【ゲスト寄稿】セキュリティに特化したファイル共有デバイス「iTwin」、ハードウェアである 利点とは

この記事をゲスト寄稿してくれたのは、平野奈津子さん。ストラテジストとして、国内PRから企業の海外進出、海外スタートアップの日本参入サポート、その他幅広い業務を行っています。Twitterは@natsuko3


クラウドによってデータの保存管理は大きく変わり、様々なファイル共有サービスが生まれている。iTwinはその時代に敢えてハードウェアを用いることで「シンプルさ」と「使いやすさ」を徹底して追求している。世界でも購入者数が急速に伸びているという注目の高い製品。なぜ今、ハードウェアなのか。シンガポールを拠点とするスタートアップで、23歳にして世界中で使われる製品の創業チームメンバーであるAkash Nemaniに話を聞いた。

ケーブルの不可視化

iTwinとは、2つセットになったUSBフラッシュドライブを2台のPCにそれぞれ挿し込み、ファイルやフォルダを共有することができるデバイスだ。

まずiTwinが2つつながったままの状態で共有したいPCのUSBポートに挿し、パスワードなどの設定を行う。そしてiTwinを切り離して、もうひとつのPCのUSBポートに挿し込む。設定はこれだけ。インターネットを通して世界中どこにいても2台のPCでファイルを共有することができる。「ケーブルはないけれど、ケーブルで繋がっているようなイメージ」(iTwinのAkash Nemani)。

クラウドの問題を解決する

クラウドが身近になった今、逆方向に向いているとさえ思えるiTwinだが、Akashはクラウドについて「非常に便利なツールですが、全てのデータに便利だとは言えない」と語る。「サーバー上のファイルは、完全に安全でしょうか。サーバーがどこにあるのか、誰がアクセス権を持っているのか、知らない場合がほとんどです。」

確かに、部外秘資料などはなかなかクラウドに上げられない。メインターゲットを「常にオフィスで仕事をしていない社会人」としている理由はそこにある。「特に、弁護士や会計士など高いセキュリティが必要なプロフェッショナルにはぜひ使ってほしい」とAkashは言う。

もうひとつの特徴は、シンプルさだ。常に新しい製品やサービスに触れている人はいいが、やはりまだクラウドを使いこなせている人は少ない。それがハードウェアになると、とにかく分かりやすく使いやすいのだ。これにより、iTwinのターゲットは広くなる。メインはやはりビジネス利用だが、「家族をつなげるツールとしても使ってもらえる」(Akash)という。遠く離れて住む両親に子供の写真を送る際、直接両親のパソコンにアップできたらどんなに便利だろう。シンプルな上、クラウドでは時間がかかる大容量のデータのやり取りにも最適だ。一度購入すれば毎月お金がかからないのも、ハードウェアならではの特徴。便利ではあるが制限も多いクラウドの問題を全て解決してくれる。

機密データは持ち歩かない

そもそも、なぜこの時代にこのようなプロダクトを考えついたのだろう。そこには多くのスタートアップがそうであるように、創業者の「不満」があった。10年間セキュリティ業界で働いていた彼は、当時仕事上の極秘資料を入れていたUSBメモリを持ち歩いている最中、不注意でなくしてしまったのだ。もちろんデータのバックアップはパソコンに入っている。だが、このUSBメモリが誰に拾われ、極秘資料が出回ってしまうというリスクは大きい。USBデバイスの登場は画期的だった。それでもセキュリティ上このデバイスを持ち歩くのは、ベストソリューションではないと感じたという。

アプリで生み出す拡張性

現在、世界で「何千もの人」に使われているiTwin。そのシェアは非公開としているが、主にアメリカとヨーロッパが主要市場だと言う。シンガポールの会社でありながら、自国が主要市場に入っていないところがシンガポールらしい。iTwinは彼らの最初のプロダクトだが、彼らはこれを「パソコンをつなぐプラットフォーム」であると考えているという。このプラットフォームを基に、様々なアプリをリリースしていくことでその可能性を広げる予定だ。ソフトウェアアップデートがあると、その度にポップアップで知らせてくれるので早くに手に入れたユーザーも最新版を購入し続ける必要がない。

今、多くの人が自分専用のパソコンを持つようになった。それどころか、オフィスと自宅など2台以上のパソコンを日常的に使う人も多い。私は今、MacBook Pro1台で済ませている。大きな画面で作業ができるデスクトップのニーズは感じるが、打合せに持ち歩くことやオフィス外で仕事をすることが多いため、ファイルの共有が面倒なのだ。クラウドはよく利用するが、セキュリティ面で全ファイルを預けられるほど安心できない。USBも便利だが、毎回上書きをするのは面倒だ。そして共通するのが、容量の問題。けれど、シンガポールでiTwinに出会った時、これさえあれば2台目も・・・と思った。リモートで仕事をすることがより便利になり、今以上に仕事の場所を選ばなくなりそうだ。

StartupBase Profile

itwin

Company: itwin

iTwinは世界中のどこでも、2つのコンピュータ間で安全で、ワイヤレスのファイル共有を可能にするサムドライブを実用化したもの

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