ロボットが食事を届けてくれる世の中になる、その具体的な方法とは

by VentureBeat ゲストライター VentureBeat ゲストライター on 2017.3.20

781f4697de4bdcc1a00ef4d5bbe275d1
Image via Attribution Engine. Licensed under CC0.

米国では食品関連事業が6,500億米ドルもの大市場を形成している。ロボットではなく生きた人間である以上は食べ物が必要なので、これはたいして驚いた話ではない。食品関連事業が大きなマーケットであり続けることは暫く変わらないだろう。 しかし、食料品や加工食品の入手方法は変化する可能性が高い。

現在、消費者は平均して週に1.6回スーパーマーケットに行き、1回約32米ドルまたは1週間に51.20米ドルを食料品に使う。1回のスーパーマーケットへの往来に30分かかるとすると、1週間につきの仕事の時給の0.8倍の労力費用が発生する(現在の米国大卒者の給料を時給に直すと平均24米ドル程度)。つまり、自分で食料品を買いに行く作業にかかるコストは基本的に商品の値段の37.5%といえる。

食料品を買いに行くという退屈で反復的な作業が消費者の人数だけおこなわれていると考えると、Instacartのような食料調達を業務とするスタートアップ企業が20億ドル以上の評価を得たことは驚きではない。

食料品調達を事業とするスタートアップ企業は非常に人気がある。さらに、食料品調達を事業とするスタートアップの業務自体を支援するスタートアップも存在する。これらの動きは消費者にとって、もう自分で買い物をする必要がない状況が近づいているという良いニュースだ。

しかし、これらのサービスにも欠点はある。注文した食料を受け取る際には、追加の依頼などができない。そして大抵の場合は最小注文量が決まっていて、今すぐにアイスクリームが欲しいとどんなに希望しても応じてはくれない。

とはいえ、アパートを出ることなく2分以内に食料品を手に入れることができたらどうなるだろうか。

—他のビール? 今度は、さっきのラガーよりもアンバーを試しては?

ちょうど開けたばかりのDoritosのチップにはワカモレソースがすごく合うと思う!

日曜日の朝、パンケーキの材料の卵がないことに気づいたら? —

そんな時にボタンを押すか「Alexa、ビールを調達してくれる?」と言うだけで食料品がすぐに玄関のドアまで届けられたらどうだろう?

今後は開発が進んだロボットの信頼性が高く、安価で効率的なサービス提供により上記のような要望やもっと多くのことも5年程度で可能となるだろう。

自動化された「ボット・マート」は、食料雑貨品の小売業や住宅不動産管理会社によって運営されるだろう。建物に専従する配達ロボットは、地下室の冷蔵庫の棚から品物を取り出し、上層階のアパートの住人に届けることができる。電磁波ID認証(RFID)ベースの決済システム、冷蔵庫との間での積み出しと積み下ろしのメカニズムや在庫を最適化して管理を補充するAIアルゴリズムを用い、配送ロボットは建物の住民に食料品を自分自身で管理して提供する。(打ち明けるが、私はロボット配送会社に勤務している。マンションには配送サービスを提供しているが食料品は取り扱っておらず、自動冷凍や補充も行っていない)。

これらのミニ食料品店は、組み込まれたソフトウェアにより特定のアイテムの需要を追跡できるため、必要に応じて自動的に品物の補充注文することができ、無駄を省くことができる。実際、ほとんどの消費者は食料品の購入習慣を頻繁に変えることはないため、システムは住民の食べ物や飲み物の好みを早めに感知し、常に彼らのお気に入りの品物を保管しておくことができる。これは食料を何度も買い出しに行かなくても、常に冷蔵庫は満杯であることを意味する。

このようなシステムが整えば、レストランの料理配達の自動化やオンデマンドの自動調理機に拡張利用できないわけがない。自動調理ロボットに任せると、ハンバーガーピザサンドイッチコーヒーなどある決まった食事を準備することができるというように。

人間のシェフから研修を受けて普通に料理する調理ロボットを開発しようという試みもある。 「ボットマート」と合わせるとこれらのロボットの活躍により、住民に温かい食事をも提供することができる。

唯一残る疑問はこのためのビジネスモデルがあるかどうかだろう。このサービスにおける主なコスト要因は、現場の棚の補充になると考えられる。また利益は、住民が払う毎月の共益費に含められる可能性がある。買い物に行く労力費用を考えると、住民1人あたり1週間に20ドルまで取れるはずだ。 (毎週時給24米ドルで週0.8時間を買い物に費やしている計算)この計算から推測するとフロアあたり4戸20階建ての高層マンションでは、1週間に1600米ドルの収益が得られる。このサービスをさらに重要視する高所得層の住民相手には、この想定よりも多く請求できるだろう。

初期時点では高層ビルだけの利用価値かもしれないが、食料品配達の自動化は一戸建て住宅にまで広がる可能性がある。そのためには近隣に点在する自動冷凍庫から食品を供給できる、安全な屋外配送ロボットが必要だ。自動運転車や自動運転トラックは食品補充作業を自動化し、そのコストを最小限に抑えることができる。自動化が進むことで最終的には便利なだけでなく、自分で買い物をするよりも安く食料品を買い付けることが出来るようになるだろう。

ロボット配達における技術革新のスピードはますます高まっている。スタートアップはインドアあるいはアウトドアの両方で、消費者にとって便利で新しい収益性の高いアプリケーションを発見し始めているのだ。これは、倉庫の物流ホテルのルームサービス運送サービス病院の薬血液の集配送、またビールの配達にまで及ぶ。

この技術が最終的に物流市場を再編成するようになるのは先の話ではある。しかし、ひとつ明確な点としては消費者が欲しいものを今まで以上に簡単に入手できるようになることだろう。

WholeFoods(アメリカでポピュラーなスーパーマーケット)へのドライブ、場所の空きを探してグルグル駐車場内を回ったり、商品を1個ずつ選んだり、長いレジ待ちの列にカートを並べたり、食料雑貨を家に持ち帰ったりするのを楽しんでいる人もいる。 しかし、私はほとんどの人が食料雑貨の買い物は雑用と思っており、ロボットにやらせることだと思うようになることに賭ける。そんな未来は遠くはない。

編集部注:Christian Fritz氏はリレー自律型屋内配達ロボットのメーカー「Savioke」のロボットアプリケーション開発チームリーダーである。

【原文】

【via VentureBeat】 @VentureBeat

ニュースレターの購読について

毎日掲載される記事の更新情報やイベントに関する情報をお届けします!




----------[AD]----------