OpenAIのライバルAnthropic、ChatGPTに挑む対話型AI「Claude」を投入

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Googleが出資する元OpenAIの社員が設立したスタートアップAnthropicは3月14日、多くの専門家がOpenAIのChatGPTの主要なライバルとみなす、待望のAIチャットアシスタント「Claude」を発表した。ChatGPTと同様に、Claudeはチャットインターフェースからアクセスすることができ、様々な会話やテキスト処理のタスクが可能となっている。このチャットソフトウェアは、要約、検索、共同執筆、Q&A、コーディングなどでユーザーを支援する。

Claudeの差別化のポイントの1つは、それ以前に登場した他の多くのAIチャットボットよりも有害な回答が少ないように作られていることだ。同社はClaudeを 「親切で正直で無害なAIシステム 」と表現している。

Anthropicは機能を強化するために、Notion、Quora、DuckDuckGoなどのパートナーとクローズドアルファで過去数カ月間作業したという。「ユーザーはClaudeの回答が詳細でわかりやすいと言っており、やり取りが自然な会話のように感じられることを気に入っている」と、Quoraのコミュニケーション責任者を務めAutumn Besselman氏は声明で述べている。

Anthropic、APIを通じて企業にClaudeを提供

今回の発表の重要なポイントは、Anthropicが企業や非営利団体をサポートするためにAPI経由でClaudeを提供するという点だ。(ここから早期アクセスにサインアップ可能)APIアクセスの価格はまだ明らかにされていない。

Anthropicは発表の中で、Claudeを 「有害なアウトプットを出す可能性がはるかに低く、会話がしやすく、よりコントロールしやすいため、より少ない労力で望むアウトプットを得ることができる 」と語る。要約、検索、クリエイティブライティング、コーディングに加え、性格、口調、行動などの指示も受けられるため、カスタマーサービスなど、顧客と関わるビジネスソリューションの有力候補になるという。

現在、ClaudeとClaude Instantの2種類を発売している。Claudeは高性能モデルで、Claude Instantは軽量・低価格で、より高速なモデルとなっている。

AnthropicとSam Bankman-Friedの関連性

Anthropicは、OpenAIの研究者たちによって2021年に設立された。昨年4月、設立から1年も経たないうちに、突然5億8000万ドルという巨額の資金調達を発表して注目を集めたが、そのほとんどが詐欺で告発され、現在倒産した暗号通貨プラットフォームFTXからのものだったことが判明している。この資金が破産裁判所で回収できるかどうかについては、これまでにも疑問があった。

AnthropicとFTXは「Effective Altruism movement」でも協業しており、元Google研究者のTimnit Gebru氏は最近Wiredの記事で 「AIの安全性を脅かすブランドだ 」として呼びかけていた。

Anthropicは「信頼性が高く、解釈可能で、操作可能なAIシステムの構築に取り組んでいる」として、「Constitutional AI」と呼ばれるプロセスを用いてClaudeを作成した。これは恩恵や非利益、自律といった概念に基づくという。

Constitutional AIについて詳述されたAnthropicの論文によると、教師あり学習と強化学習フェーズが含まれており「結果として、有害なクエリに対して反対意見を説明することで関与する無害だが非侵害的なAIアシスタントを訓練することができる 」と述べている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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