Yun.io(雲諾)は中国のDropboxとなるのか—クラウドストレージ・ブームの到来

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【翻訳 by Conyac】 【原文】

クラウドストレージは今やとても便利になった。あるコンピュータから他のコンピュータへファイルを転送するときに、USBメモリや大きなハードディスクドライブなどのポータブルストレージデバイスを取り出さないといけない日々はもう過去のものだ。Yun.io(雲諾)という上海に拠点を持つスタートアップが、中国国内向けにクラウドストレージサービス、つまり中国版Dropboxを本格的に開始した。

ちょうど昨夜(11月24日)、私のガールフレンドが宿題をしないといけなかったので、自分のアカウントへあるファイルをDropboxからダウンロードした。そのまま私のところで宿題ができたので、「Dropboxはなんて便利なの!」とうれしそうにしていた。Dropboxは40億ドルの資産価値があるY-Combinatorのスタートアップだ。Dropboxが中国では禁止されているのは(編注:GreatFireWall により遮断されている)、中国にとって問題というかチャンスなのだ。

中国でこのクラウドサービスは新しいものではなく、この注目を集めている業界ではユーザを獲得しようとすでに大手数社が参入している。Baidu(百度)がモバイルクラウドコンピューティング部門を立ち上げ中であることは以前伝えている。Shanda(盛大)でもShand Noteというクラウドストレージやファイル転送サービスを開始している。また以前にはニューヨークにあるmin.usという違った形の高速ファイル転送サービスをしている企業について記述した。

Yun.ioはDropboxと多くの点で同じように動作するものであり、パソコンにソフトウェアをインストールする。パソコン上にフォルダを作り、ハードディスクにそのフォルダがあるように見えるが実は仮想クラウドに存在するのである。他のコンピュータやモバイル機器からそのフォルダにもう一度アクセスしたいときには、Yun.ioのアカウントでログインするだけで簡単にアクセスができる。


このように、Yun.ioを使えばどこでも好きなときに自分のファイルを見ることができる。こうしておけばファイルにアクセスするのにとても便利だし、USBやポータブルハードディスクにファイルを転送するのを忘れた場合でもとても助かる。それに大きなサイズのファイルをメールで送ってパソコンが固まってしまうのも避けることができる。コンピュータがなくなったり、壊れたりした場合には他の機器からファイルを容易に取り戻せるので安心だ。

Yun.ioは、人々が簡単なリンクを作成することによって他の人にアクセスできるようにし、ファイル共有をよりソーシャルにしている。例えば、QQのRenRen(人人)で話している時、あなたがリンクを投稿すると、人々は膨大なファイルを転送したり、帯域幅をいっぱいにすることなく、 すぐにファイルをダウンロードすることができる。Yun.ioはMac、Windows、Linuxのクライアントが利用できる。また、AndroidとiOS向けのモバイル版はもまもなくリリースされる。現在はまだベータ版だ。

しかしながら、クラウド記憶にはリスクも伴う。「物理的に」あなたのデバイスに記憶するのではなく、変わりに「クラウド」に記憶するなら、それを実際に管理したり、他の人々がそれにハッキングするのを止めるのは誰か? 去る2011年6月、DropBoxにパスワード無しで誰のアカウントにでもログインできてしまうというセキュリティ問題が生じた。サードパーティーを信じて、そのサービスにあなたの個人情報を任せるのに、このようなことは考えるだけで恐ろしい。

Yun.io の背後にいるチームは、クリス・マシューズとリック・オルソンだ。クリスは中国系アメリカ人、リックは内面がとても中国人的なアメリカ人だ。2001年、19歳の時にクリスは最初の自分のウェブ会社を設立し、その後中国へ渡って復旦大学で経営学修士号を取得した。リックは驚くべきことに7歳からプログラミングを始め、13歳のときにはハッカーになっていた。彼は幾つかの大手ウェブ会社の技術者として働いた経験がある。

この2人は2年前から、彼らの他にあと2人をメンバーにいれてYun.ioの運営をアパートの一室で開始した。多くのスタートアップ同様、彼らは何回か後退を経験したが立ち直ってきた。デモを作ったあと、彼らは資金を探し、ついに7月にいくらかを調達することができた。この資金は彼らの才能あるチームを13人にまで増やすために使われた。

多くの人にとって、「クラウド」のコンセプトをつかむことは難しい。それが何なのかをより深く見極めるには、TechNode Collide Conferenceの中国クラウド推進部門で我々が書いたいくつかの投稿をご覧いただきたい。スタートアップが早い時期にクラウドサーバをどう考えるべきかについてChinaNetCloudのジェームズ・エロンが説明している。

【via Technode】 @technodechina

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