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Startup Asia Singapore 2014で披露された、今年有望なスタートアップ10社を一挙ご紹介

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さて、先週お伝えした GMIC(Global Mobile Internet Conference/全球移動互連網大会)の G-Startup 登壇のスタートアップに引き続き、今週は5月7日〜8日に開催された Startup Asia Singapore のピッチ・セッション Startup Arena に登壇したスタートアップ10社を取り上げる(授賞式の模様は、この記事に書いた)。 なお、Sta…

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さて、先週お伝えした GMIC(Global Mobile Internet Conference/全球移動互連網大会)の G-Startup 登壇のスタートアップに引き続き、今週は5月7日〜8日に開催された Startup Asia Singapore のピッチ・セッション Startup Arena に登壇したスタートアップ10社を取り上げる(授賞式の模様は、この記事に書いた)。

なお、Startup Asia は今年初となる Startup Asia Tokyo を9月3日〜4日に開催予定だ。ピッチ・セッションへのエントリ、一般参加へのエントリはこちらから受け付けている

【優勝】Bindo(香港/NY)

Bindo はクラウド・ベースのPOSシステムで、小売店が実店舗のみならず、Eコマースでも商品が販売できるようにするプラットフォームだ。商品管理、商品検索ほか、在庫管理も含めて、オンラインの店舗と、オフラインの店舗を一元管理できることが特徴だ。今回の Startup Arena でのピッチをきっかけに、East Ventures から180万ドルを調達したことでも話題になった。

シボレー賞、Jungle Ventures 賞】Astroscale(シンガポール)

Astroscale は神戸出身のシリアルアントレプレナー岡田光信氏がローンチしたスタートアップだ。会社はシンガポールに登記されている。宇宙空間には、ロケットや人工衛星などの破片がスペース・デブリ(宇宙ゴミ)として多く漂っている。映画「ゼロ・グラビティ」でもテーマとなったように、スペース・デブリは、既にある国際宇宙ステーションや人工衛星の脅威になりかねない。小さな宇宙船(1.5メートルとのこと)を打ち上げ、これを用いて比較的大きなスペース・デブリ300個を大気圏に突入させて燃やしてしまおうというプロジェクトだ。

Global Brain 賞】FaceRecog(シンガポール)

FaceRecog は屋外広告などに付けられる小型のデバイスで、広告の前を通過した人の眼を認識し、年齢、性別、人数等を認識することができる。デバイスで得られた情報はウェブAPIで転送されるので、リアルタイムで Google Analytics で閲覧することができる。


AsliGoli(パキスタン)

AsliGoli は医薬品のトレーサビリティを提供する。以前、パキスタンのインキュベータ Invest2Innovate(別名i2i Accelerator)から輩出されたスタートアップの一つとしても取り上げた

パキスタン国内で実に50%もの医薬品は未認可か基準不足の品質であり、Asli Goli はSMSを通して本格的に医薬品のチェックができる体制を提供している。特定のシリアルナンバーが付いたスクラッチラベルが提携薬局に提供される。店舗にラベル代金の請求をするため消費者の負担はなく、カラチ、ラホール、ファイサラバードの大手ドラッグストアでのテストプロジェクトが予定されている。

MergePay(タイ)

MergePay は消費者向けは、クレジットカードやスマートフォンがあまり普及していないアジア地域向けに独自に決済アプリを提供しており、銀行や電話会社のアカウントを連動させ、超音波を使ってモバイルウォレットに送金することができる。既に世界1.2万社の銀行と接続しているとのことだ。

今回は、店舗向けのツール MergePay Pulse の紹介。POSシステムや各種ハードウェアと連動、帳簿管理が簡単にクラウドで処理できるようにシステムだ。電子マネーと店舗の入出金管理のしくみを一つのプラットフォームに統合する試みは、今後の小売業界のトレンドを標榜しているのかもしれない。

HayStakt(シンガポール)


クラウドファンディング・マーケットプレイスの HayStakt では、購入希望者からのエントリにより価格が決定する。掲げられたプロジェクト=プロダクトに対して、オーダー数が最低生産ロットを超えれば、作品の制作者が生産を始め販売するしくみだ。制作者は最低価格を設定できるが、価格が注文数にあわせて変動するため、従来のクラウドファンディング・サイトに比べ、より柔軟な市場原理を取り入れたプラットフォームと言えるだろう。

Kickstarter や Indiegogo のような、相応の最低生産ロット数が求められるプロダクトに比べ、小ロット受注にならざるを得ないハンドクラフト製品のクラウドファンディングには適しているのかもしれない。

Proxperty(シンガポール)

シンガポールに本拠を置くスタートアップの多くが、市場機会を東南アジア全域に見つけている。シンガポール国内の市場ボリュームはさほど大きくないからだ。しかし、例外があるとすれば、不動産業界と小売店向けの顧客リワードプログラムかもしれない。これらの分野のスタートアップの多くは、シンガポールに根ざし、シンガポールの人々に向けてサービスを提供している。その背景には、この分野特有の地域性の高さがあるのだろう。

Proxperty は不動産屋が不動産を簡単にマーケティングできるようにするサービス。複数の不動産ポータルに横断投稿ができる。特にこのサービスが目指しているのは、不動産屋の内部でのチームのコラボレーションだ。不動産屋のエージェントはその業務の性質上、それぞれの担当者が独立的に動くことが多い。情報を共有しルーティンワークを省力化することで、より効率的な業務運営ができるのではないか、というアプローチ。

日本には、複数のEコマースプラットフォームに出店している事業者向けに、在庫を横断管理できるソリューションがあるが、不動産やホテル業界向けにも、プラットフォーム横断で情報を統合管理し、在庫を横断管理できるしくみが出てくれば面白いかもしれない。

Kairos(韓国)

Kairos は先週の GMIC の登壇スタートアップとしても紹介した。自動巻き腕時計のディスプレイにスマートフォンの着信やフィットネス情報を表示するハイブリッドなスマートウォッチ。スマートウォッチは概して単価の安いものが多い。一方、時計市場全体を見てみると、売上の多くはアナログでラグジュアリーなブランドものが占めている。そこでこれら両方の要素を兼ね備えた、ラグジュアリーなスマートウォッチを作ることで、これまでになかった市場需要を開拓しようとする試み。

StudyPact(日本)

StudyPact は、Open Network Lab から第8期から輩出されたスタートアップで、2月の HackOsaka に登壇したほか、Innovation Weekend のシンガポール予選でも優勝している

同社のサービスでは、ユーザに学習機会の達成を促し、ユーザは掲げた目標を達成できればお金がもらえ、達成できなかったらお金を支払う。例えば、1週間で2時間、英会話の勉強をすることを目標に掲げ、達成できたら5ドルもらえるように設定したとする。達成したら5ドルもらえるが、達成できなかったら5ドルを支払い、この5ドルのうち半分の2.5ドルは応援してくれた他ユーザに分配され、残りの2.5ドルは StudyPact が受け取るしくみだ。

AppVirality(インド)

AppVirality は SDKを入れるだけで、簡単にモバイルアプリのグロースハックが実現できるプラットフォーム。モバイルアプリの A/B テスティングができるほか、アプリ上でユーザに調査を実施してアプリの改善に役立てることもできる。planBCD などとも競合になり得るスタートアップが、東南アジアからも生まれたことになる。

一部筆者の推測を含むが、このアプリの想定ユーザは、モバイルデベロッパのエンジニアというよりはマーケッターであり、マーケティング部門は開発部門の日常業務に影響を与えずに、A/B テスティング、ひいては、ユーザインターフェース(UI)の変更が可能になると考えられる。つまり、この SDK を組み込んだ iOS アプリは事実上、iTunes Store の承認を経ずに UI 変更が可能になるわけで、このあたりのポリシーをどうクリアしているのかは気になる。


いかがだっただろうか。これらのチームが東南アジア各国の市場で成功することを期待したい。

次回は、5月14日〜15日に韓国・ソウルで開催された beLAUNCH 2014 のピッチ・セッションに登壇したスタートアップ20チームを紹介する予定だ。

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#StartupAsia Singapore 2014:「Startup Arena」の優勝者は、オンライン/オフラインのコマースを融合するクラウドPOSスタートアップ「Bindo」

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5月7日〜8日の2日間、シンガポールでは Tech in Asia が主催する、アジア最大のスタートアップ・カンファレンス「Startup Asia Singapore 2014」が開催された。このカンファレンスの中で、参加者の注目を最も集めるセッションが、スタートアップがピッチで凌ぎを削るコンペティション「Startup Arena」だ。 Startup Arena に参加したスタートアップ各社…

5月7日〜8日の2日間、シンガポールでは Tech in Asia が主催する、アジア最大のスタートアップ・カンファレンス「Startup Asia Singapore 2014」が開催された。このカンファレンスの中で、参加者の注目を最も集めるセッションが、スタートアップがピッチで凌ぎを削るコンペティション「Startup Arena」だ。

Startup Arena に参加したスタートアップ各社については追ってお伝えするが、審査員や聴衆の評価を得て、見事入賞したスタートアップをお伝えする。

Startup Arena 2014優勝:Bindo(香港/NY)

(副賞:現金1万ドル)

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Bindo はクラウド・ベースのPOSシステムで、小売店が実店舗のみならず、Eコマースでも商品が販売できるようにするプラットフォームだ。商品管理、商品検索ほか、在庫管理も含めて、オンラインの店舗と、オフラインの店舗を一元管理できる。

シボレー賞:Astroscale(シンガポール)

(副賞:iPad)

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Astroscale は神戸出身のシリアルアントレプレナー岡田光信氏がローンチしたスタートアップだ。会社はシンガポールに登記されている。宇宙空間には、ロケットや人工衛星などの破片がスペース・デブリ(宇宙ゴミ)として多く漂っている。映画「ゼロ・グラビティ」でもテーマとなったように、スペース・デブリは、既にある国際宇宙ステーションや人工衛星の脅威になりかねない。小さな宇宙船(1.5メートルとのこと)を打ち上げ、これを用いて比較的大きなスペース・デブリ300個を大気圏に突入させて燃やしてしまおうというプロジェクトだ。

Jungle Ventures 賞:Astroscale(シンガポール)

(副賞:VC訪問などを目的とした、シリコンバレーへの往復旅行券)

内容は同上のため省略。

Global Brain 賞:FaceRecog(シンガポール)

(副賞:東京で12月に開催される、Global Brain Alliance Forum 2014 への招待と往復旅費)

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FaceRecog は屋外広告などに付けられる小型のデバイスで、広告の前を通過した人の眼を認識し、年齢、性別、人数等を認識することができる。デバイスで得られた情報はウェブAPIで転送されるので、リアルタイムで Google Analytics で閲覧することができる。

THE BRIDGE では追って、Startup Asia Singapore 2014 のイベントレビューをお伝えする。

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Startup Asia Singapore 2014の開催が5月7〜8日に決定、Startup Arena参加スタートアップの募集も開始

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2012年、アジアのスタートアップ・ショーケース・イベント Startup Asia Singapore の第一回が開催されてから早くも3年目に突入した。このイベントを主催するのは、THE BRIDGE のメディアパートナーでもある、シンガポールのテック・ニュース・ブログ Tech in Asia だ。シンガポールやジャカルタを中心にイベントを続け、今年の Startup Asia Singapo…

2012年、アジアのスタートアップ・ショーケース・イベント Startup Asia Singapore の第一回が開催されてから早くも3年目に突入した。このイベントを主催するのは、THE BRIDGE のメディアパートナーでもある、シンガポールのテック・ニュース・ブログ Tech in Asia だ。シンガポールやジャカルタを中心にイベントを続け、今年の Startup Asia Singapore 2014 は5月7日と8日に開催されることが決まった。

Startup Asia がどのようなイベントかについては、我々の現地取材を含め、これまでの記事で確認することができるだろう。

さて、この Startup Asia Singapore 2014 の一般参加者、スタートアップ等のブース出展者のチケット予約、そして、Startup Asia Singapore 2014 内で開かれるピッチコンテスト「Startup Arena」のエントリが始まったのでお伝えしたい。Startup Arena へのエントリを除き、このイベントへの参加は有料だが、THE BRIDGE の読者には一律20%割引のディスカウント料金が適用される。(チケット購入の入力フォームで、「Enter Promotional Code」を選択、割引コード「discount20TheBridge」を投入してください。)

特に、東南アジアでのサービス展開を計画しているスタートアップは、Startup Arena へのエントリをお勧めしたい。事前審査の後、10社〜数十社のスタートアップがピッチする資格を与えられ、めでたく優勝したスタートアップには1万ドルの賞金が贈呈される。しかし、何よりも優勝者にとってありがたいのは、賞金よりも何よりも投資家から向けられる熱い視線だろう。このコンペティションで晴れて優勝の座を手に入れれば、資金調達からユーザ獲得まで、あらゆる点でメリットが享受出来るのは間違いないだろう。締切は3月31日だ。

THE BRIDGE は Startup Asia Singapore 2014 のメディアスポンサーを務めるのに加え、筆者はイベント当日、東南アジアのスタートアップの日本市場進出に関するパネルに登壇する予定なので、時間が許せば、こちらも覗いていただいて、意見をいただければ幸いだ。

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東南アジアの決済問題の解決を目指すBitcoinスタートアップ「Artabit」

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アメリカとインドネシアに拠点を置くBitcoin系スタートアップArtabitが本日(原文掲載日:11月21日)、Startup Arena Jakarta 2013のステージに立ち、Bitcoinを使って東南アジアにおける電子決済問題を解決する計画について語った。(ピッチのビデオはこの記事で見ることができる。) Bitcoinは世界中の注目を集めており、東南アジアも例外ではない。しかし、この地域…

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アメリカとインドネシアに拠点を置くBitcoin系スタートアップArtabitが本日(原文掲載日:11月21日)、Startup Arena Jakarta 2013のステージに立ち、Bitcoinを使って東南アジアにおける電子決済問題を解決する計画について語った。(ピッチのビデオはこの記事で見ることができる。)

Bitcoinは世界中の注目を集めており、東南アジアも例外ではない。しかし、この地域全体は現金が主流で新しい決済手段に消極的なため、先進的な思考の持ち主である起業家にとってはこれにどう立ち向かうかが克服すべき主要課題となっている。Bitcoinが成功するには、アクセス可能なインフラ基盤を整備することがまず必要だ。Artabitはこの問題に取り組もうとしている。設立者のAyoub Naciri氏は次のように語った。

まだ初期段階にある新しい決済システムを組み込むために時間とリソースを注ぎ込むことに躊躇いが見受けられます。これに対する私たちのアプローチはカスタマーサイドからのリクエストを最小限に抑え、簡素化することです。

同社はインドネシアおよび東南アジア市場向けにBitcoinの決済ソリューションを開発中である。Artabitが取り組む包括的なテーマは、以前はテック通のユーザしかうまく使いこなせなかったBitcoinの複雑なプロセスを簡素化し、より多くの人に利用してもらえるようにすることだ。それには3つの方法がある。

Artabitはまず、新たな決済手段としてBitcoinを受け入れることができるようオンラインショップを支援すること。

次に、Artabitがオンラインショップと顧客をつなぐサードパーティとして機能すること。Bitcoinに対応していないオンラインショップで買い物をする際、顧客はBitcoinでArtabitに支払い、Artabitがショップに現地通貨で支払うという仕組みだ。

最後に、外国人労働者がBitcoinを使って母国にお金を送るという電子送金サービスの支援をすること。送る側も受け取る側もBitcoinの存在を理解していなくても、知っていなくてもよいとAyoub氏は言う。

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ほとんどの国と同様、インドネシアでBitcoinは非常に初期の段階にあると言える。しかしAyoub氏によれば、インドネシアの人々は徐々に興味を引かれているらしい。

Bitcoinは新興国や発展途上国特有のいくつかの問題(多くの人が銀行口座を持っていないことやクレジットカードの使用制限があることなど)を解決しています。」とAyoub氏は言う。「私たちはアメリカやヨーロッパなどの先進経済国よりも、インドネシアのような国で早々にBitcoinが受け入れられると予想しています。

同社では現時点で、単純なものから中程度レベルの取引を処理できるベーシックなプラットフォームを用いる構想を完全に実証した。次のステップとして、現地インドネシアの銀行と完全に統合された強固なプラットフォームを開発する予定だ。Ayoub氏はArtabitを2014年前半に稼働する予定だという。彼らは現在、規制当局より必要なライセンスを取得中である。

Startup Arenaでは、Global Brainの鈴木伸武審査員はBitcoinの法的問題と不安定性に関して疑念を呈した。K-Cube venturesのJimmy Rim審査員も、Ayoub氏自身が懸念していることであるが、新たな決済ソリューションに対する躊躇いをどう克服していくかについて憂慮を示した。さらに、Saemin Ahn氏はAyoub氏に対して、ArtabitではBitcoinの流動性を相殺する計画を立てているが、Bitcoinの価値が取引の途中で変化した場合どういうことが想定されるかを質問した。500 DuriansのKhailee Ng氏はこの計画が気に入ったと述べたが、ピッチは「最悪だった。」と吐き捨てた。

【via Tech in Asia】 @TechinAsia

【原文】

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Bio3D、3Dプリンティングで身体パーツの安価で高品質な処方薬の実現を目指す

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Bio3D Technologiesの共同設立者であるMingwei Fan氏が今年のStartup Arenaコンペにおいてプレゼンを行った。同スタートアップが製造しているバイオ3Dプリンターによって臨床試験のコストが大幅に削減され、高品質の医薬品を迅速かつ安価に作れるようになると、Fan氏は考えている。(ピッチのビデオはこの記事で見ることができる。) Fan氏のバイオ3Dプリンターは産業仕様の…

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Bio3D Technologiesの共同設立者であるMingwei Fan氏が今年のStartup Arenaコンペにおいてプレゼンを行った。同スタートアップが製造しているバイオ3Dプリンターによって臨床試験のコストが大幅に削減され、高品質の医薬品を迅速かつ安価に作れるようになると、Fan氏は考えている。(ピッチのビデオはこの記事で見ることができる。)

Fan氏のバイオ3Dプリンターは産業仕様の3Dプリンターと精密な研究機器をかけ合わせたものだ。同社初の市販品となるこの製品は、細胞やその他のバイオ素材、さらにはプラスチックまでもがミクロン単位で配置され、プリントされる。世界一手先が器用な人でもこれには敵わない。

Fan氏はバイオオタクで、結合によってより複雑な生命体の元となる細胞と呼ばれるミクロ生命体に特に夢中になっている。彼は細胞をまるで人間であるかのように扱い(Tech in Asiaの1対1のインタビューで彼は「細胞はペトリ皿の中で摂食と排便を同時に行います。」と述べた。)、また、バイオ3Dプリンターの潜在的効果を知る上で細胞が結合していく仕組みを理解することがいかに重要か説明している。

細胞が互いに作用するにはある仕組みで配列されていく必要があります。いったん配列されれば、後は自然の流れにまかせればよいのです。

あれ程までに正確でかつ人工的な方法による細胞配列は、バイオ3Dプリンターが登場するまでは前例がなかった。

細胞ごとに行っている医薬品の研究方法の見直し

Fan氏は、破綻してしまった医薬品開発プロセスとバイオ3Dプリンティングがいかに現状刷新に向いているかについて長々と説明した。一般的なプロジェクトでは研究には8~20年かかることもあり、研究は医薬品テストから始まり、細胞、動物、そして最後に人間による臨床試験まで、莫大な量の試験項目を重ねていくことになる。

もし研究がある時点で失敗したら、科学者たちが何年も研究室で費やしてきた努力と莫大な費用が無駄になってしまう。どのように大変で骨の折れるような試験項目かというと、何千もの化学物質についてそれぞれの濃度、投与量、投与法について調べる必要がある。

動物実験の段階は特に厄介で経費もかかる。例えばある化学物質の効果を調べるために、試験薬をヒヒの肝臓に注射したりもする。ヒヒに何も病的な影響が見られなければ、科学という名の下にヒヒが安楽死させられ、研究のために肝臓が摘出される。

バイオ3Dプリンターを用いれば、従来の細胞試験や動物実験への依存率を減らし、劇的に時間とコストの節約が可能になるのだ。

2次元平面とは対照的に3次元的に細胞を配置することによってヒトの身体をより正確に模することができ、それによって正確なデータが得られるようになる。1つの合成物が2つ以上の細胞に適用され、医薬品開発のプロセスが劇的に簡素化される。

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バイオ3Dプリンターで最終的には全ての臓器をプリントできるようになれば、動物に合成物を注射したり、解剖することなくプリントされた臓器を用いることが可能になるだろう。

「キラーアプリ」となり得るこのバイオ3Dプリンターを使って、細胞レベルで繋がった細胞の宝庫からなるヒト生体の小宇宙をクレジットカードサイズで作製できるようになる可能性も出てくるだろう。このキットに化学物質を注入すれば様々なタイプの細胞に対する作用を調べることができるようになる。

ビジネスモデル

Bio3D初の商業モデルは血管細胞だが、すべての臓器をプリントして業界を驚かせるようになるにはまだ数年はかかるだろう。同プリンターはアフターサービス付きで1台数十万米ドルで販売されている。Fan氏は来年5台を販売したいと考えている。同社はすでに潜在的な顧客との販売交渉をしており、研究機関、大学、製薬会社といった組織が同プリンターに興味を持っているようだ。

これらのジェットブラック装置を販売する他に、Fan氏はヒト組織を大量生産し、臓器培養の手間を省きたい研究施設への販売にも乗り出したい意向だ。Fan氏のスタートアップは現在自己資金で運営されている。設立者たちはまだ自身への給料を払えていないので投資家探しをしているところだ。

審査員たちは、どのようにBio3Dが競合者たちとの差別化を図り、市場を獲得できるかについて疑問を呈した。K-Cube VenturesのJimmy Rim氏は、3Dプリンティング業者がこの技術を簡単にコピーできるか尋ねた。それに対してFan氏は、生きた細胞のプリンティングはプラスチックを印刷するのとは全く異なると返答した。細胞をプリントするのに必要な精密さもスケールが非常に異なるという。

Rakuten VenturesのSaemin Ahn氏からの知的所有権に該当するのは何かとの質問に対し、Fan氏はハードウェアとソフトウェアの組み合わせを用いたヒト細胞の精密な構築に関して、特許を申請中であると明らかにした。このプロセスは生物学の範囲外にも申請が及ぶ可能性もあるという。

一方、Khailee Ng氏はもっと資金が潤沢な競合相手にBio3Dが勝てるのかどうか疑問を呈した。Fan氏は

「当社のビジネスモデルは、研究者のカスタムソリューションを構築する点においてユニークです。細胞や臓器に特化しているアメリカやドイツの競合とは異なり、Bio3Dは他のバイオマテリアルをもプリントすることができるため、バクテリアとヒト細胞間の相互作用の研究をする研究室にも対応できるのです。」

と強調した。

以上が11月21日から22日にかけて開催されたStartup Asia Jakarta 2013のレポートの一部だ。Startup Arenaの他のピッチはこちらから。Twitterアカウント@TechinAsiaと私たちのFacebookページからフォローができる。

【原文】

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[Startup Asia Jakarta 2013] Startup Arena優勝の栄誉は、インドネシア選出のdroneスタートアップが獲得 #startupasia

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ジャカルタで開催されている Startup Asia Jakarta 2013 の2日目。1日目の4社に加えて、さらに4社のファイナリストがピッチをした。 <審査員> グローバル・ブレイン 鈴木伸武氏(→関連記事) 500Startups ベンチャーパートナー Khailee Ng 氏 K Cube Ventures イム・ジフン氏(→関連記事) 楽天ベンチャーズ マネージングパートナー Saem…

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ジャカルタで開催されている Startup Asia Jakarta 2013 の2日目。1日目の4社に加えて、さらに4社のファイナリストがピッチをした。

<審査員>

Love Out Loud Asia(シンガポール)

loveoutloudasia_screenshot従来のデートアプリは、プライバシーの配慮に欠け、実際にデートまで漕ぎ着けるのは数は少ない。サービスから送られて来るメールも、オンラインスパムに近い状態になる。Love Out Loud Asia は、できるだけ時間を使わずデートする機会を提供する。毎日正午に1回1人の異性を紹介する。異性との出会いを判断する上で、デートの内容、プロフィールに加え、美しい人は美しい異性を好むという分析結果に基づき、シンガポール国立大学(NUS)の顔分析技術を導入、過去の行動/反応を分析して、より相性のよい異性を紹介するアルゴリズムを実装している。

楽天ベンチャーズの Saemin Ahn 氏は、最初のユーザ1,000人を確保するのがカギで、それが確保できれば次のステップに進めると指摘した。Khailee Ng 氏は、毎日正午に異性を一人紹介するというコンセプトは、タイのデートアプリ NoonSwoon に酷似しているのではないかと指摘した。グローバルブレインの鈴木氏が、日本ではデートアプリより結婚相手紹介サービスの方が受け入れられやすく、日本への進出如何について尋ねたところ、当面はシンガポール、マニラ、ジャカルタのアジア三都市でのサービス展開に注力すると応えた。

Project Shoe(インドネシア)

ユーザが自分で靴をデザインし、購入できるEコマースサイト。アクセサリー、デザイン、色合いをウェブ上で指定し、自分好みの靴を作成することができる。インドネシアは靴製造のコストが世界一安いわけではないが、中国の次に安い。世界主要8カ国の靴市場は90億ドルに上る。現在、約50万ドルの資金調達をしている。靴は世界で共通のニーズがあり、マージン率も高い。インドネシアは生産とオペレーションコストが安いことから可能性を感じる。

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審査員からは、靴の返品率などに関するが相次いだ。コストが安いとは言え、Khailee Ng 氏は「価格がそれなりのものになるので、消費者は例えば Jimmy Choo の靴を買うのではないか」、イム・ジフン氏は「選択肢が多過ぎるので、人々はこのように自分でデザインを選んだりするのではないか」など。

Zap(フィリピン)

リアル店舗向けの販売分析/プロモーションツール。マニラ首都圏地域の人口は1,200万人、フィリピン全戸kうでは3万件の小売店鋪が存在する。フィリピンのモバイル・インターネット普及率は19%と低いが、東南アジア全体にまで視野を広げると、2012年の小売市場は7,550億ドルにまで上る。

ローンチからの6ヶ月で、ブランド120社、小売店鋪187店舗と提携し、Zap Network を形成した。小売店鋪からはトランザクション・フィー、ユーザからはメンバーシップ・フィーを徴収してマネタイズを図る O2O ソリューションである。

Garuda Robotics(インドネシア)

drone 用に、ウェブベースで使えるコントロール・パネル「Garuda Cloud」を開発。ピッチで披露されたコーヒーデリバリーをはじめ、ウェブ上に予め用意されたモジュールを使い、ドラッグ・アンド・ドロップだけで、さまざまなミッションを簡単に作成することができる。会場の WiFi 環境の不具合でデモでは一部内容が披露できなかったが、実際には drone に搭載されたカメラからのビデオフィードが、コントロール・パネルに表示される仕様になっている。

実機に搭載された基盤 BlackBoxes は、リアルタイムのデータ転送、drone へのコマンド送出、センサーのテレメトリ転送、ログ記録、ビデオフィード送出を実現。サードパーティー開発者向けには、AppBuilder で共通モジュールを提供し、drone と Garuda Cloud を使ったアプリ開発を支援する。原発での放射能測定、消防活動支援、天然ガスのパイプライン調査などの用途を想定。

Khailee Ng 氏から「このような drone は誰が作っているの」との質問に対し、プレゼンターによれば、正確に言えば、規制があるためまだ誰も作っていない。しかし、ヘリコプターを使うと1時間3,000ドルのコストがかかるので、それに代わるテクノロジーとして需要は非常に高いとのことだ。


審査の結果、優勝スタートアップには当地インドネシア出身の「Garuda Robotics」が選ばれ、Tech in Asia 創設者の Willis Wee 氏らから賞金1万ドルが贈られた。

昨年の Startup Asia Jakarta 2012 の時の様子と比べてもらえればわかるが、ファイナリストとしてステージでピッチしたスタートアップの数が、前回の約半数に減っている。関係者に聞いてみたところ明言は避けられたが、ファイナリストの選考基準が厳しくなったわけではなく、応募総数が昨年に比べて少なかったのが理由のようだ。ピッチイベントの応募の勢いは、スタートアップ・コミュニティの景気に大きく左右されるので致し方ない。

それとは対照的に、日本から参加している投資家の数は多かったのは特筆に値するだろう。最終的な参加者のデモグラフィックは、昨年のときのように近日公開される予定なので、そちらで確認してみたい。言うまでもなく、スタートアップへの投資が増えればコミュニティの景気はよくなる。来年以降の東南アジアのスタートアップ情勢にも注目したいところだ。

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[Startup Asia Jakarta 2013] アジアのスタートアップがしのぎを削るStartup Arena前半戦から #startupasia

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Tech in Asia の Startup Asia も、春はシンガポール、秋はジャカルタで開催されるというスタイルが定着してきたようだ。私はこれまでのところ、開催初回から皆勤賞なのだが、2014年には東京でも Startup Asia Tokyo を開催するようなので、引き続き注目してみたいと思う。 2013年の総括が始まるこの時期、東南アジアでは、資金調達やイグジットの数から言って、2012…

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Tech in Asia の Startup Asia も、春はシンガポール、秋はジャカルタで開催されるというスタイルが定着してきたようだ。私はこれまでのところ、開催初回から皆勤賞なのだが、2014年には東京でも Startup Asia Tokyo を開催するようなので、引き続き注目してみたいと思う。

2013年の総括が始まるこの時期、東南アジアでは、資金調達やイグジットの数から言って、2012年に比べてスタートアップ・シーンの勢いが幾分トーンダウンした感は否めないが、当地インドネシアでも投資家らが海外からのベンチャー資金の流入させるべく積極的に活動しており、その期待に応えるべく多くのスタートアップが生まれ続けているようだ。

さて、そのアジアのスタートアップの雄を決める Startup Arena は、2日間に分けて8社が凌ぎを削る。まずは21日に開かれた、1日目の様子をお届けしよう。

<審査員>

Linqapp(台湾)

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外国語を学習している人が、ネイティブスピーカーに質問できるアプリ。テキスト、写真、音声で質問ができる。ビジネスモデルは3つを考えている。

  1. アプリ内課金で200クレジットを99セントで販売。1質問につき、1クレジットを消費。または、月額$7.99 で質問数無制限。
  2. 翻訳に関心があるユーザ向けのターゲット広告。
  3. 安価で翻訳依頼ができるマーケットプレイス。すごく安い金額で翻訳を依頼することができる。世界3兆円規模と非常に大きい。

Khailee Ng 氏は、クラウドソーシング翻訳について、500 Startups のポートフォリオでもある Gengo との違いに回答を求めた。CEO の Sebastian Angは、「Linqapp はカジュアルな翻訳を対象としており、シリアスな翻訳を意図していない」と説明したが、Khailee は「そもそもお金を払う以上、ユーザは翻訳を依頼する場合、皆シリアスだ」とビジネスモデルの再考を求めた。

artaBit(インドネシア)

BitCoin を使って、インドネシアの決済ネットワークを開発しているスタートアップ。東南アジアで展開中のインキュベータ、アクセラレータとの提携を希望。同様のサービスとしては、アメリカの BitPay、シンガポールの GoCoin(プレゼンターは名前を特定しなかったが、GoCoin と推測される)があるが、それらとの差別化は、決済ネットワークが発達していないインドネシアへのローカライゼーションに特化していることである。貨幣価値が変化する問題、政府が規制するなどの長期的なリスクについて、審査員らは総じて説明を求めたが、プレゼンターからの回答に審査員らは満足しなかったようだ。

Bio3D Technologies(シンガポール)

人間の細胞を作ることができる、ポジショニングが正確にできる3Dバイオプリンタを開発。人間の内臓も3Dプリントしてしまえる技術。現在、世界には、人間の細胞組織をカスタマイズする技術がない。世界で最初の3Dバイオプリンタを作った。ビジネスモデルは、3Dバイオプリンタの販売、人間の細胞組織のQ&Aデータベースを作ってマネタイズ。現在、6人のチームで活動しており、特許を2つ出願している。ドイツに1社、アメリカに1社の競合があるが、Bio3D が顧客とするのは研究機関であり、世界中に研究機関があるのでビジネスとして成立する。進化医療のコスト削減とスピードアップに貢献するもので、臨床実験は顧客である研究機関が行う。

SmartBike(ベトナム)

ウェブサイトは未開設の模様

smartbike_deviceベトナムでは毎日22台のバイクが盗まれるが、その3分の1は警察の検挙などにより解決している。BlueTooth 4.0LE を使い、自分から5メーター以上バイクが離れるとカギがかかる「自動モード」、自らタグ付けする「タグ」、後からラップトップなどを使ってトラッキングできる「トラッキング機能」がある。インドネシアには6,500万台のバイクが普及しており、2000年〜2011年で毎月22.5%伸びている。自動モードのみは$29.99、トラッキングができる機能は84.99ドル+月1ドル、タグは$14.99で提供。コンサルタントの進言により、ベトナムで普及できたら、アメリカへ進出するよりも東京に先に進出したいと考えている。


Startup Arena 2日目 や、優勝者の情報については、追って本サイトでお伝えする。

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今年のアジアのスタートアップ・シーンを総括するイベント、Startup Asia Jakartaは11月21日〜22日に開催

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今年も残すところ、あと2ヶ月余りだ。2013年を総括するにはまだ少し早いが、来年のインターネット・トレンドを予測しながら、次なるサービスの立ち上げに思いを馳せるには良い季節とも言える。2013年のアジアのスタートアップ・シーンを総括するのに好機なのが、東南アジア最大のスタートアップ・イベント Startup Asia Jakarta で、今回は11月21日〜22日の2日間にわたって、インドネシア・…

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今年も残すところ、あと2ヶ月余りだ。2013年を総括するにはまだ少し早いが、来年のインターネット・トレンドを予測しながら、次なるサービスの立ち上げに思いを馳せるには良い季節とも言える。2013年のアジアのスタートアップ・シーンを総括するのに好機なのが、東南アジア最大のスタートアップ・イベント Startup Asia Jakarta で、今回は11月21日〜22日の2日間にわたって、インドネシア・ジャカルタで開催される。

2014年には、インドネシアのスタートアップ・シーンに投資ブレイク(もしくはバブル?)が訪れると言われる中、この時期に評価の高いアジアのスタートアップが一堂に会するイベントは一見の価値がある。スピーカーには次のような人々が登壇する予定だ(抜粋・順不同)。

  • Kii 株式会社 共同創業者兼社長 鈴木尚志氏
  • 韓国 KCube Ventures 創業者兼CEO イム・ジフン氏
  • インフォテリア 代表取締役社長 平野洋一郎氏
  • 東京証券取引所 上場部部長 兼 上場推進室長 小沼泰之氏
  • ヤフージャパン 事業推進本部長 宮澤弦氏
  • Bubble Motion 創業者兼CEO Tom Clayton 氏
  • Rocket Internet 共同創業者 Stefan Jung 氏
  • Fenox Venture Capital CEO Annis Uzzaman 氏
  • 500Startups Venture Partner Khailee Ng 氏
  • Tokopedia 共同創業者兼CEO William Tanuwijaya 氏
  • 楽天ベンチャーズ パートナー Saemin Ahn 氏
  • PT Midtrans 共同創業者  Ryu Kawano Suliawan 氏
  • Kakao Corporation CEO イ・ソクウ氏

THE BRIDGE は今回も Startup Asia Jakarta のメディアパートナーを務めており、現地からのレポートをお届けする予定だ。また、THE BRIDGE の読者向けに、Startup Asia Jakarta の無料入場チケットをいくらか預かっているので、希望者は本稿のコメント欄に Facebook ログインによる Disqus 経由で、その旨をコメントしてほしい。応募を10/25で締め切り、抽選の上、当選者には 10/26 に Facebook メッセージで無料入場券を進呈する。(残念ながら当選に外れた人は、ここからチケットを購入してほしい。ディスカウントコード「StartupAsiaJakartaRockz」の入力で30%割引になる。)

今年春に開催された Startup Asia Singapore 2013 の模様はこちらから、昨年開催された Startup Asia Jakarta 2012 の模様はこちらから確認することができる。


なお、先日告知したパートナーメディア DailySocial による SparxUp2013 については、来年に延期された。DailySocial によれば、このところ、バリでさまざまな国際会議が急激かつ頻繁に開催されるようになったことで、会場のスケジュールと費用の調整がつかなくなったのが理由らしい。来年に期待しよう。

参考として、本日以降年末までに、国内外で開催されるスタートアップ関連イベントの一覧を掲げておく。

  • 10月21日〜23日  GMIC SV(サンフランシスコ)
  • 10月26日〜29日  TechCrunch Disrupt(ベルリン)
  • 10月30日〜31日  WebSummit(ダブリン)
  • 11月7日      SF Japan Night Vol. 6(サンフランシスコ) <関連記事
  • 11月11日〜12日  TechCrunch Tokyo / Mashup Awards 9(東京)
  • 11月19日〜20日  TechCrunch Shanghai(上海)
  • 11月21日〜22日  Startup Asia Jakarta(ジャカルタ)
  • 12月5日      Startmeup.HK ベンチャーフォーラム(香港) <関連記事
  • 12月10日〜12日  Le Web 2013(パリ)
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[Startup Asia Singapore 2013]ピッチ・セッションを飾った、スタートアップ20社の顔ぶれを一挙紹介

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4月4日~5日の2日間、アジア各国からスタートアップ、起業家、投資家が一同に集まるイベント Startup Asia がシンガポールで開催された。Startup Asia は、SD Japan のメディアパートナーでもある Tech in Asia が昨年からスタートさせ、シンガポール、ジャカルタ、バンドン(ハッカソン)と続いて、今回で4回目となる。以前のシンガポール郵便会社のホールから場所を変え…

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4月4日~5日の2日間、アジア各国からスタートアップ、起業家、投資家が一同に集まるイベント Startup Asia がシンガポールで開催された。Startup Asia は、SD Japan のメディアパートナーでもある Tech in Asia が昨年からスタートさせ、シンガポール、ジャカルタ、バンドン(ハッカソン)と続いて、今回で4回目となる。以前のシンガポール郵便会社のホールから場所を変え、DEMO Asia が開催されたことでも知られる、シンガポールの学研施設 Biopolis に場所を移しての開催となった。

Tech in Asia は東南アジアに強いメディアだが、Startup Asia においては、西はイスラエルから東は日本まで、東南アジアの若くて人口の多い市場を狙うスタートアップが集まってくる。日本でもスタートアップのイベントはいくつか開催されているが、いずれも国内のユーザをターゲットにしているため、海外に活路を見出す日本のスタートアップにとっても、Startup Asia は手軽で効率のよい露出機会の場となっているようだ。

イベントは展示ブース、キーノートスピーチ、パネルディスカッション、そして、ピッチ・セッション(Startup Arena)で構成されている。今回は2日間にわかれて繰り広げられた、総勢20社のスタートアップを紹介してみたい。いつものようにピッチをすべて録画してきたので、今後、国内や海外でピッチの機会が想定される起業家には、先人達の事例を参考にするとよいだろう。それぞれの起業家と審査員との一問一答の内容も興味深い。

なお、すべてのピッチを通し見したい場合は、このリンクから閲覧するとよい。ジャッジを務めたのは、以下の方々だ。

  • グローバル・ブレイン代表取締役 百合本安彦氏
  • Mailman Ventures  Andrew Collins氏
  • Golden Gate Ventures  Jeffrey Paine氏
  • サイバーエージェント・ベンチャーズ中国法人総代表 北川伸明氏

※ グローバル・ブレイン、サイバーエージェント・ベンチャーズの各社と Jeffrey Paine氏 には、SD Japan のアドバイザーを務めていただいている。

Netizen Testing(マレーシア)

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ユーザテストのクラウドソーソング・サービス。複数のテスターに依頼して、サイトの操作性テストを実施することができる。テスター1人につき35ドル、3人以上に依頼する場合は割引がある。テスト項目の作成にあたっては、Netizen Testing が用意しているテンプレートを流用することもできる。

Mmixr(マレーシア)

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クラウドベースのプレゼンテーション作成ツール。PowerPoint、ビデオ、写真、フラッシュ、公開ライブラリ等からコンテンツをインポートし、OS(Windows/Mac)、デバイス(デスクトップ/ラップトップ/タブレット/スマートフォン)、デバイスのプラットフォームに依存せず、データを閲覧、編集、保存することができる。

DoDoHub(シンガポール)

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読書、ジムに行く、12時までに寝る、電話やPCを使わないようにするなど、日常習慣の達成をゲーミフィケーションで支援するサービス。習慣の達成度をカレンダーとともに可視化することができる。

Frame Bench(インド)

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遠隔オンラインのビジネス・ミーティングをより効率化し、わかりやすくするサービス。とかくオンライン・ミーティングでは顔を見ながらの会話だけに、ミーティング参加者複数で同じ絵を共有することができ、それに共同で追加や修正を加えていくことができる。

RichMediaAds(マレーシア)

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Flash で動作するインタラクティヴな、リッチメディア広告を制作するのは、手間とお金がかかる。RichMediaAdsを使えば、リッチメディア広告を容易に作成でき、提携ウェブサイトに出稿することができる。

ZocialInc.(タイ)

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ソーシャルメディア上で何が話題になっていて人気を得ているか、リアルタイムで調査・分析を提供するサービス。ZocialEye RealTime を使ってバンコクの市長選の候補別の人気状況を報じたり、ソーシャルネットワークのランク付けを行う ZocialRank などを運営している。

Cinammon(シンガポール)

cinnamon_logoピッチの動画 ウェブサイト  <関連記事

親密な間柄同士で手軽に写真共有ができるアプリで、相手がカメラで撮影した写真が即座に自分のアプリ上に表示される。元 Naked Technology / Mixi の平野未来(みく)氏と堀田創(はじめ)氏が起業し、資金調達の関係から会社はシンガポール籍、開発をはじめとする活動はベトナム・ホーチミン市を拠点としている。

Lots of Buttons(香港)

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もともとはファッションEコマースサイトとしてスタートしたが、URLが Lots of Buttons であったことから、その利点を活用してボタン専門サイトにピボットした。ボタンを販売するサイトは競合が居ないため、ビジネスを順調に伸ばしている。注文されたボタンは、世界のボタン生産量の60%が作られる、中国浙江省橋頭鎮の工場から直送される。

Triibe(シンガポール)

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このサービスに加盟する小売店鋪でお客が買い物したり、レストランで食事をした後、サービスや商品、購入体験について店にフィードバックをすると、割引特典が提供されるサービス。もともとは中小企業向けのアナリティクス・サービスとして始まったが、ピボットして、小売店鋪向けの顧客フィードバックのサービスに特化することにした。

Xunta/尋他(中国)

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ゲイの人々のためのデイティング・サイト。中国国内で6万人のユーザを擁する。モバイルアプリに加え、イベントで会ったときに、相手に関心があることを示せるQRコードが印刷されたカードを提供する。マレーシア、シンガポール、韓国、日本に住む中国人を中心にユーザ数を急速に伸ばしている。

Puddding(カンボジア)

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Eコマースでジーンズを買うと、そのサイズがベストフィットするケースは23%なのだそうだ。オンラインであれオフラインであれ、足や太ももの大きさは人によって異なるので、陳列されているラインナップからベストフィットするジーンズを探すのは難しい。Puddding では自分の体型をインプットし、自分と体型が似た他ユーザがどのような商品を買っているかをシェア、購入に進むことができる。18歳〜44歳のアメリカとシンガポールの女性をターゲットにしている。

SocialAgent(中国)

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深圳に本拠を置き、Weibo(微信)を通じて、中国市場へのセールスアプローチを助けるサービス。企業のマーケティング部門ではなく、営業部門を助けるサービスとしている。中国からシンガポールへの留学生を集めたい代理店、ニューヨークに本社を置く不動産販売会社、ニュージーランドの粉乳製品のトラッキング・システム会社、メキシコの海産物販売会社など、10社のクライアントがいる。

tellmyfriends(シンガポール)

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Facebook を通じ、音楽を共有することで、そのファンにも利益がもたらされるサービス。楽曲は基本的に一曲2シンガポールドル(約140円程度)で提供され、Apple の iTunes Store などよりも安い。あるユーザが楽曲を購入し、そのユーザの友人が楽曲を購入すれば、元のユーザに利益の一部が還元される。一部のレコード会社と提携を模索している。

SocialHappen(タイ)

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リアル店舗でディスカウント・サービスを受けられる ShopKick のタイ版。リアル店舗にはガシャポン・マシンを置き、これらは店舗のインターネットで接続される。ユーザが店舗に近づくと、ユーザのスマートフォン・アプリはこのマシンからの信号を受信し、ディスカウント情報を提示して、ユーザに来店を促す。ユーザはQRコードをスキャンする必要がなく、屋内店舗でもGPSを必要としないため、完全に受動的に店舗からの情報を受け取ることができる。

DealPOS(インドネシア)

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クラウドベースのPOSシステム。一般的に高価なPOSとは異なり、webインタフェースを経由して提供されるため、安価に導入でき、複数の店舗を経営している場合や、店舗のオーナーが出先からPCやモバイルで売上情報を確認したりすることができる。iPad でPOS環境が構築できるユビレジのインドネシア版とも言える。シンガポールの SoftLayer のデータセンターに環境を設置しており、国際展開を準備中である。

PixBento(シンガポール)

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Facebook などでの意図しない相手に写真が共有されてしまう問題を解決するため、ロードショー、パーティー、結婚式など、テーマ毎にアルバムを作って意図する相手とのみ写真を共有するサービス。写真200枚までアップロード無料のフリーミアム・モデルを採用、マネタイゼーション・モデルとしては、企業の写真に特化したソーシャル・マーケティングに使ってもらうことを期待している。

Hoozin(イスラエル)

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現実世界のおしゃべりの要素を、グループ・チャット・アプリの中に実装することを目指した。グループの中で選択肢の決をとるための投票機能、誰が担当してもよいのだが、担当がなかなか決まらないときに人を選ぶためのボトルスピン機能などが特徴的。アニメーションなどのグループを今後追加し、アプリ内課金やブランド提携などによりマネタイズすることを計画している。

Shop Bust(シンガポール)

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ミシュランの覆面調査員のようなコンセプトを、クラウドソース化したサービスだ。覆面調査員になりたいユーザがサービスに登録すると、ShopBust は企業から依頼された条件に適合するユーザに調査を依頼する。ユーザは調査であることを伏せて店舗を訪れ、店員の応対、店舗の清掃状態、見た目等についてレビューし ShopBust に回答する。調査を実施したユーザは、ShopBust からお金をもらうことができる。シンガポール、インドネシア、フィリピンでベータ版を展開中だ。

8 Villages(インドネシア)

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農業従事者に特化した、モバイルの情報ポータル。天気予報、穀物の値段の情報を提供し、農業に関する専門家への質問を受け付ける。ブランドや大手企業と農業従事者の接点をすることで収益化を図る。現在はインドネシアで展開しており、近く、フィリピン市場への参入を計画している。

Pombai(タイ)

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オンライン発券システムが充実していないタイのバス会社と提携し、タイ国内のバスツアーの発券ポータルサイトを目指す。中国やベトナムにも同じような問題があるとして、将来的にはこれらの国々への進出も検討している。また、同様のサービスを提供する競合ではあるが、インドの Redbus はバスのオンライン発券サイトの分野で成功している。


すべてのスタートアップのピッチが終わった後、優勝者が発表された。香港のスタートアップ Lots of Buttons だ。審査員が4人全員投資家だったということもあり、革新的なスタートアップというよりは、確実に利益を出して成功できそうなスタートアップが選ばれたというのが私の感想だ。

Startup Asia のスポンサーには多くの日本企業が名前を連ね、会場にも多くの日本スタートアップが足を運び、そして、ピッチ・セッションの審査員も日本人が半数を占める状況だったが、日本から登壇したスタートアップは残念ながら20社中一つもなかった。ただ、Cinnamon のような事例を見ると、この種の国際的なピッチ・セッションでは、オリンピックのように国別対抗のような要素を聴衆は期待するものの、そもそも従来からある「日本のスタートアップ」というコンセプト自体がもはやナンセンスなのかもしれない。

さらに述べるならば、このようなイベントで日本のスタートアップのプレゼンスがまだまだ低いのは、我々メディアにも責任の一端はあるのだろう。そのような責任感を持って、なるべく広く深く世界のスタートアップ・シーンの状況を伝えられるよう務めているつもりだが、より多くの日本のスタートアップや起業家が世界の檜舞台に立ちたいと思えるよう、情報提供を心がけて行きたい。

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[Startup Asia Singapore 2013]東南アジア市場進出を視野に、Cinnamonがプライベート写真共有アプリをピッチ

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【原文】 Startup Asia で、CEO平野未来(みく)氏が率いるスタートアップ Cinnamon が Seconds という新しい写真アプリについてピッチした。最近、私は平野氏に会う機会があり、彼女は近日リリースされるアプリについて、プレビューを見せてくれた。はじめに Android 用にリリースし、Android に元々備わっているネイティヴ・カメラアプリを Seconds で置き換えた…

【原文】

Startup Asia で、CEO平野未来(みく)氏が率いるスタートアップ Cinnamon が Seconds という新しい写真アプリについてピッチした。最近、私は平野氏に会う機会があり、彼女は近日リリースされるアプリについて、プレビューを見せてくれた。はじめに Android 用にリリースし、Android に元々備わっているネイティヴ・カメラアプリを Seconds で置き換えたいと言う。プライベートの写真共有機能で、まずは東南アジア市場から立ち上げる予定だ。

このアプリはシンプルで使いやすく、写真を撮影し、アップロードしたい先のアルバムを選択する。追加された写真は、そのアルバムのアクセス権を付与したメンバーにすぐに見えるようになり、そのメンバーも同様に写真をアップロードができる。

多くのアルバムを作ることができ、それぞれのアルバムには、家族、友人、大切な誰かなど、異なるアクセス権を付与することができる。写真は自動的にアップロードされるので、仮に電話を亡くしたり盗まれたりしても、写真を失う心配が無い。

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Cinnamon の CEO 平野未来(みく)氏

平野氏によれば、Cinnamon はまず最初に、恋愛写真の共有で知られるタイで、アプリをリリースする。プライベートな写真共有はアジア地域でポピュラーであることから、彼らは人口の多い東南アジアをターゲットにしている。日本、中国、韓国などのモバイル発展国は、利益を稼ぎ出す市場として考えているようだ。

Cinnamon は昨年10月にシンガポールで設立され、12月に CyberAgent Ventures やエンジェル投資家からシード資金を調達した。現在は社長の堀田創(はじめ)氏を含め、10人ほどのチームだ。

Seconds のマネタイズにあたっては、プレミアム機能や広告など、多くの方法を考えているようだ。プレミアム版を展開するならば、ストレージ、フィルター、デコレーション、Facebook 連動など、特別な機能が考えられるだろう。

明日は Startup Asia の2日目で、20のアジアスタートアップが戦う中で Cinnamon が健闘できるかどうかが楽しみだ。私が昨年のジャカルタの Startup Asia に参加した際には、純日本のスタートアップである MoSo がこのスタートアップ・イベントで優勝した。

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