アフリカ新興国向け「UNCOVERED FUND」、現地スタートアップ約30社集め東京でイベント開催

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Image credit: Masaru Ikeda

サブサハラアフリカ(サハラ砂漠以南のアフリカ)の新興国向けファンド「UNCOVERED FUND」は19日、都内で昨年に続き2回目となるカンファレンス「SHOWCASE AFRICA 2024」を開いた。アフリカからは、UNCOVERED FUND の投資先を含むスタートアップ約30社のほか、現地の VC、支援組織などから約50人が参加、また、日本からはアフリカでの起業を検討している人、アフリカへの投資を検討している企業などから数百名が集まった。なお、このイベントは21日に京都市内でも開催される予定だ。

このイベントでは、フィンテック、次世代モビリティ、アフリカの VC、保険、流通・物流・時次世代エネルギー、ヘルスケア、中古車流通など、複数のセッションが2つのステージで展開された。まだ開拓されていない1億人市場アフリカのみならず、全世界の75%を占めるグローバルサウスを舞台に、「経済成長と脱炭素」をテーマに議論が繰り広げられていた。また、会場では、クライメートテック系のスタートアップやファンド関係者の存在が目立った。

今回アフリカから参加したスタートアップは、AmpersandRendaTunlGrintaBrassTerminalCuracelKOKO NetworksShekel MobilityCarbonClearMtorBadiliLem-FiSun-FiMecho AutoAsaakSylndrSunCultureKoolboksARC RideMuduPayWinich FarmsChowdeckAllaweeXolani HealthMy Healthcare Solutions など。

講演する UNCOVERED FUND ジェネラルパートナーの寺久保拓摩氏
Image credit: Masaru Ikeda

今回のイベントにアフリカから参加した登壇社のうち、アフリカに特化して次世代投資家を支援するアクセラレータ Dream VC は CVC の短期集中コースを開催した。また、企業が気候変動目標を達成するために高品質のカーボンオフセットを購入できるように支援するスタートアップ CarbonClear は、日本企業とアフリカ企業がカーボンクレジットを取引する方法についてのワークショップを開催した。

参加者の中での最近の大きな動きとしては、エジプトのオンライン自動車部品マーケットプレイス「Mtor」は昨年12月、現地 VC のリードしたシードラウンドで280万米ドルを調達した。同社はエジプトの自動車整備工場や自動車整備士の作業効率の悪さを解消しようとしている。また、アフリカのカーボンニュートラルと経済発展に特化したベンチャービルダー Persistent Energy  は先ごろ、アフリカのクライメートテックスタートアップ向けに1億米ドルファンドを組成している

UNCOVERED FUND は2020年7月、投資家の寺久保拓摩氏によって設立・組成された。寺久保氏はイベント冒頭の講演で、近年、アフリカへの投資額が急増しており、2015年から2022年の間に投資総額は約23倍になっていること、アフリカには、1)圧倒的な人口増加、2)広大な土地と資源、3)イノベーションの機会があることを強調した。UNCOVERED FUND は現在15億円規模の1号ファンドを運用していて、これまでにアフリカのスタートアップ29社に投資しているほか、現地で JV も展開している

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