霊動AIがEC事業者向け画像生成AI発表、NetEaseが音声個人指導用LLM開発など——中国スタートアップシーン週間振り返り(7月24日~28日)

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上:大規模言語モデル「Zi Yue(子曰)」の記者発表会、下:Redoon.AI(霊動AI)の Web サイト
Image credit: NetEase Youdao(網易有道), Redoon.AI(霊動AI)

本稿は、Technode(動点科技)が、7月24日〜7月28日に配信した「News Feed」記事の中から主要ニュースを翻訳したものです。

Redoon.ai(霊動 AI)が新しいジェネレーティブ AI 製品を発表、Xiaomi(小米)の共同創業者から資金調達(7月28日)

大規模視覚モデルに特化した中国企業 Redoon.ai(霊動 AI)は、EC 事業者向けの商品イメージを作成する機能を備えた新しいジェネレーティブ AI 製品を発表した。

Redoon の新しい AIGC 製品は、パラメータ1億個を特徴とする自社開発の業界特化型 AI モデルとインテリジェントな美的評価システムを備えており、中国の業界では初の商品画像を生成するための産業グレードの AI ツールである。

さらに、同社からの発表によると、Xiaomi(小米)の共同創業者である Wanqiang Li(黎万強)氏と THN Corporation からの出資により、数千万元相当(数億円)のエンジェルラウンドの調達を完了した。動点科技

NetEase Youdao(網易有道)、音声個人指導に特化した大規模言語モデルを発表(7月27日)

中国のテック企業 NetEase(網易)の教育製品部門 NetEase Youdao(網易有道)は、26日に発表した大規模言語モデル「Zi Yue(子曰、「孔子の言葉」の意)」が、教育分野でリリースされた最初の AI モデルであると述べた。このツールは、翻訳、音声個人指導、小論文指導、文法分析、スマート文書作成などのシナリオに適用できる。

同社は、音声個人指導が主要な会員制製品になること、そして、最新モデルが今年中に音声個人指導の顧客向けに展開されることを明らかにした。

生徒の宿題のカンニングを助長する可能性があるため、教育における AI の利用を疑問視する人々に対して、Youdao の CEO Zhou Feng(周楓)氏は、この製品は生徒にサボることを教えるのではなく、より良い学習ができるように導くものだと述べた。同社はまた、AI 学習機「Youdao X20」とデジタルペン「Youdao Dictionary(有道詞書筆)」を8月にローンチすると発表した。Zaker

TikTok、アメリカでの小売事業拡大で SHEIN や Temu に対抗(7月26日)

Wall Street Journal によると、TikTok は8月上旬に米国でオンライン小売事業を展開し、ライバルの SHEIN や Temu の世界第2位の e コマース市場での成功を再現しようとしている。WSJ が以前報じたように、この短編動画アプリは今年初めにサービスを開始する準備が整っていたと考えられていたが、地政学的緊張に対する加盟店の懸念から5月に開始を延期していた。

TikTok Shop Shopping Center と呼ばれるページで、ユーザは商品を閲覧・購入することができるが、このモデルはサードパーティ販売者のプラットフォームを設立するという当初の計画とは若干異なっている。

北京に拠点を置く ByteDance(字節跳動)が所有するこの短編動画アプリは、アメリカで1億5,000万人以上のユーザに利用されている。しかし、TikTok がアメリカの e コマース市場で存在感を増すにつれ、規制当局の監視は厳しさを増している。バイデン政権は3月、TikTok の売却を要求し、さもなくば最大の市場であるアメリカ国内で禁止される可能性があるとしている。動点科技

ライフスタイル共有アプリ「RED(Xiaohongshu=小紅書)」、AIGC 連携の画像作成機能を導入(7月26日)

中国の人気ライフスタイル共有アプリ「RED(Xiaohongshu=小紅書)」は、写真と動画コンテンツに重点を置いていることで知られているが、最近 AI がサポートするテキスト投稿機能を導入した。

この機能強化により、このアプリではユーザが入力したテキストに基づいて画像を生成できるようになり、ユーザが同プラットフォームでコンテンツを共有する際に手動で画像や動画を追加することなく、自律的な画像テキスト投稿が可能になった。

新機能では、ユーザが投稿用に絵を描いたり、AIを搭載したツールを使って絵を改良したりすることもできる。この機能は、Xiaohongshu のアルゴリズムとAIGC技術によって提供され、アプリの最新バージョンのすべてのユーザーが利用できるようになった。36気

中国のバブルティーチェーン6社が IPO 申請を急いでいるとの報道(7月25日)

少なくとも6つの中国茶チェーン企業が IPO の準備を進めていると、Bloomberg が24日に報じた。急ピッチで拡大している中国最大のバブルティーチェーン「Mixue(蜜雪冰城)」もそのひとつで、浙江省を拠点とする XSQ Tea(新時沏奶茶)も、Mixue の28,000店舗に比べれば店舗数は少ないが、株式公開を目指している。

これらの出来立てホヤホヤの茶飲料会社にとって、香港やアメリカでの上場を選択することは、規制当局の監視の可能性を減らしつつ、IPO への道を容易にする可能性がある。一方、資本市場への集中的な参入は、特に中国の大流行後の消費回復が息切れしているように見える中、規模拡大のために投資に大きく依存する企業にとって資金調達の重要性を浮き彫りにしている。

XSQ Tea、新スタイルの茶葉小売業者 GoodMe(古茗奶茶)Auntea Jenny(滬上阿姨)ChaBaiDao(茶百道)はそれぞれ6,000軒以上の店舗を持ち、香港での上場を計画している。Mixue はまだ上場する市場を決めていないと Bloomberg は報じている。

2015年に夫婦で設立した中国生茶チェーン「Nayuki(奈雪の茶)」は、この種の茶飲料企業として初の上場を旗印に、2年前に香港上場デビューを果たした。しかし、黒字化には至っておらず、赤字が膨らんでいるため、株価は上場時の水準から約7割と大幅に下落している。動点科技

Alibaba(阿里巴巴)、AI 企業 SenseTime(商湯)から出資を引き上げ(7月24日)

Alibaba(阿里巴巴)の完全子会社 Taobao Holdings(淘宝控股)は24日、 AI に特化した中国企業 SenseTime(商湯)の全株式を売却した。これに対し SenseTime は、事業運営や提携関係に影響はないと断言した。SenseTime はアジア最大級の AI ソフトウェア企業であり、中国を代表するコンピュータビジョン・ソフトウェア・プロバイダである。現在、同社は大規模言語モデル(LLM)の開発と商業化に注力している。

今年の世界 AI 会議では、意味理解と長文対話機能を備えた LLM「SenseChat(商量)」を、他の AI 製品とともに展示した。今年4月以降、Alibaba は SenseTime への出資比率を引き下げた。現在、SenseTime はシンガポールの政府系ファンドの Temasek やソフトバンクなどの投資会社の支援を受けている。商湯

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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