第2回日台スタートアップサミットが渋谷で開催、台湾スタートアップ41社が参加

Photo by Ling-Wai Tsang(曾令懷)

台湾のスタートアップ支援ブランド「Startup Island TAIWAN」は14日、東京の渋谷で第2回日台スタートアップサミット「Together, Go Big」を開催し、台湾のスタートアップ41社が来日・参加した。参加社のうち、TapPay、KKday(酷遊天)FunNow(瘋哪裡)、東聯互動(EUi)、Gogolook(走著瞧)、CyCraft(奧義智慧)、Cubo AIiKala (愛卡拉)は、すでに日本に進出したスタートアップのリストに名を連ねている。

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台湾国家発展委員会(NDC)主任委員の Ming-Hsin Kung(龔明鑫)氏は、次のように述べた。

この1年間で、多くの台湾のスタートアップと日本企業の協力の成果を聞くことができ、大変嬉しく思っている。

例えば、見慣れない番号からの電話を識別するソフトウェア「Whoscall」を開発した Gogolook は、渋谷区役所と詐欺防止で協力している。KKday は日光東照宮と協力し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を通じて職員のユーザエクスペリエンスとワークフローを改善している。CyCraft(奧義智慧科技)はアイティーフォーと情報セキュリティ・システムを提供するために協力している。これらは、日台間のの積極的な交流を示す完璧な例だ。

台湾国家発展委員会(NDC)主任委員の Ming-Hsin Kung(龔明鑫)氏
Photo by Ling-Wai Tsang(曾令懷)

Kung 氏は、台湾は5G、AI、精密医療、再生可能エネルギーなど、次世代の革新的な産業を積極的に開発しており、いずれも大きなビジネスチャンスの可能性を秘めていると指摘した。 重要なのは、台湾がこれらの新興産業において競争力を向上させ、グローバルサプライチェーンにおける地位を確保する必要があるということだ。

台湾と日本の協力戦略について、産業界は DX 、グリーントランスフォーメーション(GX)、情報セキュリティと防衛の3つの主要分野に注力している。Kung 氏はまた、起業家の人材育成を加速させ、健全な資金調達とイグジットチャネルを確立し、税制措置を改善することにより、スタートアップへの投資や買収を企業に奨励する台湾の経験を共有し、これが新たな成長の波を促進すると期待した。

NDC 産業発展所所長の Fang-Guan Jan(詹方冠)氏は、日本のスタートアップがビジネスモデルで実績を得たいのであれば、製造生産拠点に強みを持つ台湾を検討することができるとし、「双方は第三国での共同市場開拓のための協力も検討できる」と述べた。

台湾国家発展委員会(NDC)産業発展所所長の Fang-Guan Jan(詹方冠)氏
Photo by Ling-Wai Tsang(曾令懷)

今年のサミットでは2つのブレークスルーが期待されている。第一のブレークスルーは「資金調達の冬」と戦うことだ。Taiwania Capital(台杉投資)と日本の投資機関は、特にバイオテクノロジーと医療産業をターゲットに、台湾と日本のスタートアップへの投資資金を増やすために協力する。第二のブレークスルーは、市場の境界を破ることで、台湾と日本の企業が手を取り合い、東南アジア地域におけるデジタルと金融のビジネスチャンスをつかむことを期待している。

日本は、5年後のイノベーションエコシステムの成長に期待

日本の前経済産業大臣を務めた萩生田光一氏と日本貿易振興機構(JETRO)理事の河田美緒氏もサミットに出席した。

萩生田氏は、日本政府が2022年、世界に向けて「イノベーション元年」政策を発表し、2027年までにユニコーンを100社、新たなスタートアップを10万社生み出し、日本を新しいイノベーション大国の世界有数の拠点にするという目標を掲げたと述べた。

この目標を達成するため、台湾のトップアクセラレータと積極的に協力し、日本のスタートアップが台湾で発展するのを支援すると同時に、台湾の人々が日本に来てビジネスを展開するのを奨励している。

萩生田氏は、日本政府は海外から優秀な人材を呼び込むことを目的に、高度専門職ビザ(高度専門職1号・2号)の発給を開始したと述べ、「台湾の起業家がこの制度を利用して日本でビジネスを立ち上げることを期待している」と語った。

前経済産業大臣の萩生田光一氏
Photo by Ling-Wai Tsang(曾令懷)

河田氏は、台湾のスタートアップが日本で発展することには3つの利点があると指摘した。1つ目は、前述の DX や GX など、新興分野の市場がまだ飽和しておらず、日本にはまだ発展の余地があること。2つ目は、日本が現在ほどスタートアップを強力に支援したことは前例が無いため、非常に大きな変革期を迎えており、台湾のスタートアップが日本企業と協力できることを願っていること。3つ目は、日本のビジネス環境、法制度、行政制度は非常に透明性が高く、海外の人々の日本での発展に寄与しているということだった。

台日新創攜手共進(台湾と日本のスタートアップが手を取り合って共に進む)、Together Go Big。このスローガンが現実になることを願っている。

河田氏はこう言って講演を締めくくった。

左から:台湾国家発展委員会(NDC)主任委員の Ming-Hsin Kung(龔明鑫)氏、日本貿易振興機構(JETRO)理事の河田美緒氏
Photo by Ling-Wai Tsang(曾令懷)

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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