Runway、動画生成AI「Gen-3 Alpha」の新モデルを公開——静止画からも数秒でリアルな動画を生成可能に

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Runway「Gen-3 Alpha」のサンプル動画からCredit: Runway/X

多くの AI モデルプロバイダと同様に、データスクレイピングとトレーニング手法について論争に直面しているにもかかわらず、ニューヨーク市を拠点とするスタートアップ Runway は、リアルな生成 AI 動画プラットフォームに新しい目玉機能を追加し続けている。

同社は29日、X アカウントDiscord サーバで、2024年6月中旬に公開された新しい AI 動画モデル「Gen-3 Alpha」が、単純なテキストプロンプトから数秒で信じられないほどリアルな動画を生成する機能に加えて、静止画をプロンプトとして受け入れるようになったと発表した。

ユーザは Runway の webサイトにアクセスし、「try Gen 3-Alpha」をクリックするだけで、画像をアップロードしたり、テキストプロンプトを入力したりして、5秒または10秒の長さの新しい AI 動画生成を指示できる画面に移動する(長さはユーザが選択)。10秒の生成動画には Runway の有料プレイ契約またはサブスクリプション契約で40クレジットが必要で、5秒の生成には20クレジットが必要となる。

新モデルの驚くべき速さと品質の高さ

私の個人 Runway アカウントで簡単にテストしたところ、速度(提供した静止画から動画を生成するのに1分もかからなかった)と品質の両方に個人的に驚かされた。私が提供した静止画(別の AI サービス Midjourney で生成)と Runway Gen-3 Alpha で作成した動画は以下に埋め込まれている。

安全対策の実施

このモデルは、露骨な静止画像や政治家などの著名人からの動画作成を自動的に検出し、ブロックしようとする。

この機能は週末に一部の Runway サブスクライバーに早期にオンラインで提供されたが、すぐに取り下げられ、今日再び公開された。

初期の例が豊富に

Runway は X アカウントで、Gen-3 Alpha モデルで静止画から生成された10の興味深い動画も紹介した。

Runway は次のようにツイートしている。「画像から動画への変換は、生成物の芸術的なコントロールと一貫性を大幅に向上させる主要な更新です。」

Runway の共同創業者兼 CEO の Cristóbal Valenzuela 氏は、自身の X アカウントで「時は来た」という簡単なフレーズに続いて、自身の画像から動画への作品を投稿して新機能を紹介した。

動画 AI 競争は接戦、ゆくえは訴訟次第

Runway は、モデル「Sora」持つ OpenAI、「Kling(可霊)」を持つ Kuaishou(快手)、「Dream Machine」を持つ Luma AI、自社名を冠したモデルを持つ Pika など、高速で高品質な生成動画をユーザに提供しようとしている複数の企業の1つである。

しかし、OpenAI の Sora は現在も非公開のままであるのに対し、他のモデルは一般のユーザがアクセスして使用できる。

Runway の新しい静止画から動画への更新により、ユーザがハリウッド品質の動画をその場で作成する新たな方法が約束されたことで、映画製作と動画制作の分野全体がかつてないほど変革されていることは明らかだ。

しかし、裁判所は、著作権で保護された資料の権利所有者や不満を持つアーティストの要請に応じて、イノベーションを抑制するだろうか?

結局のところ、Runway は、AI 企業による一般的な慣行——明示的な許可、承認、補償、または同意なしに公開された資料(著作権で保護された資料を含む)のスクレイピングとトレーニングを行うこと——が著作権法違反であると主張するクリエイターらによって集団訴訟で訴えられている複数の AI 企業の1つである。裁判所がこの問題についてどのように判断するかが、AI 動画とクリエイティブツールの現在と未来に大きな影響を与えることは間違いない。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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