電子設計自動化ビッグ3のSynopsys、自動車ソフトウェア検査の独PikeTecを買収

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エレクトロニクスデザインオートメーションとソフトウェアセキュリティソリューションを専門とする Synopsys は8月23日、PikeTec の買収を完了したと発表した。

PikeTecは 、制御装置システムで使用される車載ソフトウェアのテスト、検証ソリューションを提供する企業である。今回の戦略的買収により Synopsys は、自動車業界が直面する Software-Defined Vehicle(SDV)のテストと検証における増大する課題に対応する重要なプレイヤーとなる。

SDV の急速な台頭により、自動車業界では車内の電子機器の複雑さが増している。これらのソフトウェア駆動システムは、洗練されたソフトウェアアルゴリズムによって、車両のさまざまな機能や特徴を制御・管理する。ソフトウェア、センサー、コンピューティング、メカトロニクス機能の統合には、厳密なテストと検証作業が必要であり、SDV の市場投入を目指す自動車メーカーやサプライヤーにとって大きなハードルとなっているのだ。

左から:Andreas Krämer 氏、Jens Lüdemann 氏、Eckard Bringmann 氏

PikeTec の CEO Jens Lüdemann 氏は声明の中で、自動車業界がSDVに移行する中で、より効率的で効果的なソフトウェアテスト手法が求められていると述べた。Lüdemann 氏は、Synopsys と手を組むことは、高品質なソフトウェアの提供を促進する包括的な仮想化およびテストソリューションを自動車メーカー(OEM)に提供するという PikeTec のコミットメントを反映したものであると述べ、今回の買収に自信を示している。

PikeTecの テスト自動化ツールは、Model-in-the-Loop(MiL)から Vehicle-in-the-Loop(ViL)まで、開発およびシミュレーション環境の全段階にわたって、直感的で柔軟なテスト機能を備えていることで知られていると同社は述べている。

車載ソフトウェアの複雑さとボリュームが増大し続ける中、テストは製品開発サイクルの早い段階で実施されるようになっており、モデル、ソフトウェア、プロセッサを組み込んだ仮想環境が重視されている。Synopsys の先進的な SiL(Software-in-the-Loop)および仮想ハードウェアソリューションと PikeTec のテスト自動化ツールおよびサービスを組み合わせることで、安全性とセキュリティを最優先しながら SDV の市場参入を加速させる独自のソリューションを自動車メーカーに提供する。

Synopsys のシステムデザイングループ担当ジェネラルマネージャー Ravi Subramanian 氏は、次のように語っている。

多くの自動車メーカーが、ソフトウェデファインド車両への移行に伴い急速に増加するソフトウェアの内容と複雑性に対応するため、PikeTec のソフトウェア・テスティング/検証ソリューションを採用しています。Synopsys と PikeTec の専門知識を組み合わせることで、ソフトウェア開発と検証にシフトする顧客の課題に直接対応する革新的な仮想化、テストソリューションを市場に投入することが可能になります。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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