中国のテック業界向け投資、第1四半期は前年比マイナス31.3%の大幅ダウン——新型コロナウイルスの影響で

SHARE:
オーダーを待つフードデリバリサービス「Meituan(美団)」のドライバ
Image credit: TechNode/ Shi Jiayi

最近のレポートによると、中国のテクノロジー業界への VC 投資は以前から減少傾向にあったが、今回の新型コロナウイルスの影響がさらなる拍車をかけ、2020年第1四半期の投資規模は昨年の同時期と比べ31.3%下落したという。

重要視すべき理由:このデータは、現在の中国の VC が、今後の新型コロナウイルスによる中国経済への打撃を考慮し、新しい投資を敬遠しているという事実を示している。

  • 北京拠点の VC である Unity Venture(九合創投)の投資担当バイスプレジデント(副総経理) Xu Miaocheng(許妙成)氏は Technode (動点科技)の質問に対し、VC からテック企業への資金提供が激減しているのは、新型コロナウイルスの流行の中で新興スタートアップの数が減少していることに加え、VC 自身もより慎重になっていることが原因であると語っている。

この2年間ですでに新興テックスタートアップの数は落ち込んでおり、新型コロナウイルスの流行で、第1四半期にはその数はさらに減少している。このような状況下で、VC はこの1~2年間続いていた保守的な投資戦略になお固執している。(Xu 氏)

詳細情報:Itjuzi.com(IT 桔子)の最近のレポートによると、中国のいわゆるニューエコノミー部門への投資は、昨年の第1四半期は1,736億人民元(約2兆6,600億円)だったのに対し、今年の第1四半期は1,191億人民元(約1兆8,400億円)だった。

  • 同レポートによれば、ニューエコノミー部門とは、通信、バイオテクノロジー、インターネット関連サービスなどのテクノロジードリブン型産業など。
  • また、ニューエコノミー企業への VC の出資件数も、昨年の第1四半期は1,143件であったのに対し、今年の第1四半期は634件に減少している。
  • 中でもバイオテクノロジー分野が最も多くの VC 資金を集めており、投資件数40件で合計117億人民元(約1,790億円)を調達している。
  • 同レポートによれば、この第1四半期にテクノロジー部門で新たに設立された新興スタートアップの数は100社未満で、そのほとんどが1月に設立されたものだったとしている。

背景:中国のテックスタートアップはこの1年間、「キャピタルウィンター(資本の冬)」として知られる資金調達難の時期を経験しており、投資や資金調達活動が大幅に鈍化している。

  • Crunchbase Newsの12月のレポートによると、2019年の年初から11月中旬までの中国企業への VC 投資は356億米ドルで、2018年の同時期の934億米ドルから減少している。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する