OpenAI が、まだローンチされていない AI 動画プラットフォーム「Sora」によって制作されたコンテンツでバイラリティを促進し続ける中、競合他社はそれぞれの製品でハードルを押し上げようと全力を注いでいる。つい数日前、Pika Labs は同社の製品にリップシンクを導入した。そして今、まったく新しい AI 動画スタートアップ Haiper が、Octopus Ventures から1,380万米ドルのシード資金を調達し、ステルス状態から姿を現した。

Google の Deepmind の元研究者 Yishu Miao 氏（CEO）と Ziyu Wang 氏によって設立されたロンドンに拠点を置く Haiper は、ユーザがテキストプロンプトから高品質の動画を生成したり、既存の画像をアニメーション化したりできるプラットフォームを提供している。このプラットフォームは、独自のビジュアル基盤モデルを搭載しており、Runway や Pika Labs といった既存の AI 動画ツールに対抗している。しかし、初期のテストでは、OpenAI が提供する Sora にはまだ及ばないようだ。

Haiper 社は、今回の資金調達でインフラを拡張し、製品を改善し、最終的には人間のような世界認識を内面化し反映できる AGI（汎用 AI）を目指す計画だ。

Haiper は AI 動画プラットフォームで何を提供するのか？

Runway や Pika のように、Haiper は現在のところ、web プラットフォームをユーザに提供している。このプラットフォームは現在、SD と HD の両方の画質で動画を生成するツールを提供しているが、HD コンテンツの長さは2秒に制限されている。低画質の動画ツールには、動きのレベルをコントロールするオプションも付いている。

本製品をテストしたところ、HD ビデオの出力は、長さが短いためか、より安定していた。一方、低画質のビデオでは、特に動きのレベルが高い場合、被写体の形、大きさ、色が変化し、ぼやけることが多かった。また、Runway に見られるような生成を延長するオプションもないが、同社は近いうちにこの機能を開始する予定だと主張している。

テキストを動画に変換する機能に加えて、このプラットフォームは、ユーザが既存の画像をアップロードしてアニメーション化したり、動画を塗り替えたりして、スタイル、背景色、要素、主題をテキストプロンプトで変更できるツールも提供している。

Haiper は、このプラットフォームとそれを支える独自のビジュアル・ファウンデーション・モデルは、ソーシャルメディア用のコンテンツのような個人の用途から、スタジオ用のコンテンツを作成するようなビジネス中心の用途まで、幅広いユースケースに対応できると主張している。しかし、同社は商業化計画について何も語っておらず、この技術を無料で提供し続けている。

世界を認識した AGI の構築計画

今回の資金調達により、Haiper は、完全な知覚能力を持つ AI （AGI）を構築することを最終目標として、インフラと製品を進化させる計画だ。今回の資金調達により、同社の調達総額は1,920万米ドルに達した。

今後数ヶ月の間に、Haiper はユーザからのフィードバックを基に改良を重ね、AI 動画出力の品質を向上させる大規模な学習済みモデルをリリースする予定だ。

光、動き、質感、オブジェクト間の相互作用など、ごくわずかな視覚的側面をカバーし、現実に忠実なコンテンツを作成する。

Miao 氏は声明で次のように述べた。

我々の最終目標は、創造性を支援する無限の可能性を秘めた、完全な知覚能力を持つ AGI を構築することです。私たちのビジュアル・ファウンデーション・モデルは、世界の物理を深く理解し、生成する映像に現実のエッセンスを再現する AI の能力を飛躍的に向上させるでしょう。このような進歩は、人間のストーリーテリングを理解し、受け入れ、強化できる AI の基礎を築くものです。

このような次世代の知覚能力により、Haiper の技術はコンテンツ制作にとどまらず、ロボット工学や輸送など、他の領域にも影響を与えるだろうと Haiper は期待している。このような動画 AI へのアプローチにより、同社は、今注目の AI 分野で注目すべき興味深い企業となっている。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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