆる3Dアセットを分類、セグメント化、リギング、アニメートしている。あらゆる3Dモデルのリギングとアニメーションを自動化できるサービスは他になく、独自のアルゴリズムだという。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

 

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