エンジニアの技術記事をChatGPTで定性評価、LAPRASが「AIレビュー」公開 #IVSPRWeek #IVS2023

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IVSのプレスセンターで会見したLAPRAS代表取締役CEOの染谷健太郎さん

#IVSPRWeek はスタートアップカンファレンス「#IVS2023」とプレスリリース配信サービスのPR TIMESが企画する「Startup!PR Week」参加企業による新製品情報をお伝えします。同社のプレスリリースはこちらから

ニュースサマリー:AIを用いたエンジニアのキャリアマッチングを手掛けるLAPRASは6月28日、新機能「AIレビュー」を導入したことを公表している。この機能はOpenAIのChatGPTをベースに開発した独自のプログラムによるもので、ITエンジニアが書いた技術記事を客観的に評価し、定性的なコメントを生成するもの。評価対象記事は、エンジニア向け技術記事プラットフォーム「Zenn」で書かれたものの一部から開始し、Qiitaなど他プラットフォームについても順次対象を拡大する。

LAPRASはエンジニアの技術的履歴となるGithubや技術記事などの情報から自動的にポートフォリオを生成し、スキルや経験、志向や希望を可視化する。AIが企業との相性や適合度を判断し、エンジニアがキャリアについて相談できるコミュニティ機能も備える。また、これらの評価情報を元に企業が求めるエンジニア像や採用条件を登録すると、LAPRAS上のエンジニアにスカウトメールを送ることができるLAPRAS SCOUTも運営する。

今回提供開始となったAIレビューでは、エンジニアが書いた記事を「論理性」「実用性」「読みやすさ」「独自性」「明確性」という5項目にわたってそれぞれ5点満点で評価し、その評価に基づいた文章形式のコメントを生成してくれる。ITエンジニアの技術記事の質向上と執筆モチベーションの維持に寄与することを目指すとした。

AIレビューの評価

話題のポイント:LAPRASは2016年創業のスタートアップで、エンジニアのポートフォリオサービスの草分け的存在です。オンライン上に散らばるエンジニアの技術的履歴を自動的にまとめ、定量的な評価を提供してくれます。そんなLAPRASで重要な情報ソースとなっているのがエンジニアの書く技術記事でした。

ITエンジニアは自分の知識やスキルを共有し、他人に貢献するために、ZennやQiitaなどに技術記事を書くことが一般的になっています。しかし、記事の読みやすさや独自性、論理性などの質についてのフィードバックは一般に得られにくく、その結果、記事の質の向上や継続的な執筆活動へのモチベーション維持が困難となっていました。

そこでこれを機械的に評価しようというのが今回のアイデアなんですが、現在の代表取締役CEOで染谷健太郎さんにお話を伺ったところ開発自体が数年越しの悲願だったそうです。というのも、エンジニアの評価に必要な技術ブログのようなコンテンツの定性的な評価というのは大変難しく、従来はどうしても定量的な「いいね」などの承認欲求指数が中心になりがちだったからです。

開発者に限らず人というのは「表に出る人」とそうでない人がいます。特にソーシャルメディア全盛になってしまったここ数年、文章の上手い下手、内容があるかないかに関わらず「ソーシャル強さ」という評価軸が一定の強さを持ってしまったことは否めません。もちろんこれは情報化社会において生き抜く上で大切なスキルのひとつですが、それが全てではありません。

このハードルをクリアするきっかけとなったのがChatGPTの登場でした。今回のAIレビューですが、同社が開発する「GenAIプログラム」の一部で、このプログラムはGPT-3.5や 4.0の大規模言語モデルのAPIを利用した機能群になるそうです。

これならイケるかも、と染谷さん率いるLAPRASでは数年かけてきた構想の開発に着手し、エンジニアの方々が記述する技術記事をAIによって客観的かつ「定性的に」記事内容を評価することに成功したのです。開発にかかった時間は数カ月だったそうで、この速度も驚異的と語っておられました。

利用したエンジニアの方々の評価も上々で、なにより、人ではなくAIが評価してくれる、という点がやはりポイントだなと思いました。私もそうですが、ある特定技術によった経験を積んだ人間は、他者の定性的な評価を受け入れにくくなるものです。しかし、機械というのは不思議なもので、厳しい評価であっても自然と受け入れられる側面があります。

ChatGPTの登場でエンジニアの開発環境も大きく変わったと言います。従来シニアが教えてくれたコーディングも、こういった技術記事の評価もすべてLAPRASのようなAIが受け持ってくれるようになれば、今のエンジニア不足問題も解決に向かうのではないでしょうか。

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