アジアで独自の集金システムを築く携帯SNS「mig33」

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

アジアで起業するのなら、素晴らしいプロダクトを作るだけではダメだ。最も大事なのはお金、そしてそれをどう稼ぐのかを知っておく必要がある。

アジアでオンラインビジネスをしている人たちにはたくさんの制約がある。オンラインでの支払方法として一般的なペイパルやクレジットカードは、インドネシア、アフガニスタン、バングラデシュ、ネパールなどではあまり使われていない。この地域のeコマーススタートアップたちは、しばしばこのことに不平をもらす。

だからと言って世界が終わるわけではない。しかしこれらの支払方法の問題のせいで、多くの会社は新しい集金システムを作らざるを得ない。

mig33の成功例を見てみよう。先日シンガポールで行われたファウンダーズ・ドリンク(訳注:スタートアップ・デイティングでもアドバイザーを務めてもらっている Jeffrey Paine 氏らが共催するミートアップ)で、mig33の営業担当副代表のクリス・チャンドラー氏が、この地域でどのように集金方法を確立したのかを発表した。知らない人のために説明しておくが、mig33とは5千万人以上のユーザを持つ携帯SNSである。インドネシア、ネパール、アフガニスタンなどの国にユーザが多い。ユーザの半数以上はインドネシア人である。mig33のユーザはチャットやゲームをしたり、時にはカップケーキ、バラ、ぬいぐるみなどのバーチャルグッズを買って友達にプレゼントすることもできる。

支払いの際、クレジットカード情報もしくはペイパル・アカウント(明らかにこの方法では無理っぽいが)を入力するように促す代わりに、mig33では意欲的なマーチャントと呼ばれる人々に、クレジット・ポイントを配布してもらっている。

集金システムは次の通りだ。

  • マーチャントのAliは、mig33からクレジットを購入。この時点で既にmig33には入金がされる。
  • ユーザであるBillyが携帯SNS上でバーチャルのカップケーキを購入する場合、Billy はAliからまずクレジットを購入し、Aliに現金で支払いをする。
  • Aliはその場でmig33とBillyのそれぞれのアカウントに、相当分のクレジット・ポイントを送る。
  • Aliは、販売したクレジット・ポイントの30%にあたる配当金を笑顔で受け取り、mig33から再度クレジット・ポイントを在庫として購入。このサイクルがほぼ永続する仕組みとなっている。

チャンドラー氏はまた、このシステムがマーケティング・チャネルとしてうまく機能していると考えている。このシステムによってマーチャントは意欲をかきたてられ、さらに多くのクレジット・ポイントを販売しようと試み、彼らはmig33についての噂を広めてくれ、その結果、より多くのユーザをこの携帯SNSに誘致してくれるわけだ。

mig33は独自の集金システムを作り上げ、その中でマーチャントは実際にクレジット・ポイントを販売するだけで、毎月のさまざまな請求に支払いができているのだ。チャンドラー氏は、インドネシアのあるマーチャントは、3年以上にわたり mig33 と協業しており、4万5千ドルもの売上を上げているという。別のロシアのマーチャントは、学校に通いながらも毎月500~800ドルの売上を稼いでいる。

チャンドラー氏は、mig33 がこれまでに3000万個以上ものバーチャル・グッズを販売したとのべ、アジアのギフト交換文化が販売数に大きく貢献していると説明した。誰かからカップケーキを受け取った人は、自分も1つ購入し、カップケーキをくれた相手になんらかのグッズを送り返す義務があると感じるのだろう。

最後に、チャンドラー氏はファウンダーズ・ドリンクに参加した起業家たちに対し、問題を恐れるのではなく、市場が直面している問題に対して創造力を持って解決方法を考えるべきだと述べた。

【via Penn Olson 】 @pennolson

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