1800万DLの「CocoPPa」プロデューサーがプロフ交換サービス「iam」でスタートアップーー「メンバーには今年に全てをかけるといってあるんです」

Takeshi Hirano by Takeshi Hirano on 2014.1.24

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興味深いニュースをお届けする。ポイントはふたつだ。

ひとつ目のポイントはちょっと無謀とも思える意欲的なサービスのこと。もうひとつはこの無謀な挑戦に身を投じる新たなスタートアップについての話だ。少しお付き合い頂きたい。

スマホ時代のプロフィールカード交換サービス「iam」

CocoPPaの躍進で勢いに乗るユナイテッドの子会社、フォッグは1月23日、プロフィールカードの交換サービス「iam(アイアム)」を公開した。iamはソーシャルや電話番号など、個人に紐付く様々なプロフィール情報をひとまとめにし、同アプリを持つユーザー同士で交換ができるサービス。iOS(6.0以上)に対応しており、利用は無料だ。

なお、フォッグはユナイテッドが開始する独自のスタートアップ支援制度「U-Start」適用の第1号子会社で、2013年6月に設立、ユナイテッドが株式の66%、代表取締役となる関根佑介氏が34%を保有している。

さて、サービスの話題に戻ろう。ここまでの情報で既視感ありまくりの方も多いかもしれない。

過去この手のプロフィール交換やおまとめサービスは山のようにあった(今もある)。数ある中でも特にBumpは使ったことのある人も多いだろう。2008年10月にローンチしたこのアプリは2013年9月にGoogleに買収され、同年の12月末に閉鎖を発表したことで記憶に新しい。

ここ数年で考えても、国内ではEverconnectというスタートアップもいたし、Sansanのような名刺のアプローチもある。散乱するプロフィール情報のおまとめや交換というテーマに挑戦する人の話を聞くことは本当に多いのだ。

使い方やサービスの概要についてはここには敢えて書かない。ぜひ興味ある方はDLしてその使用感を確かめて欲しい。誰でも目隠しで使えなければ最初のハードルは越えられないだろう。

では続いて、ふたつ目のポイントとなるチャレンジャーについてだ。

手嶋氏と「二人三脚で」ユナイテッドのスマホ事業を作った立役者

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フォッグの関根氏は現在、ユナイテッドを勢いづかせるあのアプリ「CocoPPa」の仕掛け人だ。同じくCocoPPaの生みの親となったユナイテッド取締役の手嶋浩己氏と関根氏はCocoPPaの原案が出た当時の会話をこう振り返る。

「(ユナイテッドの前身となる)スパイア時代、これからの時代は広告代理業では厳しく、自社サービスに憧れがありました。しかも必ずスマートフォンの波はやってくる」。(手嶋氏)

そう考えた手嶋氏はサービス開発を会社に直談判し、小さなチームを作る。しかしソーシャルゲーム全盛期、開発人材は高騰を極める。

「新卒社員をかき集めました。彼らのポテンシャルは高かったけど、自分も含めてアプリでの成功体験がない。そこで交遊のあった小林さん(連続起業家、元ノボット代表取締役の小林清剛氏)を通じて当時、独立しようと考えていたプロデューサーの関根さんを紹介してもらったんです」(手嶋氏)。

「手嶋チーム」に参加した関根氏は音楽系サービスアプリのDiscodeer(ディスコディア)をリリース。ダウンロード数180万のヒットがDeNAに評価され、関根氏は出向という形でDeNAの新サービス「Groovy」に携わることとなった。(DeNAの音楽サービスGroovyはDiscodeerがベースになっていた)

「でも、まだリソースは余っていたんですね。そこで、何かやろうよとアイデアを出してもらうんですがl、キャラ弁コミュニティとかちょっとピンとこなかった。そこである日の会議に関根さんを投入したんです」(手嶋氏)。

このミーティングはたった1時間、手嶋氏は何かの会合で欠席。しかしここでCocoPPaの原案は生まれる。

「女性中心のチームだったので、エステとかヘルスケア系のアイデアは多かったですね。しかも私は女性メディアを作ったことがないし、手嶋さんには突然頼まれるしどうしようかと(笑。

とにかくこれまでやれなかったことを探しました。そこでふと、ミクシィってコミュニティが楽しかったのですが、そこのアイコンが可愛いよねっていう話になって」(関根氏)。

iOSはホーム画面を自由にいじりにくい。当時、そのアイコンのURL変換スキームについて調査をしていた関根氏はアイコンなら簡単に変えられることに気づき、さらに女性メンバーたちの「投稿型コミュニティ」というアイデアと合わさって、あっさりCocoPPaの原案はできた。

任せっきりにした手嶋氏はこの後、全世界1800万DLというCocoPPaの爆発をみることになる。ーーこんな流れで手嶋氏と関根氏の二人はユナイテッドのスマホ事業の屋台骨を作ることとなった。

2014年5月末までに130万DLを目指す。「今年に全てをかけます」

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話をiamに戻そう。さて、少々厳しい言い方かもしれないが、今更感の強いプロフィールまとめサービスがうまく立上がるのだろうか?

これはもう結果しかないわけだが、さすがは2本連続でヒットを出しているチームである。しっかりと基本は押さえていた。関根氏は続ける。

「変えたいのはつながりの複雑化と紙の無駄。iamは人が持っているいくつかの顔を表現できるよう、色々なプロフィールを作って、それを選んでもらえるようになってるんです」(関根氏)。

例えば、この人にはTwitterは教えたいがLINEは嫌。そういうちょっとしたリクエストに応えた「変化」を加えている。また、こういうサービスはBump同様、「相手がアプリを持っていないと成立しない」というハードルもある。

「最初の拡大については極端にターゲットを絞り込みました。大学生です。彼らはカスタマイズ性の高いサービスを求めていました」(関根氏)。

これまでに1,000人近くの大学生にテストを重ね、ステルスモードから今日、解禁となる。「プロフ交換バイラル」を作る最も有効な方法は時限URLによる情報交換らしい。

インタビューの終わり、関根氏にいわゆる社内ベンチャーというのはぬるくてうまくいかないのでは?という意地悪な質問を投げたが、「メンバーには今年に全てをかけるといってあるんです。(成功しなければ)来年はないよと」と、肉食系の回答をしてくれた。5月末までに大学生の6人に1人が持っている状況になる130万DLが最初の目標地点となるらしい。

さて、爆発は起こるのかどうか。ここに私のiamカード(このURLは24時間しか使えない!)を貼っておくので、興味ある方は交換させてほしい。それで様子をみるとしよう。

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Takeshi Hirano

Takeshi Hirano

ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現THE BRIDGE)を共同創業。1977年生。(株)THE BRIDGE代表取締役

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