Runway、超高速動画生成モデル「Gen-3 Alpha Turbo」を企業向けにAPI公開 - BRIDGE（ブリッジ）テクノロジー＆スタートアップ情報

企業が生成 AI への投資を増やし続ける中、Runway は最高のものを提供するためにすべてを投入している。ニューヨークを拠点とするこの AI スタートアップは16日、超高速動画生成モデル「Gen-3 Alpha Turbo」を API を通じて利用可能にすると発表した。

この動きにより、Runway は開発者や組織が独自の AI 動画生成モデルをプラットフォーム、アプリ、サービスに連携できるようにする最初の企業の1つとなった。これにより、動画コンテンツを必要とする内部または外部のユースケースに対応できる。広告会社がキャンペーン用の動画資産をその場で生成できるようになることを想像してほしい。

この発表は、動画に重点を置く企業のワークフローを大幅に強化することを約束している。しかし、Runway は API がすぐにすべての人に利用可能になるわけではないと述べている。代わりに、同社は段階的なアプローチを取り、関心のあるすべての当事者に徐々に展開していく予定だ。

Runway API についてわかっていること

現在、選ばれたパートナーにのみ利用可能な Runway API は、個人や小規模チーム向けの Base プランと、大規模組織向けの Enterprise プランの 2 つの主要プランで提供されている。

選択したプランに応じて、ユーザはモデルを各自の製品に連携し、さまざまな動画生成タスクを開始するためのエンドポイントを受け取る。インターフェースには「powered by Runway」のメッセージが明確に表示される。

API の基本価格は1クレジットあたり 1 セントから始まり、1秒の動画を生成するには5クレジットが必要となる。

この段階では、同社は API を通じて Gen-3 Alpha Turbo モデルへのアクセスのみを提供していることに注意が必要だ。元の Gen-3 Alpha を含む他のモデルは、まだプラットフォームで利用できない。

Turbo モデルは7月下旬に Gen-3 Alpha の高速版としてデビューし、画像から動画を 7 倍速く生成でき、よりコストが低いのが特徴だ。Runway の共同創業者兼 CEO Cristóbal Valenzuela 氏は当時、このモデルが「ほぼリアルタイム」で動画を生成できると述べ、10秒のクリップをわずか11秒で生成できるとしていた。

We trained a new version of Gen-3 Alpha, Turbo, that can generate videos 7x faster than the original Gen-3 Alpha, while matching its performance on many use cases. We’ll be rolling out Turbo for Image to Video with significantly lower pricing over the coming days while also… pic.twitter.com/4qbmD15pvY

— Runway (@runwayml) July 31, 2024

これまで、このモデルは Runway プラットフォーム上のユーザにのみ利用可能だった。API を通じて、同社はさまざまな企業のユースケースでより広く採用されることを期待している。これにより、最終的に収益を押し上げる可能性がある。

Runway はブログ投稿で、マーケティンググループの Omnicom がすでに API を使用していると述べているが、同グループがどのように動画生成技術を利用しているかについては言及していない。他の既存のパートナーの名前も明らかにされていない。

いずれにせよ、この発表によるメッセージは明確だ。Runway は、OpenAI のまだリリースされていない Sora や Deepmind の Veo などの競合他社に先んじて、市場で先行し、多くの企業顧客を獲得するために積極的な措置を講じている。

言うまでもなく、著作権問題からトレーニングのためのデータ収集に関する疑問に至るまで、AI 動画生成を巡るあらゆる批判にもかかわらず、同社は製品機能を拡張するために積極的に動いている。つい数日前には、すべての有料サブスク契約者向けに Gen-3 Alpha Video to Video を Web 上でリリースした。

同社は X への投稿で次のように述べている。