自動運転車のトレンドーーテック業界と自動車業界がより近くなる未来へ

by Paul Sawers Paul Sawers on 2016.7.18

Image Credit: Google
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2016年は自動運転車飛躍の年として歴史に刻まれるだろう。

自動運転車の歴史は数十年前にさかのぼる。カーネギーメロン大学ナビゲーション研究所は1980年代、自動運転技術の開発に取り組んだ。世界初の自動運転技術テストは1994年、メルセデスの1,000キロ走行で行われた。近頃では、テック企業と自動車メーカーが自動運転技術分野へこぞって参入している。

今週、中国のテック大手Alibabaと中国最大の自動車メーカーSAIC Motor Corpは新しい自動運転技術に向けたコネクティッドカーを発表した( 編集部注:原文掲載7月9日)。「このプラットフォームから自動運転テクノロジーが生まれる日は近いです」。AlibabaのCTO、Wang Jian氏はこう話した。

同日、韓国のLG Electronicsはホームセキュリティシステム、ホームライティングシステムなどさまざまなデバイスと車を繋ぐことができる新たなコネクティッドカープラットフォームでVolkswagenと提携することを明らかにした。しかし、これも自動運転車テクノロジーに寄与する要素のひとつだと考えられる。自動運転車は外の世界と連動する必要があるのだ。

これは近年の大きなトレンドだ。従来の自動車メーカーと最前線を行くテック企業のスマート技術は互いに寄与している。

今年は有力な業界大手が提携を行い、自動運転車に関する新たな取り組みに関わっている。BMWはIntel、Mobileyeと提携して2021年までに完全自動運転車を生産することを発表した。General Motors(GM)はLyftに5億米ドルを投資した際、自動運転車の計画を明らかにしている。トヨタは自動運転車製造に向け50人体制の研究所を設立し、自動運転車の路面テストを開始したUberに戦略的投資を行った。中国のインターネット大手Baiduは中国における多数の自動運転車構想でBMWと提携した直後、シリコンバレーに自動運転車専門部門を新たに設けた

Googleの取り組み

Googleは何年もの歳月を自動運転車に費やしており、参入者の中でおそらく最も進化したステージにあると言えるだろう。Googleは自動運転車の試作品の開発にこぎつけてはいるものの、自動車メーカーの協力によるところが大きく、トヨタのプリウス、Audi TT、Lexus RX450hにはテクノロジーを提供している。

今年、Googleはさらに「数十台」の自動運転車を開発するためFiat Chryslerと提携した。提携発表時、Fiat ChryslerのCEOであるSergio Marchionne氏はGoogleとその他テック企業を「競合ではなく、自動車産業の新たなフェーズに向けた協力者」と語った。

また、Google自動運転車部門チーフのChris Urmson氏は昨年、「自動車を作るのは本当に大変な仕事で、自動車メーカーにはそのノウハウがあります。ですので、提携先を見つけることが解決策につながると思います」と話している。

しかし、テック企業と自動車メーカーが高速道路を安全に走ることのできる自動運転車に必要な分野すべてを模索する中、こういった提携は短期的なソリューションに過ぎないようだ。他の例を挙げると、Googleは自社ブランドのAndroid Nexusを広めるため、ハンドセットメーカーと提携してきた。

ただし、同社はまもなく独自の携帯電話開発を始めると言われている。それは当然の流れであり、Appleが携帯電話やパソコンの分野で駆使したアプローチである。ひとつの会社でソフトウェアとハードウェアを作ることができれば、ユーザにスムーズな体験を提供することが可能だ。

Googleは過去、自社の車を販売したり市場に出したりするつもりはなく、試作品にはマニュアルブレーキ、ハンドル、アクセルがついておらず、まだ学習段階だとしてきた。試作品といえば、昨年カリフォルニア公益事業委員会でGoogle Xの政策部門チーフSarah Hunter氏はこう話している。

「私どもは…数百台制作しています。弊社チームが完全自動運転車を実際に作れるようになるためです。」

Googleは自社の自動車メーカーGoogle Auto LLCを所有しており、カリフォルニアで登録される改良型自動運転車Lexusの製造元とされているのは実際この企業だ。誤解のないように言っておくが、Googleは最終的に自動運転車計画を完全に支配し、自社製自動車の開発と販売を行うつもりだ。もちろん、最新の自律スマート機能を装備するためサードパーティの自動車メーカーとも協力していくだろう。消費者にとっても、選択肢があるのは良いことなのだ。

自動車メーカーとテック企業の相乗効果

自動車会社とテック企業の提携により相乗効果がもたらされているのは確かなことだが、今後の展開を予期する面もある。

前述の通り、トヨタはアメリカで自動運転研究所を設立し、Chevrolet、Buick、Cadillac、Vauxhallに続き100年の歴史を誇るGMは自動運転車スタートアップCruise Automationを10億米ドル以上で買収している。トヨタはGoogleのロボティクス部門トップを自社内AI部門リーダーとして招き入れた。

その他、Jaguar Land Roverはテクノロジーに特化し、モダンインターネット時代に向けた新たなスタンドアロンベンチャーinMotionをローンチしている。自動車メーカーがテック企業ともなり得ることを証明したElon Musk氏のTeslaも忘れてはならない。

初期段階において提携は好ましいことだが、今後期待できるのはコンバージェンスだ。テック企業は自動車メーカーとなり、自動車メーカーはテック企業となっていくだろう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat
【原文】

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