東北大発、宇宙利用・回収基盤開発のElevationSpaceが14億円超をシリーズA調達——累積調達額は21億円に

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「ELS-R」
Image credit: ElevationSpace

国際宇宙ステーション(ISS)に代わる宇宙環境利用プラットフォーム「ELS-R」を開発する ElevationSpace は12日、シリーズ A ラウンドで14億円を超える金額を調達したと発表した。このラウンドは Beyond Next Ventures がリードし、スパークス・アセット・マネジメント(宇宙フロンティアファンド)、ニッセイ・キャピタル、FFG ベンチャービジネスパートナーズ、CSP、グローブアドバイザーズベンチャーズが参加した。なお、金額には、仙台銀行や宮城第一信用金庫などからのデットが含まれる。

これは ElevationSpace にとって、2022年3月に実施したシードラウンドに続くものだ。今回の調達を受けて、同社の累積調達額は21億円に達した。今回調達した資金は、ELS-R の開発体制強化に充てられる。同社では、ELS-R 初号機「あおば」や2号機(愛称は未定)の打ち上げを2026〜2027年に計画している。あおばには、宇宙バイオ実験サービスの IDDK の小型バイオ実験環境、ユーグレナ(東証:2931)の微細藻類培養環境などが搭載される予定だ。

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ElevationSpace は2021年2月、東北大学で宇宙ロボット研究を行う、吉田・桒原(くわはら)研究室でこれまで開発してきた10機以上の小型人工衛星の技術を基に設立されたスタートアップ。運用が終了する ISS の2030年以後を見据え、ISS に代わる宇宙利用設備として、小型人工衛星内での宇宙実験や製造を可能とする小型宇宙利用・回収プラットフォームを開発している。顧客企業から預かった貨物をロケットで打ち上げ、地球低軌道で実験や製造後、大気圏で燃え尽きずにカプセルを地球に帰還させる。

同社 CEO の小林稜平氏は「将来的な有人宇宙技術獲得を見据え、日本経済の発展に貢献することを目指す」と述べており、宇宙ビジネスの裾野を広げる取り組みにも注力する方針だ。宇宙関連市場は急速に拡大しており、2040年までに約150兆円規模に成長すると予測されている。ElevationSpaceは、宇宙への参入障壁を下げ、多様な産業の宇宙進出を支援することで、この成長市場でのリーダーシップ獲得を目指している。

via PR TIMES    Summarized by ChatGPT

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