メカノケミカル有機合成技術で脱炭素化推進、北大発メカノクロスが2億円をシード調達——量産体制構築・欧州進出を本格化

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Image credit: Mechanocross

メカノケミカル有機合成技術を活用し、有機合成プロセスの革新を目指すメカノクロスは26日、シードラウンドで2億円を調達したと発表した。このラウンドにはインキュベイトファンド、北洋銀行、QB キャピタルが参加した。

メカノクロスは2023年11月創業。創業メンバーには、北海道大学の伊藤肇教授と久保田浩司准教授が含まれており、両氏の研究成果が同社の技術の基盤となっている。

メカノケミカル有機合成技術は、従来の溶媒を用いた有機合成反応と同様の反応を、溶媒を極少量に削減することで実現する革新的な技術である。同社は、この技術を社会実装することを通じて、化学プロセスの脱炭素化を目指している。

特に、医薬品や化学材料の合成において、この技術は従来の溶液反応と比較して生産性が高く、二酸化炭素排出削減にも顕著な効果があるとされる。また、設備投資が少なく、溶媒を使用しないために設備自体がコンパクトであり、これまで難しいとされていた不溶性材料の合成も可能にするという。

同社は、2030年までに従来の化学合成プロセス全体の10%をメカノケミカル有機合成手法に置き換えることを中期的な目標としている。短期的には、低分子医薬品や化学品、半導体、ディスプレイ、電池材料などの高機能製品の製造プロセスへの導入を目指しており、特に欧州を中心に営業活動を加速させる予定である。

現在、同社は国内外の製薬・化学メーカーと協力し、メカノケミカル有機合成プロセスの導入実証を進めている。脱炭素対策やコスト削減の面で優位性を持つこの技術は、多くの化学合成を用いるメーカーから高い関心を集めているという。

今後は、メカノケミカル有機合成の量産化技術を確立し、企業のプロセス導入をサポートしていく方針だという。これまでに達成した技術的成果を基に、さらなる技術開発と市場拡大を目指し、脱炭素社会における化学合成のデファクトスタンダードを確立していくことを目指すとしている。

via PR TIMES    Summarized by ChatGPT

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