17LIVEが新Vライバー「武士来舞(BUSHILIVE)」発表 #IVS2023 ーー拡大するVTuber市場で独自ポジション狙う #IVSPRWeek

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2017年のキズナアイ登場から約6年。バーチャルキャラクターによるクリエイター経済は拡大の一途を辿っている様だ。民間調査会社による試算(※)では、世界のVtuberの市場規模は2021年の約16億米ドルから、2028年には174億米ドルに達するという。

特に日本は世界的にもコンテンツの中心地であり、国内のプレーヤーも上場後に株価好調な「にじさんじ」プロジェクトのANYCOLORやホロライブのカバー、元祖とも言えるキズナアイを擁するKizuna AI、バーチャル空間でのプラットフォーム展開を仕掛けるREALITY、バーチャルカラオケで異色の存在感を示しているアンビリアルなどバラエティに富んだ顔ぶれが並ぶ。

この「VTuber戦国時代」に新たなプロジェクトを公表したのがライバー事業を展開する17LIVEだ。6月29日、京都で開催されたIVS Kyotoの壇上で同社代表のAlex Lien(アレックス・レン)氏は世界的に拡大するアニメストリーミングの市場を次の様に語った。

「17LIVEはテクノロジーを使って、人と人との繋がりを豊かにすることにフォーカスをしてきました。2017年に日本でライブ配信事業の展開を開始し、2019年に開始したライブコマース事業では昨年、ヒュンダイとの連携で1時間に3台の車を売るという日本で初めての実績を残しています。そして今、17LIVEおよびVライバー事業を進めるにあたり、中国を除くアジアでナンバーワンのライブ配信プラットフォームとなっておりまして、日本、台湾、香港、USそして東南アジアに展開をしております。

現在の日本のアニメオンラインストリーミング市場は12億ドル、日本のアニメ関連市場に関しては105億ドル、日本円で1.5兆円規模になっています。これがグローバルになりますと286億ドル、日本円で4兆円規模でさらに拡大していきます」(アレックス氏)。

17LIVE代表取締役のAlex Lien氏

グローバルインフォメーション・Vtuber (バーチャルYouTuber) の世界市場の分析 (2022年)

その17LIVEが新たに発表したVライバープロジェクトが「武士来舞(BUSHILIVE)」になる。戦国武将をモチーフにしたVライバー5名によるガールズユニットで、日本の「和」文化とライブ配信テクノロジーを組み合わせた新たな試みだ。5名のメンバーはそれぞれ日本史上の著名な戦国武将をモチーフにしており、メンバーたちはそれぞれの特徴やテーマカラーに基づく和風の装いをまとっている。17LIVEでのライブ配信のほか、BSテレ東のVライバーの番組への出演などが決まっており、他のライバーとのコラボレーションやオリジナルコンテンツの制作も予定されている。

Vライバーの「武士来舞(BUSHILIVE)」

17LIVEでは2018年からVライバー事業を展開しており、これまでに累計で1,700名以上の認証Vライバーを生み出すなどアジア圏における同領域に力を入れている。

「今年最も力を入れているのがVライバー事業です。まずは日本から発信しながら、将来的にはグローバル展開を目指しています。日本以外にも多くの拠点があり台湾やUSなどでの展開も行っています。台湾では先日、ライバーをテーマにしたAIバーチャルフェスティバルを開催し、台湾のファンや現地で活動しているライバーと交流するためのブースも作るなど、通訳を交えながら交流を深めています」(同社ライバー部門責任者、柳里沙氏)。

柳氏の説明では、バーチャル配信においても以前はプロのクリエイターによって作られたコンテンツが主流だったが、現在ではVライバーになるためのツールやAIの進化により、容易に市場参入ができるようになっているという。

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