放射線治療AIで医療DXを支援、東北大発のアイラトが8,000万円をシード調達

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Image credit: Airato

AI放射線治療計画支援サービス「RatoGuide(ラトガイド)」の開発を行うアイラトは13日、シードラウンドで8,000万円を調達したと発表した。このラウンドには Central Japan Seed Fund(MTG Venturesによる運営)、九州オープンイノベーションファンド(GxPartners と FFG ベンチャービジネスパートナーズによる運営)、Midvillage(ispace の元 COO 中村貴裕氏による運営)が参加した。今回調達した資金は、事業及びプロダクトの開発、人材採用に充てられ、組織基盤の強化を目指すとしている。

アイラトは2022年3月創業。放射線治療の分野で、AI技術を活用した医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する。同社の事業は、東北大学大学院医学系研究科講師の角谷倫之氏の研究から始まった。角谷氏は、放射線治療の画像処理や人工知能に関する研究を長年重ね、AIを用いた放射線治療の品質向上と医療従事者の負担軽減を叶えるソフトウェアの開発に着手したそうだ。

同社が開発を進める RatoGuide は、AI を活用した放射線治療計画支援サービス。放射線治療計画の作成をAIソフトウェアが支援することで、治療計画の作成時間を大幅に短縮し、治療の質を向上させる。特に、強度変調放射線治療(IMRT)の効果を最大化することに特化している。

IMRT は、放射線の照射強度を変化させることで、腫瘍に高い線量を集中させつつ、周囲の正常組織への被害を最小限に抑える高度な治療法である。しかし、治療計画の作成には高度な専門知識と時間が必要で、医療スタッフの不足や過重労働が課題となっていたという。そうした背景から、同社は RatoGuide の提供を通じて、治療計画の品質のばらつきをなくし、安全かつ高品質な治療の実現を目指している。

今回の資金調達を通じて、アイラトは RatoGuide の開発・社会実装を加速し、事業展開と組織基盤の強化を図るとしている。この技術が広く導入されることにより、放射線治療のアクセシビリティと効果を向上し、多くのがん患者の治療への貢献を目指すとしている。

via PR TIMES    Summarized by ChatGPT

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