ネット証券ユーザ18万人以上が利用、勝率は8割——ベテランの売買を参考に投資できる「SoFinX」の世界戦略

左から:OTSO ディレクター Andy Zhang(戦龍)氏、OTSO CEO Edison Duan(段凱譯)氏、QIC(寬量国際)創業者兼 CEO Alex Lee(李鴻基)氏
Image credit: OTSO(黒森科技)

台湾を拠点とするフィンテックスタートアップ OTSO(黒森科技)は13日、プレシリーズ A ラウンドで300万米ドルを調達したと発表した。このラウンドには、 AVA Angels(安発元天使基金)、Brightstar Ventures(炙星投創)、J&V Energy Technology(雲豹能源科技)の共同創業者 Yuhuan Tan(譚宇軒)氏、上場エレクトロニクス企業の取締役会長が個人参加した。同社では調達した資金で世界市場への展開を加速させる。

「SoFinX」が提唱する新概念「KOI」、ネット証券ユーザ18万人に恩恵

OTSO の主力製品「SoFinX(Social Finance Exchange)」は、AI コミュニティトレーディングプラットフォームで、世界のネット証券にサービスを提供する B2B2C モデルを採用している。ネット証券は、匿名投資家やインフルエンサーの投資行動を、他の投資家に提供するシグナルソースとして利用することができ、投資家はこれらのシグナルを、投資の敷居を下げるための分析・参照手段として利用することができる。

例えば、投資家 A 氏は証券取引所「甲」で投資していて、SoFinX のバックエンドにアクセスし、アルゴリズムや検索・分析ツールを使って、金、アメリカ株、仮想通貨のシグナルソースを見つけることができる。証券取引所「甲」で取引する投資家 B 氏が金、証券取引所 「乙」で取引する C 氏がアメリカ株、証券取引所「丙」で取引する投資家 D 氏は仮想通貨をそれぞれ得意としている場合、A 氏は、B 氏、C 氏、D 氏の投資の動きに呼応して、フォローアップ投資を実行できる。

「SoFinX」
Image credit: OTSO(黒森科技)

OTSO FinTech 創業者兼 CEO の Edison Duan(段凱譯)氏は、次のように述べた。

インフルエンサーはネット界で注目を集める KOL(Key Opinion Leader)の異名を持つが、OTSO はトレーディング分野で KOI(Key Opinion Investor)の概念を提唱している。SoFinX を通じて KOI となる世界最高の投資家を集め、KOI の実際の取引データをシグナルソースとして使用することで、投資経験が浅かったり、市場調査を行う時間が無かったりする人でも、ベテラン投資家の戦略を観察し参考にすることができる。

匿名の投資家行動データと共有リソースモデルを通じて、OTSO は投資家の参入ハードルとリスク許容度を下げており、同社の統計によれば、投資の勝率が80%近くに達しているという。

OTSO の Web サイトよると、同社は15カ国以上の300社以上のネット証券会社にシステムやコンサルティングサービスを提供し、18万人以上の投資家ユーザに恩恵を与え、1日あたり4万件以上の注文を処理している。

証券界の大物が評価、世界展開を視野に入れる

SoFinX のコンセプトは単純に見えるかもしれないが、このプラットフォームを構築するためにデータを使用するのは簡単ではない。(Duan 氏)

OTSO が世界中の証券会社にサービスを提供してきた長年の経験と、シードラウンドの投資家であり、現在 OTSO の取締役である QIC(寬量国際)創業者兼 CEO Alex Lee(李鴻基)氏の証券と投資の経験を生かして、OTSO は膨大な投資データを分析し、グローバル市場向けの使いやすいプラットフォームに変換する。

初日から国際市場を視野に入れ、台湾に留まらない OTSO は、非対称リターン(Asymmetric Return)を達成する可能性が最も高いスタートアップだ。チームにはさまざまな国や職業背景を持つメンバーがおり、業界のペインポイントを理解し、既成概念にとらわれない発想ができる革新的なマインドを備えている。(Lee 氏)

我々が実現したいことは、「信頼」と「権限委譲」だ。信頼は、SoFinX 上のすべてのデータが実際の投資家の取引情報から得られたものいう事実に基づいて構築されている。権限委譲は、市場における取引の敷居を下げ、KOI、投資家ユーザ、証券会社にとって、三方よしの状況を作り出すという希望だ。(Duan 氏)

2024年、OTSO は東南アジア、北アフリカ、中東、イギリスおよび EU への進出に注力する。2025年までに全世界で200の証券会社と提携し、7.2兆米ドル以上の取引高を生み出すことを目標としている。

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

【原文】

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