ネット接続やソフト導入できない工場機械向けにRPA開発、台湾IsCoolLabが日本進出へ

IsCoolLab(伊斯酷)の CTO Yung-Pin Cheng(鄭永斌)氏
Image credit: IsCoolLab(伊斯酷)

RPA スタートアップ IsCoolLab(伊斯酷)は13日、300万米ドルの新たな資金調達を完了したと発表した。

このラウンドは Taiwania Capital(台杉投資)がリードし、前回ラウンドに参加した CID(華威創投)と Hive Ventures(蜂行資本)がフォローオンで、また、新規に TAINET(台聯電訊)が参加した。IsCoolLab は、この資金を、製品開発と日本、東南アジア、インドでの市場拡大に使用し、スマートヘルスケアとスマート政府分野への進出に使用すると述べた。

工場機械に RPA を導入する難しさ

RPA とは「人間のワークフローをソフトウェアでシミュレーションする」ことで、反復作業を自動化することができる。例えば、求人票を Excel シートにまとめる場合、求人票を開いて項目をコピーし、Excel に貼り付ける作業を RPA ツールで自動化することができる。

この種の作業シナリオは、すべてのソフトウェア操作は1台のコンピュータ上で完結し、RPA システムがコンピュータの主たる頭脳として機能するため、一般的なオフィスでは適している。対照的に、工場や製造業では1台のマシンが1セットのソフトウェアしか持たず、一連の工程を完了するには、複数マシンを横断操作できる仕組みが必要だ。IsCoolLab の RPA 製品「Robotiive」は、この目的のために誕生した。

セキュリティの関係上、工場の機械にはソフトウェアを入れたり、インターネットに接続したりすることができないため、IsCoolLab は KVM スイッチを使って各機械の画面を接続し、映像認識によってスタッフの作業プロセスを再現することで問題を解決し、作業効率を83%以上向上させた。

IsCoolLab の CTO Yung-Pin Cheng(鄭永斌)氏は次のように語った。

自動化はデジタル化を意味するものではありません。我々はまず工場のデジタルトランスフォーメーション(DX)をを支援し、さらには AI への移行を支援します。

スマートファクトリーへのアップグレードを目指すのであれば、生産工程や生産終了後の機械のデータを追跡する必要があるが、(Robotiive は)異なるソフトウェアやハードウェア間のデータを映像認識で識別し、互いにつなげることができるため、ヒューマンエラーの可能性も低減できる。

例えば、PCB の生産ラインでは、CAD/CAMの設計ファイルに異なるパラメータを機械に入力する必要があるが、従来は設計ソフトウェアの複数のファイルを機械が直接つなぐことができず、人間の入力ミスもあったが、RPA を通じて、データを直接パラメータに変換することができるようになった。

スマートヘルスケアやスマートガバメントの分野にも参入

IsCoolLab は製品の機能向上に加え、製品開発と国際市場拡大の2つの分野に投資する。

DX の高度化に伴い、IsCoolLabは 年内にマルチポイントサーバーモニターも発売する予定で、これにより向上のスタッフは、実際にマシンの側に行って操作することなく、リモートから直接 RPA スクリプトを更新できるようになる。

国際市場の拡大については、製造大国でもある日本や、製造業が進出している東南アジアやインドも含まれる。

労働力は比較的安いとはいえ、彼らはミスを防ぐ機能を必要としています。(Cheng 氏)

IsCoolLab が現在、スマートガバメントとスマートヘルスケアにも注力していることは注目に値する。

この2つの分野では、セキュリティ上の問題から、コンピュータはほとんどクローズドなシステムになっています。(Cheng 氏)

Cheng 氏は、病院や政府も DX とスマート化を必要としているが、そのためにはデータが必要であるため、IsCoolLab は台湾市場から着手する予定で、そのためにすでに台北市政府と協力関係にあると語った。

【via Meet Global by Business Next(数位時代) 】 @meet_startup

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