タイのフィンテックスタートアップStockRadars、ICOで1,200万米ドル相当を調達へ——プロの仮想通貨トレーダーの取引事例を完コピ投資可能

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StockRadars CEO Teerachart Max Kortrakul 氏

プレス声明にあるように、タイの株式取引・アナリティクスのスタートアップである StockRadars は、1,200万米ドルの調達に向けて3月にイニシャル・コイン・オファリング(ICO)を実施する予定。

調達した資金は分散化ソーシャルトレード・プラットフォーム「CoinRadars」の開発や、地域内外への事業展開に活用するとしている。

採掘前の1億2,000万Carboneum(C8)トークンが販売される予定で、C8のプレセールは3月22日に始まり、一般向け販売は4月22日に実施される。

同社 CEO の Teerchart Max Kortrakul 氏によると、このプラットフォームは当初、デジタル資産と仮想通貨の取引専用で利用される。規制の枠組みで同社のコンセプトが対応するようであれば株式など他の金融商品も含められる予定だ。

ソーシャルトレードとは、ユーザが中央集権型プラットフォームを活用してフォローするプロのトレーダーを選び、一流トレーダーたちが実行した取引を自分のアカウントで自動的に複製できるという投資コンセプトである。初心者向けの投資プロセスが簡単になり、アマチュアトレーダーにとっては仕事の機会が与えられる。

同社によると、CoinRadars の手数料体系は他の従来型ソーシャルトレード・プラットフォームと異なるという。手数料は、複製取引によって利益をあげた場合のみユーザに請求される。

StockRadars のアプリはすでに68万回ダウンロードされたほか、現地および地方のブローカー10社がパートナーとなった。さらには LINE Thailand と提携して「LINE Finance」というサービスを開発し、約500万ユーザを獲得した。同社のテクノロジーと、Krungsri、Yuanta、Globlex といった大手ブローカーとの提携のおかげで、LINE ユーザはアプリ内で株式を売買できるようになったという。

さらに StockRadars は、タイの投資コミュニティ Long Thoon Man とジョイントベンチャーを組み、Bloomberg と提携したことも発表した。

StockRadars は2016年に、CyberAgent Ventures や多数のエンジェル投資家がリードするラウンドで資金を調達した500 StartupsEast Ventures も同社に投資している。

「Social Travesting」という取引・投資プラットフォームを提供するシンガポール拠点の CopyCash Foundation も、同じようなビジネスモデルを用いている。ユーザは、CopyCash コミュニティにいるトップトレーダーの取引を複製することで外国為替、仮想通貨、インデックス、株式の市場に参加できる。

最近、マレーシア証券委員会(SC)は CopyCash に対して、噂されていた国内での ICO 開始計画を含むすべての提案活動を中止・中断するよう指導した。この動きは、同委員会による調査結果を受けたものだ。それによると、CopyCash が潜在的な投資家向けに発行した報告書や文章の表現が、同国の証券取引法で定められている関連要件に違反していた可能性が高いことが判明したという。

【via e27】 @E27co

【原文】

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