クールジャパンや推し活文化とのシナジーで世界を目指す空間音響技術「Re:Sense」/KDDI ∞ Labo3月全体会レポ

クレプシードラ CEO 今誉(こん・ほまれ)氏

本稿はKDDIが運営するサイト「MUGENLABO Magazine」掲載された記事からの転載

クレプシードラは、音の体験が人々の感情や生きる熱量に大きな影響を与えると考え、良質な音響体験を提供することを使命としている音響系スタートアップです。ソニーで12年にわたりAR/VRの音響研究に従事し、東工大で博士号を取得した今誉(こん・ほまれ)氏が東工大発ベンチャーとして2020年に創業しました。

同社の強みは、独自のハードウェアによる収録手法とソフトウェア処理を組み合わせた空間音響技術「Re:Sense」です。この技術により、人の気配感や方向感を再現し、まるでその場にいるかのような臨場感を生み出すことができます。これまでに人間の音の聞こえ方を再現するバイノーラル録音技術、独自の音質補正技術などで9件の特許を出願済みです。

Re:Senseの特徴は、手軽な収録と既存の2チャンネルステレオフォーマットやプラットフォームへの適用が可能な点です。これによりユーザーは新しい音響体験を手軽に楽しむことができます。同社はRe:Senseを活用し、音響体験のアップデートと新しい制作フローの確立を目指しています。

これまでに空間音響技術がよく使われてきたのはゲームや映画の音楽ですが、クレプシードラの空間音響技術はそれらに加え、手軽に利用できることからVTuberの音声コンテンツやボイスドラマなどのコンテンツ制作や、視覚障がい者が思い出を追体験できるサービスにも活用可能です。

実際にVTuber事務所と鉄道会社のコラボレーション企画の際には、車両内でRe:Senseで収録したVTuberの音声が放送され、「まるでキャラクターが隣にいるようだ」という感想も寄せられました。コラボイベント実施後のアンケートでは、91%の利用者が音声に「とても満足した」と回答したといいます。

映画音響で有名なドルビーは、ハリウッドをはじめスタジオが密集しているアメリカ西海岸に拠点を置き、映画という文化を中心に世界に広めていきました。当社では、Re:Senseと日本のアニメやVTuberの親和性の高さに注目しています。日本の文化を発信していく際に、人気コンテンツに載せる形でRe:Senseを世界に広めていきたい。(今さん)

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